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BOSS RDD-20


前に、Youtubeに動画をUPした機材、「BOSS RDD-20」のレビューをしてみたいと思います。
こいつ相当なクセモノです。(いい意味でw)まともにデジタルディレイとしては当然使えるんですが、かなり変態よりの機材ですね。
では、いってみましょう!

BOSS RDD-20 DIGITAL DELAY


BOSS RDD-20は、80年代に出た「Micro Rack Series」に属する1台で、同じハーフラックシリーズのBOSS RDD-10のコストパフォーマンス版とのことです。おそらく中身はRDD-10とRDD-20で同じだと思います。というのも、BOSSの初代コンパクトデジタルディレイ、DD-2がDD-3に変わったのもこのころだからです。
DD-2とDD-3は実は中身が同じで(現在のものは仕様変更されている可能性もありますが)、DD-2とDD-3の違いは定価だけだったんですね。DD-2は発売から1度、定価が下げられていたんですが、当時の「コンピュータ革命時代」、日に日にチップが安くなっていき、BOSSとしてもさらに定価を下げることができるということだったんですが、何度も定価を変更すると不信感が募るということで、新たに「DD-3」と名前を変更したという経緯があります。いろいろ検索して出てくるRDD-10とRDD-20の見た目、機能に違いは全くありませんが、RDD-10の定価は¥29,800、RDD-20の定価は¥24,800となっているからです。
「Micro Rack Series」はパワーサプライを除いて型番の最後に10が付くんですが、ディレイだけが10と20が存在するということを考えても、おそらく価格変更による型番変更だったのではないかと思われます。
では、機能をみていきましょう。

出音のトーンとレベルを調整するコントロールです。回路としては最終段になります。

モジュレーションとディレイのフィードバックを調整します。

ディレイタイムを調整します。1.5、3.0、6.0、12.5、25、50、100、200、400msと、9段階のディレイタイムを設定し、その後右側のツマミで微調整します。最大400msといえば、デジタルディレイとしては短いですね。
コントロール類を見ていただくと分かるとおり、これはモジュレーションディレイです。RATEとDEPTHを0にしていれば普通のデジタルディレイとして機能し、それらを上げていくとLFOでディレイタイムが動き、コーラスやフランジャーとして機能します。RATEはLFOの移動周期、DEPTHはLFOがディレイタイムを動かす幅です。通常のコーラスやフランジャーでは、Depthは原音とのMIXとなることが多いんですが、この場合、それはLEVELコントロールが担当するので、言ってしまえばより細かな設定が可能になる、ということでしょうか。
後ろ側には、IN/OUT関係が集約されています。1INPUT、MIX OUTと、DELAY OUT(ディレイ音のみを出力、このときMIX OUTからは原音を出力となります)の2OUTPUTとなっていて、それぞれの端子に通常の1/4フォンジャックと、ミニピンジャック(イヤフォンとかのやつです)が併設されています。あと、エフェクトのON/OFFを切り替えるリモートスイッチのためのジャックと、モジュレーションのコントロールに使うんでしょうか?BUSというジャックがあります。ここにエクスプレッションペダルが使えるならおもしろそうですね。(説明書がないので、ご存知の方がおられたら教えてください)

ちょっと中を見たくなったので、おそるおそるふたを開けてみました。

ものすごい量のパーツですね!中央右よりあたりに、巨大なチップがあるのが分かると思いますが、これがディレイの心臓部にあたるチップです。どのくらいの大きさかというと、ちょうどBOSSの基板の横幅くらいです。おそらくDD-2に搭載されていたものと同じでしょうね。もともとSDE-3000という1Uラック型デジタルディレイに搭載するために開発されたチップです。余談ですが、DD-2の開発はものすごい大変だったそうで、このチップがギリギリ基板に入ったので、他のパーツを強引に押し込んで作られたということです。


ジャック側が開くので、そこから覗いてみました。上の写真に見える大きなICが例のチップです。ものすごくたくさんのパーツがあるのが確認できますね。
当時は最先端だったと思われるこのディレイが、今では完動品なのに「ジャンク」とされて3000円で売られるんですから、技術の進歩というのはおそろしいものですね。

では、レビューしてみたいと思います。

  • 操作性

ラックですが、このMicro Rack Seriesはラックらしからぬ、コンパクトペダルのような操作性をもっているため、大変扱いやすいです。プリセットはありませんが、各ツマミごとに1つの機能しか与えられていないため、コンパクトペダルの発展型と考えた方がいいかもしれません。分かりやすいです。

  • サウンドレポート

まずは音を聞いてみてください。

サンプルサウンド

まずクリーン→普通のデジタルディレイ→モジュレーション(ディレイタイムをだんだん小さくしていっています)→発振という形になっています。
発振は以前動画でお見せしたとおりなんですが、ヤバイと思ったのはこのモジュレーションです。なんですかこのピッチシフトのような効果は?いうなればオートワウならぬ、オートピッチシフターみたいな感じでしょうかw
なぜこんなことが起こるかというと、要するにディレイタイムが長すぎるんです。一般的にコーラスで20ms程度、フランジャーならもっと短く、2ms程度なんですが、これは最大400msなわけでして、こんなディレイタイムにLFOをかけたら、揺れの効果が低域まで下がってきて、原音に影響を及ぼしてしまうわけですね。ですのでその後ディレイタイムを下げていくと、コーラス〜フランジャーのような効果になっていくのが分かると思います。
サンプルではFEEDBACKを上げすぎていて、コーラスとしては不適当な、フランジャー向けなセッティングになっているんですが、これでFEEDBACKも下げればさわやか系〜エグい系のコーラスとしても使うことができます。

発振についても、ディレイタイムの変化でヘリコプターのような音からエンジン音や音程を持った音までいろいろありますが、ここにモジュレーションをかけるとさらにワケの分からない音になりますね。ちなみにTONEコントロールもたいがいで、最大まで上げて発振しないようにFEEDBACKを下げてやると、元の音がほとんどなくなってキュインキュインという超高域音が出るようになります。

変態系サウンドの視点から音について書いてみましたが、普通のディレイとしてみてみます。この機材は、デジタルディレイとしては初期にあたるものです。なのでまだディレイ音が原音を再現しきれていません。言うなれば思いっきりビットレートを落としたmp3みたいな音でディレイ音が出るわけです。しかしそれがある意味「味」となっているのがまたおもしろいですね。現在のクリアなデジタルディレイは、メモリー容量の増加と処理能力の向上によって可能になったわけなんですが、そのクリアなデジタルディレイは時として味気ない、冷たい印象を与えることもあると思います。
わざわざ専用のチップ(この機材の場合、あの大きなICがそれです)を使った、Providence Delay 80のような「古いデジタルディレイ」を再現するようなペダルが発売されていることを考えると、こういった、粗いディレイ音も時として効果的になるんだと思います。どちらがいいというのではなく、適材適所に使っていくことが大事ですね。
 
というわけで、BOSS RDD-20のレビューでした。アナログとデジタルで分けられることが多いディレイですが、単純にデジタルディレイといってもいろいろ奥が深いものなんだと改めて思います。
普段はt.c. electronic G-SHARPに搭載される現代的なデジタルディレイを主に使っていますが、たまにこういうのもいいですね。逆に、こういった古い機材を使うと、タップテンポやクリアで扱いやすいディレイ音など、現在の機材のよさも見えてくる気がします。RDD-20やRDD-10、どちらも格安で売られていることが多いと思います。見つけたら試してみてください。



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