以前、Vopal Driveをご紹介しました、Vopalcraftsより、先月登場した新製品のオーバードライブ、「GARCIA」。実は発売前に、ビルダーのモトさんに1台作っていただいていたものがありますので、そちらのレビューをしようと思います。
では、いきましょう!
Vopalcrafts GARCIA
こちらが、GARCIAです。3種類のコントロールを持つオーバードライブペダルですね。搭載されているのは、GAINとVOLUME、そして独特の「SQUEEZE」コントロールとなっています。GAINとVOLUMEは、一般的なコントロールですが、このSQUEEZEコントロールというのは、中域のみを可変するようなおもしろいもので、トーンコントロールの一種?のような感じです。ただのイコライジングとはまた違って、歪み方や音量も変わるので、3つのノブをそれぞれ組み合わせながら音を作っていくタイプのペダルですね。
このペダル、新しい試みとして、3種類のデザインが用意されています。それぞれご紹介しますと、
そして、黄色/黒バージョン。ポスターか新聞記事を思わせる写真をベースにデザインされています。
これらの中から好きな物を選んで注文できるというのも、このペダルの一つの特徴です。中身はまったく同じなので、出音は変わらないとのことです。ペダルデザインって弾き手の心理にも影響があると思います。こういう試みはおもしろいですし、とても価値があるのではないかと思います。
ペダル内部は、私のはちょっとプロト的な部分もあるらしいので、公開は控えさせていただきます。ちょっと触れておきますと、だいたいこのMXRサイズケースの1/4以下の大きさの基板が入っています。パーツ点数も少ない、非常にシンプルな回路です。
では、レビューいってみましょう。
- 操作性
このペダルのキモはSQUEEZEコントロールです、といっても過言ではないと思います。ですので、ここの動きで音がどう変わるかを理解することが、このペダルを使いこなすための第一歩です。そのため、最初はとまどうかもしれませんが、使っていけばこのペダルの音作りも分かると思いますし、大仰に書きましたがそんなに難しいことではありませんので、操作性は問題ないと思います。ただ、後でも書きますが、レンジが広くてゲインの反応がおそろしくいいので、良く言えば自由自在、悪く言えば少し敷居が高い部分もあるのかもしれません。
- サウンドレポート
では、いつものように音をUPしてみましたので聴いてみてください。
サンプル1
SGを使って、全てのコントロールを12時の位置にして弾いています。ギター側はリアPUで、VOL、TONE共にフルアップ状態です。ハムバッカーPUフルテンにもかかわらず、ピッキングだけでこれだけゲインをコントロールできてしまいます。
サンプル2
続いて、SQUEEZEコントロールの設定による動きを。前半はGAINを12時の位置にして、SQUEEZEをフルに、そのまま他を変えずにSQUEEZEを0にしています。ヴォリュームが下がるところでSQUEEZEを動かしています。続いて、GAINとSQUEEZEをフルに(音量が上がるところ)して、そのままSQUEEZEを0に戻しています。音量も変わりますが、ミッドの厚みが変わり、それにともなって歪み方まで変わっているのが分かるかと思います。
ちなみに、新しい環境での録音で失敗が何度かあって、修正しながら録ってたら間にチューニングするのを忘れてて・・・これ3〜4弦かなぁ?あたりがかなりずれちゃってますが、きにしないでください。すみません。
音はこんな感じです。レンジが広いため、ギターとアンプによって音がかなり変わります。逆に言えば、ギターとアンプの持つクセをそのまま表現するタイプですので、それをふまえて音作りをしていくと良い感じになるのではないかと思います。そしてこの反応性ですよね。よく反応が良いっていうペダルがありますが、ここまで「リニアな反応性」を見せるペダルは本当に一握りしかないと思います。ゲインの幅も広いので、ブースターとして使うのもありですし、単体の歪みとしても十分いけるのではないでしょうか。SQUEEZEコントロールも非常におもしろいです。
というわけで、Vopalcrafts GARCIAのレビューでした。非常に独特の雰囲気を持ったペダルで、手作り感というか・・・ハンドビルドならではの(いい意味での)不安定さがあるペダルですね。使いやすいんですが、使いこなすのは相当時間がかかりそうなタイプです。しかし、一度使いこなしてしまえば、今度は必需品となるような・・・そんなポテンシャルも垣間見えますね。