Ibanezといえば、やはり極限まで下げられた弦高と、細い弦をロックナットとフロイドローズで固定し、チューニングを下げて使うような、ハイゲイン専用ギターといったイメージがどこかにあります。そして、それは確かにIbanezの誇り高い品質管理と、あくなき演奏性への追求によって生まれたイメージなのですが、Ibanezにはもうひとつの顔があります。
それがこの、ArtCoreシリーズです。ハコモノを、気軽に楽しめる、というコンセプトで作られたものなのですが、ハコモノギターがメインのJAZZの世界でも受け入れられる逸品です。今回は、そのArtCoreシリーズの最高峰、Customに加えられた新製品を紹介します。
Ibanez ARTCORE CUSTOM 2007 Limited Edition AS103SM/AF105SM
この2機種、ボディの構造とカラー、テイルピース以外の仕様はまったく同じですので、まとめて紹介したいと思います。
まず共通部分は、トップとバックにスポルテッド・メイプルを、サイドにフレイムメイプルを使ったゴージャスな仕様と、Ibanezお得意の二つの材を使った5ピースネック、材はメイプルと、非常に強度があり、床などにも使われるブビンガという材が組み合わせられています。PUはカバードハムの「SUPER 58」を2基搭載し、指板はローズウッドで、フレットエッジが球面に加工されている点はIbanezらしいですね。そして、このArtCoreシリーズ全体に共通するのですが、「より暖かみのあるギター」を作る為、ピックガードやノブが木製パーツで作られています。特にこのローズウッドのピックガードはなんだかホっとするような雰囲気がありますね。
そして異なる部分、AS103SMは、「S」の文字が示すとおりセミアコ構造で、ダブルカッタウェイとなっています。逆にAF105SMは「F」と名のつくとおり、フルアコ構造です。ボディカラーはナキュラルとブラウン、という違いがあり好みで選ぶことが出来ますね。個人的にはこのナチュラルのセミアコが好きです。ブリッジ部はどちらもTOMタイプのブリッジを採用していますが、AF105SMではよりクラシカルな固定式、AS103SMではモダンな機構の「QUICK CHANGE ULTRA」というテイルピースを採用しています。
方向性としては、AF105SMはジャズ寄り、AS103SMはロック寄りの作りと考えてよさそうですね。価格も8万円台と、「しっかり使える」ハコモノギターとしては破格といってもいい値段です。(グレッチをメインにしている私が言うのもなんですが、やたら値段が高くて使いにくいグレッチギターよりはるかに賢い選択だと思いますw)
それにしても、2007年、Ibanezは積極的に新製品をリリースしてきますね。今後もIbanezらしい製品が出てくると思いますので要注目ですね。