アメリカから、またマニアックなアナログディレイが登場しました!MALEKKO Heavy Industryというメーカーで、主にヴィンテージサウンドを元に、現代的な仕様へと拡張されたペダルを製作しているブランドです。
今回ご紹介するのは、Echoシリーズというものです。ラインナップは、「Echo300」と「Echo600」、それぞれDarkとBrightの2機種、系4機種がラインナップされています。
このペダルなんですが、なかなかよく考えられた作りのアナログディレイだと思います。
まず、おおざっぱに特徴を説明しますと、「300」が最大300msまで、「600」が600msまでのディレイタイムをもっており、それぞれ「Dark」はBOSS DM-2、そして「Bright」がMAXON AD-900という、どちらも日本製の名機のサウンドを元につくられているようです。
日本製のディレイを元としたことを思わせるためか、この筐体に「エコー600」や「エコー300」、とカタカナがかいてあるのがとても渋いです。デザインもなんとなく昭和を思わせる感じなのがおもしろいと思います。個人的にも、椎名林檎さんとかのイメージにでてくるような雰囲気がとても好みですねw
コントロールは、ディレイタイム、Echo、Excessとなり、それぞれドライとウェットのミックスと、フィードバックってことになります。また、内部トリマがあり、それでゲインを調整できるようになっているそうです。(基本的には触らない方が無難だそうですがw)
そして、これがとてもおもしろいんですが、左側にでたトグルスイッチによって、バイパス時にバッファを通すか、通さずにトゥルーバイパスとするかを切り替えることが可能です。
DM-2もAD-900もトゥルーバイパスではありませんが、それらを現代的に、トゥルーバイパスとして使うことも可能というわけですね。これは使い方によって選ぶといいと思います。ちなみに、AD900の後継機種となるAD999はトゥルーバイパスとなっています。
エコー300の方はこういったシンプルながらこだわった仕様となっているんですが、600の方はさらにこだわりがみられ、DryとWet音を別々に出力することができるデュアルアウトプット仕様(もちろんモノラルでも出力できます)となり、さらにフィードバックをEXPペダルを使ってコントロールすることまで可能となっています。これにより、EXPペダルを踏み込めば発振し、もどせば発振が止まる、といった効果も作ることができそうです。
サウンドは、こちらやこちらのあたりが参考になりそうです。よりアナログ感が強く、多少こもった感じのDarkと、アナログディレイとしてはクリアなサウンドのBrightの違いは分かりやすいのではないかと思います。
そうそう、300の方は9V電池でも駆動するそうですが、600は9VセンターマイナスのDC INPUTからの駆動のみとなるようです。これは消費電流などを考えると仕方ないんでしょうね・・・。
これはちょっとおもしろそうですね・・・私の持っているRE-JさんのAR20DL Pro+と、例えばエコー600 Darkの比較とかもできるといいかもしれません。どちらもDM-2を元に製作されたものですし、きになります。
そういえば一時期、「アナログディレイはもう作ることが出来ない」というほどBBDが品薄になり、BOSSもアナログコーラスをやめ、MAXONもこのモデルの元となっているAD900の価格を約1万円UPした上に自社製BBDの製作にのりだすなど、(そのためAD900は前期型と後期型があるそうです)かなり混乱をきわめたことがありましたが、最近は自社でBBDを生産するMAXONはともかく、RE-Jさんはもちろん、Diamond Guitar PedalsやこのMALEKKOなど、アナログディレイは確かに数は減って価格も上がっていますが、それでも作られ続けているというのは印象深いです。それに対して、アメリカのハンドメイドペダルの中には、デジタルディレイでアナログの音を再現するペダルも多数登場し、サウンドの再現はもちろん、発振までしてしまうものも出てきていますね。また、中にはデジタルチップで回路はアナログというハイブリッドなディレイも増えてきています。(ハイブリッドディレイ自体はいいと思うんですが、それを堂々と「アナログディレイ」と売り文句にする風潮があるのがイマイチ理解できませんがw)
まだまだ、ギター用コンパクトディレイは過渡期なのかもしれません。そんな中登場したこれらのアナログディレイ、是非一度試してみたいと思います。
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