メジャーアーティスト「ART-SCHOOL」のギタリスト、戸高賢史さんが展開するハンドメイドエフェクターブランド、Phantom FXから新製品が登場です。
9/24に発売されるこちらのペダル、「hurt:adam」ですが、発売に先立ちましてプロトタイプをお借りすることができました。プロトタイプですので、基本的なキャラクターは同じですが、製品版とは微妙にパーツが違っています。そこで今回はレビューではなく、試奏レポートとして書かせていただきたいと思います。
では、いってみましょう!
Phantom FX hurt:adam
こちらが、そのhurt:adamです。crux(核心)とvoid(空虚)というコントロールを搭載していて、cruxがvolume、voidがgainコントロールという形になります。回路は非常にシンプルな、オリジナルのディスクリート回路で、以前ご紹介しましたSabbath同様、余計な物を削っていったようなタイプのペダルということになります。デザインも凝っていますね。
では、レポートしてみましょう。今回は試奏といっても自宅で弾く形ですので、セッティングはいろいろと組み合わせを変えたりしてみました。
- 操作性
基本的に、音作りで難しい部分はありませんでした。あえて言えば、コントロール名がアーティストらしくオリジナリティに溢れている反面、パッと見では分からないかもしれませんね。ですがこれは使えばすぐに分かりますし、左がVolume、右がGainという一般的な並びになっていることもあり、特に問題にはならないと思います。それよりもむしろ、ペダル全体の持つ空気感やデザイン性のためにも、こういったコントロール名なども重要なポイントということになるのかもしれません。
- サウンドレポート
では、サウンドです。このペダルは、最初はプリアンプとして使えるように設計されたようでして、実際に音の反応などもエフェクターというよりもアンプに非常に近いものとなっています。
まず、Volumeコントロールである「crux」ですが、Gainを担当する「void」がゼロになっていても、cruxをフルまで上げるとほとんどクリーンに近い程度の、非常に軽いクランチ的な音が出ます。また、voidコントロールはフルにするとクランチ+α程度の歪みを得ることが出来ます。
音は、FenderのChampを連想させるようなサウンドで、小さな真空管アンプを使っているような雰囲気がありますね。もちろん、ピッキングやヴォリュームに対する反応性も非常に高く、もともとプリアンプとしての使用も考えて設計されただけのことはあると思います。周波数レンジが幅広く、反応性がいいため、例えばトランジスタアンプをフェンダーアンプっぽい音に変えるようなことができますね。
フットスイッチを踏むと、緊張感が張り詰めて空気が変わるというか・・・そういう印象を受けるペダルだと思います。
以下に、プロギタリストの方々によるこのペダルのサンプルサウンドへのリンクを貼らせていただきます。
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- サンプルサウンド
(所属事務所等の関係で、名前とバンド名を出すことができないそうです。最近人気の高い、メジャーのバンドさんです。) - 波多野裕文(People In The Box)さん
- 波多野裕文(People In The Box)さん その2
- 岩谷 啓士郎(BROKEN BOY)さん
- 伊藤 寛之(BROKEN BOY)さん
(伊藤さんは、SUPERFLYのサポートギタリストもされていたそうです。)
- サンプルサウンド
というわけで、Phantom FX hurt:adamのレポートでした。ビルダーの戸高さん自身、プロギタリストということもあり、他のプロの方のサンプルをこうして録ることができるってのはさすがですね。トランジスタアンプ等ではFender Champサウンドを、真空管アンプではそのアンプにhurtならではの味付けを付けるようなペダルということで、レコーディングからライブまで、いろいろな場所でさりげなく使うことができるようなペダルではないでしょうか。
製品版、出るのが楽しみです。出たら、買おうかなぁ・・・w