それでは、基礎編シリーズ、コーラスの回を綺麗に終わらせて来年につなげましょう。3回目となる今回は、よりハイエンドな高級コーラスについて見ていこうと思います。それでは行ってみましょう。
ハイエンドなコーラスペダル・・・歪み系はいいものを持っていても、コーラスはそこまで・・・という方もおられるかと思います。一方、ヴィンテージのCE-1等でないと気がすまない、という方等さまざまだと思いますが、やはり原音とのミックス加減や、さまざまなコントロール、コーラスとしての深みや暖かみなど、ハイエンドなペダルにしかないものはありますね。今回はそんなコーラスを見ていきましょう。
この独特なホームベース状の筐体といえば、ヴィジュアルサウンドですね。たいてい2つのエフェクターがセットになっていることが多いように思います。このH2Oもその例にもれず、アナログコーラスとディレイを組み合わせたペダルで、非常に評判もいいですね。アナログコーラス部のディレイ、つまり遅延素子には、オリジナルのBBDを作り上げて搭載しています。コーラス部のコントロールはSpeed、Width、DelayTimeとなっていて、このWidthコントロールで暖かみのあるクラシックコーラスサウンドをコントロールできるようですね。一方Echo、つまりディレイはデジタル構造で、Echo Time、Repeats、Levelというコントロールです。名前こそ違いますが、Time、Feedback、Levelという一般的なコントロールですね。最大800msまでのタイム設定が可能ですが、デジタルディレイならばタップテンポかデジタル表示のディレイタイムが欲しかったところでもありますね。しかしコーラスにおいては、このオリジナルBBDが非常に力を発揮していて、素晴らしいサウンドを作り上げることに成功しています。単品のコーラスで発売されていればもっと売れたかもしれませんね。
コーラス、フランジャー、ダブルトラック(コーラス+エコー)、そして独自のフィルター・マトリックスという4モードを持ったモジュレーション系総合ペダルです。カート・コバーンが使用していたことでも有名ですね。特にコーラスとフランジャーの設定幅は驚異的で、コーラスにおいては、エレハモらしいエグイコーラスから、より浅く爽やかなコーラスまでを作り出すことができます。独特のチャイムトーンを実現するフィルターマトリックスも魅力的ですね。
ヴィンテージCE-1の持つより暖かみのあるアナログコーラスのサウンドを目指したモデルです。SPEEDとINTENSITYのみというシンプルなコントロールは扱いやすそうでうれしいですね。
太い音とアタックに定評のあるカールマーチンのコーラスペダルです。完全独立2系統のコーラスをミックスすることができる、Bi Chorus仕様となっていますね。コントロールはそれぞれにDeapthとSpeedが割り当てられていて、融合すれば独特な世界観を表現できますし、もちろん片方だけでも使えます。
ちょっとカールマーチンと見た目がかぶるんですが・・・wこちらも空間系では特にゆるぎない評価を得ているt.c.electronicのコーラスペダルです。SPEED、WIDTH、INTENSITYと、コントロールは一般的ですが、コーラスとフランジャーの切り替えスイッチと、デチューンモードを搭載しており、これ1台で多彩な効果を作り出すことができ、それも全てがt.c.electronicらしい高品質なサウンドといえば、その人気もうなずけますね。
コーラスとヴィブラートの組み合わせという、まさにCE-1を踏襲したかのようなコーラスペダルです。キャラクタースイッチを3つ搭載し、VOICE(ディレイタイム)、DEAPTH、VELOCITY、MIX VCというコントロールで、幅広いサウンドを作り出せますね。ステレオ出力時には片方にバイパス音、片方にエフェクト音を出力する、という仕様もCE-1に近いものがあります。高級感溢れるルックスと、ほとんど目にしないマイナーさはひきつけられるものがありますね。
さて、今回はハイエンドなコーラスペダルを見てきましたが、いかがだったでしょうか?
コーラスといっても、激安なものからハイエンドなものまで、非常に多彩で、奥深い世界があることが分かっていただければ、と思います。Rolandが開発し、BOSSが売り出したコーラスエフェクターは、現代の音楽シーンでは本当になくてはならないエフェクトとなっています。上質なコーラスを一度試してみる、というのも貴重な経験となるのではないでしょうか。
基礎偏シリーズは、次はフェイザーあたりを見ていこうかと思います。