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ギター用エフェクター フランジャー基礎編 〜仕組みと激安モデル〜

さて、久しぶりの基礎編シリーズ、今回はフランジャーです。シュワーという強烈な効果でおなじみですね。
では、いってみましょう!

  • フランジャーの仕組み

コーラスから始まったモジュレーション系の基礎編も、あとこのフランジャーを残すのみとなりました。(もう忘れているものはないですよねw)
その「Modulation」という言葉なのですが、そこには「抑揚」という意味があります。音を揺らせて、抑揚をつけるということなのかもしれませんが、そんな中、曲に「抑揚」をつけるという意味ではもっとも強烈で、ピンポイントに使うと効果的なのが、この「フランジャー」なわけです(大塚愛の「フレンジャー」は関係ないですw)
さて、前置きはここまでとして、さっそく本題に入っていきましょう。
フランジャーの仕組みですが、実はコーラスとほぼ同じです。その実態はというと、どちらも「ディレイ」なんです。一般的な残響効果を得るディレイとの違いは、「ディレイタイム」で、フランジャーは特に短く、コーラスはフランジャーより少し長いものの、「ディレイ」としては聴こえない長さに設定されています。(正確に言うと、音の周波数の周期以下の長さです。周波数の周期は、440Hzならば1/440秒、ということになりますね)
では、そういう非常に短い時間でディレイをかけるとどのような効果になるのか考えてみましょう。
フェイザーの仕組みのときに、「位相」というのが出てきたのを覚えていますでしょうか?ちょっとそれをグラフにあらわしてみます。

これは、あるサインカーブの波形です。青線と赤線は、グラフの周期や振幅はまったく同じですが、動きが少しずれていますね。この「ずれ」が位相の違いです。もしここで、ずれが周期の半分だとすると、上下が完全に入れ替わる形となります。(数式で表すと、y=sinXと、y=sin(X+a)の「+a」の部分が位相のずれですね)
さて、フェイザーではこの位相のずれを、オールパスフィルタによって波形をいじることで作り出していました。では、仮にこのグラフの横軸を、「時間軸」とするとどうでしょう?赤線のグラフは、青線のグラフより少し遅れて出た音、としてみることができると思います。もちろん音として考えると、赤線も青線もまったく同じ音ですので、単純に時間だけが遅れた音、すなわち「ディレイ」です。このように、ディレイによって時間的に位相の違った波形を作り出し、混ぜ合わせるのがこの「フランジャー」であり、「コーラス」でもあるわけです。
音というのは、さまざまな周波数が混ざった波の集合体です。それらの波にある一定のディレイをかけたものを混ぜ合わせると、ある周波数では増幅、、またある周波数では減衰がおこります。例えば、先ほどのグラフにおいて、位相のずれが半周期だと上下が入れ替わると書きましたが、その上下が入れ替わったグラフを合わせると、波は完全に打ち消され、ゼロとなりますね。逆に、ちょうど1周期のずれだと、波形はまったく同じになり、合わせると単純に振幅を2倍にするのと同じになります。そのように、一定のずれを、さまざまな周波数(周期)の波形にかけ、その振幅の動きを表すと、以下のようになります。

このように、ある周波数においては振幅がゼロになり、ある周波数では2倍になる、というのを繰り返す形となります。この形を「コムフィルタ」といいます。櫛のようなもので元の波形を剥ぎ取ったように見えるからでしょうね。ディレイタイムによって、最初にゼロとなる場所が変わります。(短ければより右に、つまり高域にずれこみ、長ければ左、つまり低域からかかるわけですね)

さて、さらにその状態でディレイタイムをLFOなどを使って動かしてやると、フェイザーの時と同様、コムフィルタが動くわけですから、シュワシュワした音になります。波形的には左の図のようになります。このディレイタイムの変動周期が、いわゆる「Rate」「Speed」という設定項目になります。(画像はCubase LEのエフェクト設定画面)


このように、その方法は違えど結果としてやっていることはフェイザーもフランジャー(コーラス)も同じでしたね。しかし、音は似ているとはいえまったく違います。それは、コムフィルタの形が、フェイザーがオールパスフィルタの段数程度しか、その「減衰区間」がなかったのに対し、こちらはもっと激しく、減衰と増幅が繰り返されるという違いによるものです。ですから、フェイザーでもオールパスフィルタの段数をもっともっと増やしてやれば、フランジャーのような強烈な効果を得ることも理論的には可能ですね。
ちなみにコーラスとフランジャーの違いですが、基本的にはディレイタイムとディレイのフィードバック量の違いのみです。コーラスの方がディレイタイムが長い分、全体的に低域から効果がかかり、また、フィードバックを少なくすることで、よりソフトな効果を得ることができます。
ちょっと話がそれますが、コーラスはアナログがいいという話を聞きますね。これは、アナログディレイの特性によるものです。詳しいことはアナログディレイの基礎編項目で書きますが、アナログディレイは、それを動作させるために、ディレイ音の高域にフィルタをかける必要があります。これがアナログディレイの「暖かみ」とかいわれる部分なのですが、アナログ回路による音質劣化ではなく、単純に正常な動作のためにフィルタをかけていたんですね。その「暖かみ」ですが、これはディレイタイムが長くなれば長くなるほどフィルタリングを行う周波数帯が大きくなるので、こもっていきます。
そのため、フランジャーに比べてコーラスはより暖かみのある音となるわけですが、デジタルコーラスだとそのフィルタ部分をシミュレートしていない場合があり、そういうコーラスは「フランジャー」に近いサウンドとなってしまいます。そのあたりも、「コーラスはアナログ」といわれる所以だったりするのかな、と個人的には思っています。逆にフランジャーはディレイタイムが特に短い上に、効果が強烈なのでアナログとデジタルでほとんど違いがないようにも思います。
そうそう、「Flanger」という名称ですが、これはまだアナログディレイすら登場する前に、この効果を得るために同じ音を録音したオープンリールテープを同時に回し、片方のテープの「ふち」を指で触れることによって微妙にテープの回転数を変えることで、この短いディレイタイムを得ていました。そういうことから、この「ふちを触る」という意味のある「Flange」という言葉が使われたんですね。なんだか情緒のある話ですね。(自分がやりたいとは思いませんがw)

以上が、フランジャーの仕組みの説明でした。
それでは、冒頭にも写真を並べた3種の激安フランジャーを紹介しましょう。

こちらはその安さに定評のある、ダンエレクトロの「FAB」シリーズですね。REGEN(フィードバック)、Depth、Speedと、基本的なコントロールはしっかりおさえられています。

ベリンガーのフランジャーは、かなり高機能なものとなっています。まず、よりディレイタイムの大きいモードへと切り替えられる2モード切替スイッチを装備し、さらに波形を変える「Manual」コントロールが搭載されています。そしてSpeed、Depth、Resonanceと、しっかりと基本的なコントロールも抑えられていますね。

さて、こちらもその安さに定評のあるARIONのフランジャーですが、これはなんとステレオ出力です。
コントロールは、ステレオならではの、片方チャンネルを原音とするかエフェクト音とするかの切り替えスイッチ、そしてManual、Depth、Feedback、Rateと、必要十分な機能を備えていますね。ステレオによる広がり感の強い効果も面白そうです。
 
さて、いくつか見てみましたが、フランジャーのような大胆な効果は、こういった「安い」エフェクターの方が面白いかもしれませんね。「とりあえず一つ」持っておきたいというのであれば、これらのものでも十分な効果が期待できるように思います。
次回はもっと高品位なフランジャーを見ていきますね。



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