Radial ( ラディアル ) Bones Texas □ コンパクトエフェクター テキサスサウンド デュアル オ... |
ということで、このRadial Bones Texas、エフェクターブックの新製品のレビューでも書かせていただいたんですが、文字数的な制約などもあったりするので、こちらで改めてもうすこし詳しくいてみますね。では、いってみましょう。
Radial Bones Texas
こちらがその、Texasです。Radialから新しく発売された、Bonesシリーズのペダルですね。Radialにはすでに人気の高い真空管を使ったシリーズ「Tone Bone」がありまして、それらのサウンドを真空管なしで再現したFullerton(アメリカではHolywoodの名前で売られているそうですね)とLondonはすでに日本でも話題になっているんですが、今回のTexasはそれほどでもない、というか、ほとんど話を聞かないんですよね。
このTexasは、ペダルには「Distortion」と書かれているんですが、中身とサウンドはオーバードライブです。まぁDistortionは「歪み」という意味ですので、ここは日本との言葉のイメージの違いといったところでしょうか。で、このTexasですが、FullertonがFender系、Londonがマーシャル系で、それぞれアンプメーカーゆかりの土地をイメージした名前となっていたので、Texasも・・・と言いたいところなんですが、これは有名プレイヤーゆかりの土地の名前となっています。というのも、このTexasは往年の日本製オーバードライブの名機、Tube Screamerをベースに開発された、いわゆるTS系オーバードライブです。Tube Screamerを使うアーティストはたくさんいますが、TSとTexas、とくればやはりSRV、ことスティーヴィー・レイ・ヴォーンですね。でもせっかくだから日本の地名を付けてくれても良かったのになぁ、とも思いますが・・・Ibanezの母体である星野楽器さんなら・・・「Radial Bones Nagoya」とか?・・・それだとちょっと音のイメージがしずらいかもしれませんねw
それはともかく、まずは機能を見てみましょう。このペダルはけっこう多機能な2ch仕様のオーバードライブとなっています。コントロールはLEVEL1とLEVEL2、TONE1とTONE2、そしてDRIVEとなっています。また、BITEスイッチが両Chに搭載されていて、それぞれOFF、MILD、MAXの3モードで設定が可能です。フットスイッチは2つ搭載されており、右側がペダル全体のON/OFF、左側がCh切替となっています。こういう2ch仕様のオーバードライブって、Toneが共通というのはよく見かけますが、このペダルのようにDriveコントロールが共通というのは珍しいですね。
今回、ペダルはシンコー・ミュージックさんよりEFFECTOR BOOK Vol.3の記事を書くためにお借りして、主に自宅での試奏という形となっているため、セッティングはいろいろ試したので書きませんが・・・ギターはテレキャスがメインで試しました。
では、レポートいってみましょう。
- 操作性
多機能モデルなのでコントロールがたくさんありますが、特に問題はないと思います。オーバードライブペダルを使ったことがある方ならば見ればすぐ分かると思いますし、初めてのエフェクターという方でも、説明書を読めばすぐ理解できると思います。BITEスイッチは、音を出しながら切り替えてみれば特徴がつかめると思います。
- サウンドレポート
では音を。2ch仕様のオーバードライブですが、両チャンネル共に音は全く同じで、ノブ等の設定を変えることで違った音を作っていくタイプとあなっています。ペダルの音は基本的にTS系のサウンドなんですが、Tube Screamerの音というよりも、いわゆるハンドメイドTS系オーバードライブの音に近い感じですね。(といってもいろいろありますがw)本家TSよりもレンジが広く、ゲインも高く設定ができるようになっています。そしてこれはRadialペダルのお家柄だと思いますが、TONEコントロールが非常に幅広く設定可能で、しかもよく利きます。Levelコントロールはもちろん音量も変わるんですが、ゲインもかなり調整できますので、Driveコントロールが共通でも特に不便さは感じませんね。Biteスイッチは、回路とかを見たわけではないので定かではありませんが、クリッピング切替的な働きとはちょっと違うような気もします。主に高域や倍音の出方を替える感じですね。2つ目のTONEコントロール的な使い方が可能です。例えばDriveコントロールを12時に固定して、Ch.1はBiteをOFFにしてLevel下げ目、Ch.2はBiteをMAXにしてLevel上げ目といった形でメリハリを付けることも出来ますし、Drive最大、Biteを両ch共にMAXで、LEVELコントロールをそれぞれのチャンネルで違う設定にすることでバッキングとソロで使い分けたりも可能です。さらに幅広く設定できるToneコントロールを使い分ければ、状況に応じた音作りができます。
歪みの質は明るく元気なタイプで、中低域も太くて粘り気のある、アメリカンロックサウンドといった雰囲気があります。スムーズできめ細かい本家TSからすると少し粗いですが、それが逆に気持ちが良いです。特にロック系によく合う音色ではないでしょうか。ブースターとしてはもちろん、ペダルで歪ませる使い方にも十分対応できると思います。Fullerton、London、Texas全て弾きましたが、個人的にはこのTexasが一番好みでした。FullertonとLondonはそれぞれの強い個性があり、それもまた良いのですが、実はペダルとして最も汎用性が高く使えるのはTexasではないかと思います。これは是非一度、試して欲しいペダルだと思います。
というわけで、Radial Bones Texasのレポートでした。基本的に歪みの質も高いですし、その上音作りが幅広くできるので、シングルでもハムでも使えると思います。ゲインコントロールもやっぱり幅広く設定が出来るタイプで、ブースターからハードロック的な歪みまでは十分対応していると思います。価格も手ごろですし良くできた使いやすいペダルだと思います。