BOSSが誇る技CRAFTシリーズに、久しぶりの新製品が登場です。
MT-2とDC-2を発展させたモデルですね。それぞれ見てみましょう。
BOSS MT-2W Metal Zone
メタルゾーン最大の特徴はこのEQですね。HIGH、MID、LOWの3バンドEQなんですが、MIDの中心周波数を調整できるFREQノブを追加することで、調整したいミッドレンジの中心を設定可能とした4パラメータ構成。2つの2段ノブを使うことでこの形を作りました。
MID+MID FREQのこの形、パラメトリックEQに近いスタイル(実際のパラEQならさらにQパラメータがあります)としたことで中域をより細かく調整できるようにしたこの形は、現在でもハイゲインディストーションの定番スタイルとして定着しています。
新しくなったMT-2Wでもこのスタイルは継承。±15dBの範囲で調整できるアクティブ3バンドEQのミッドレンジのみ200~5KHzの範囲で中心周波数を設定できるMID FREQコントロールを装備しています。
そして技クラフトならではのS/C切り替えスイッチを搭載。MT-2はもともと1991年発売ということもあり、スラッシュメタルなサウンドが得意です。C(カスタム)モードではより現代的でワイドレンジなハイゲインを作ることができる、ということですね。
BOSS MT-2W Metal Zone Sound Examples
BOSS DC-2W Dimension C
DC-2、最近はそこまで聞かなくなってきた感があるので、意外と知らないって人もいるかもしれません。オリジナルモデルは1985年に発売。89年まで生産されました。
コーラスエフェクトは、短く揺らしたディレイサウンドを原音と混ぜて、音に立体感と広がりを作るエフェクトです。ディメンションコーラスは、そのモジュレーションを2ラインとし、位相を反転させた2つのモジュレーションディレイを同時に原音と混ぜることで、コーラス感がありつつモジュレーション感がない、つまり「揺れないコーラス」として作られたのがディメンションコーラスです。
オリジナルDC-2は、Roland SDD-320というラック型のディメンションコーラスをペダル化したもの。アナログコーラスエフェクトですね。ちなみに後継モデルとして発売されたDC-3 Digital Space Dはデジタルディメンションコーラスです。
特にDC-2の大きな特徴といえば、この4つのボタンですね。ボタンを押すとプリセットを選べるという形式で、4種類のファクトリープリセットを選択して音を選びます。こう書くとデジタルエフェクトみたいですが、アナログです。スイッチも、昭和の時代に作られた換気扇とか扇風機みたいな「カチっと押すと他のボタンがカチっと戻る」、独特の操作感が魅力です。
2つの位相を反転させた揺れを合わせることで揺れを無くすという発想のディメンションコーラスですが、特にアナログ回路のDC-2は「揺れます」。揺れるというか、揺らぐという方が正しいかもしれません。理論上揺れない設計ですが、アナログならではのズレによるものなのか、それとも意図したものなのか、揺れがありますね。ただ、「同じくらい深くかけたコーラスほど揺れてはいない」という感じの音が特徴です。
新しくなったDC-2Wは、オリジナルモデル特有の4ボタンによるプリセット選択スイッチの構成を再現しながら、4つのスイッチを電子スイッチに進化。さらにS/SDD-320切り替えスイッチで、元になったラックエフェクトのサウンドも再現可能。さらに「従来では 実現できなかったセッティングも可能」となったということですが、4つしかないボタンで従来できなかったセッティングといえば、これは同時押しとフルステレオ対応ですね。
元になったSDD-320も4つのボタンを搭載したラックエフェクトだったんですが、これはボタン同時押しによる違った音の設定が可能でした。DC-2は構造上ボタンの同時押しはできません。DC-2Wは、電子スイッチを採用したことにより同時押しが可能となっています。また、オリジナルDC-2はモノラルインプットでしたが、DC-2WはステレオIn/Out対応です。(DC-2モード、つまりSモードでも同時押し可能となっているようです。)
4つのボタンスイッチにはLEDが搭載され、暗いところでもどのボタンが押されているか即座に分かるようになっているのも進化ポイントですね。
BOSS DC-2W Dimension C Sound Examples
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