なんだかいまさら、という感じもありますが、ARIONのアナログコーラスがとてもきになっています。
価格も安く、非常に評判のいいアリオンコーラスですが、安さゆえの欠点があるのもまた事実。そのあたりを解消したモディファイものもありますね。そのあたりも含めて、見ていきたいと思います。
ではいきましょう。
ARION SCH-Z |
私はコーラスの音は好きですが、よく考えると王道のアナログコーラスって持っていないんですよね。G-Sharpはもちろんデジタルですし、Rocktron DEEP BLUEのMODはアナログですが、「王道」とは違った、独特のコーラスです。基本的にどちらもさらっとしたコーラスが特徴で、「暖かみのある
」といわれるタイプではありません。DEEP BLUEはアナログでこの音を作ってしまったという点では本当にすばらしいのですが、時々あのジャズコーラスに搭載されているような、王道コーラスが欲しくなります。
さて、王道の「暖かみのある」アナログコーラスといえば、やはりアナログマンのものがとてもきになりますし、実際VOL.7でご紹介しました。しかし予算的に厳しい!ということで、それを除くと、3種類、王道コーラスが浮かび上がってきます。
まずは伝統、世界初のコーラスペダルの流れを汲む、BOSS CE-5、コーラスといわずに「クローン」と呼んだelectro-harmonix Small Clone、そして今回のARION SCH-Zです。さわやか系のBOSS、よりエグいかかりのエレハモ、そしてまた違ったエグさのあるアリオンと、それぞれ特徴的なサウンドを持っていることは確かなのですが、この中でコストパフォーマンスとして優れているのはやはりARIONで間違いないでしょう。
では、価格を考えると当然、でも「あと一歩」なアリオンコーラスの欠点を挙げてみます。
- 音量
- ノイズ
- バイパス音
- 筐体
この4点は仕方がないながらも、有名な問題点です。上から見てみますと、アリオンコーラスはエフェクトONで音量が上がることはよく知られています。レコーディングなどでは特に問題はないですが、ライブでの使用では問題が出てくる部分だと思います。いちいちそれを使うごとに音量設定するのも面倒といえば面倒ですし・・・。
そしてノイズ、これもこの価格で使っているパーツを考えれば出ない方がおかしい、といえるでしょう。特にBBD素子は、他のものと比べると大きくコストカットされている部分だと思います。さらに音量が上がるとなればなおさらです。ですが、なんとかしたい部分ではあります。
バイパス音も同様で、電子式のスイッチ自体も安いものだと思いますし、その際に通るバッファアンプも、どうしても「質」をみると安物になってきてしまいます。
筐体は見ての通りプラスチックで安っぽいといわざるを得ません。見た目だけならばともかく、TS808でさえ踏み潰してしまう方がおられる中、このオールプラスチックボディはちょっときになる部分です。まぁこれは、壊れたらまた買えばいい、と言えてしまう価格ですので、後回しでいいと思いますが・・・。
さて、これをどう乗り切るか、といえば、やはりモディファイということになるでしょうか。まず音量ですが、これはいわゆる「LEVELコントロール」を付けてしまえばOKだと思います。ノイズに関してはパーツを入れ替え、トゥルー・バイパスにし、筐体までも入れ替えてしまう、ということもできると思います。
このうち、筐体を入れ替えずに機械式9PIN、3PDTスイッチを取り付けたモディファイがあります。それが、PCI E.W.SのARION STEREO CHORUS SCH-Zです。
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他のモディファイとしては、レベルコントロールとラッチングリレー式モディファイのみのシンプルなものから、ケース入れ替えの本格仕様まで作っておられるROOT20さん、マイケル・ランドゥ使用のSCH-1により近づけるMODをされているTONEBLUEさん、おなじく、過去にSCH-1とSCH-Zの違いを分析されオペアンプの違いなどにも着目されたSoul Power Instrumentsさんなど、他にも依頼をすればいろいろとやっていただけると思います。(Soul Powe Instrumentsのさいとうさんのブログでの検証はこちら)
しかし、問題点こそあれ、これだけモディファイがある、というのはそれだけ愛されている証拠ともいえるのではないでしょうか。価格を超越した、どこか「アリオンコーラスでなければならない」サウンドがあるように思います。そう考えるととてもきになってしまいますね。
ARION SCH-Z STEREO CHORUS、近いうちに買ってしまうかもしれません・・・w