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Durham Electronics Sex Drive


最近、非常に盛り上がりを見せているブースター市場、新製品もどんどん出ていますが、そんな中、今注目を集めているブースターの一つに、「Sex Drive」というペダルがあります。正直、ブースターとしては高価なペダルだと思いますが、前に19 Sixty 3のレポートを書いた後、多くの方の薦められて、買ってしまったペダルです。さっそくレビューしてみます!

Durham Sex Drive


こちらが、Sex Driveです。私のはこのMXRサイズのタイプ(スモールケース)ですが、ラージケースタイプもあるようですね。見ての通り、あまりクリーンブースターっぽくない見た目をしています。コントロールは、Level、Gain、Tone、そして3モードのCompスイッチと、オーバードライブを思わせるものが搭載されています。Compスイッチは、コンプレッションの切替スイッチで、Soft、Hard、Offの3モードです。
デザインも渋いです。周りが黒で、シルバーの部分はサテン仕上げになっています。写真で見るとけっこう地味に見えますが、実物はなかなかいい雰囲気を持っています。

内部はこんな感じです。木工用ボンドのような物を使ったモールドが斬新ですね。写真だとうまく撮れなかったんですが、モールドの部分を見てみると、基板にLEDがついているんですよね。おそらくコンプレッションを操作する際にLEDでのクリッピングもおこなっているんだと思います。珍しいことに、赤LEDではないもの(色は不明)を使っていました。そして、3PDTフットスイッチなんですが・・・

使われている端子は5つ・・・つまりスイッチは3PDTですが機能としてはDPDTスイッチとして使われています。最近は様々な解釈のバイパスが出てきているので、このペダルがどういう形のバイパス方式を採用しているのかは不明ですが、少なくとも、いわゆる一般的な「トゥルーバイパス」とは別な形になっていることは分かります。ここにあえて3PDTスイッチを使ったのは、トゥルーバイパスにも出来るけどこの形の方が良かった、ということを言いたいのかもしれませんね。
・・・とまぁ、クリーンブースターなのにクリッピングがあったり3PDTフットスイッチなのに5PINしか使ってなかったりと、いろいろ謎の多い回路を持っているこのペダルですが、実際どんなペダルなのか、さっそくレビューしてみます。

  • 操作性

使うのは簡単ですが、使いこなすのは難しいタイプかもしれません。これだけ多彩なコントロールがあるんですが、特にGainとCompスイッチの効きがとても絶妙なんですよ。このペダルはクリーンブースターなので、Gainコントロールを上げてもオーバードライブみたいに歪むことはありませんし、Compスイッチでクリッピングを変えても、単体使用だと特に、そこまで大きな変化はありません。・・・が、このペダルの各コントロールは、とても良くできているんです。これはいろいろと使っていけば、どんどん理解が深まっていくという、おもしろいペダルです。

  • サウンドレポート

まずは音を聴いていただこうと思います。今回はブースターということで単体での使用と、オーバードライブを組み合わせた使い方とを録ってみました。オーバードライブには、Timmyを使っています。ギターはストラトのリアPU、アンプはGVA Customで、EQは12時、Volは10時あたりです。Timmyは、ゲインを11時くらいで、EQが12時あたりの、クランチなオーバードライブサウンドにしています。

サンプル1
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まずは単体での使用です。各コントロールは12時で、CompはSoftモードです。私は、このペダルはこの形を基本にして音を作っていきます。最初はOFFで、次がONです。クリーンブースターなので音量が上がるのはもちろんですが、それ以上にくっきりとした音色になっているのが分かっていただけるかと思います。

サンプル2
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こちらも単体使用。サンプル1と同じセッティングですが、トーンコントロールを12時→フルアップ→ゼロとしています。

サンプル3
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続いて、Timmyを使ってのサンプルです。これは、Timmyの前段に、サンプル1と同じセッティングにしたSex Driveを接続して、主にゲインブーストとして使っています。最初はTimmyのみ、そしてSex Drive+Timmyとなっています。音量も少し上がりますが、主にゲインが高くなるのが分かると思います。

サンプル4
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そして、こちらはTimmyの後にSex Driveを接続したサンプルです。この形が一番分かりやすいので、いろいろとコントロールを動かしています。まずはTimmyのみの音、続いてサンプル1と同じセッティングでON、そのままCompをOFF、そしてHardにしたあと、SoftにもどしてToneをフルアップ、そのままToneを0、続いてToneを12時にしてGainをフルアップにしています。そのままいったんOFFにしてTimmyのみの音を出した後、最後にもう一度そのままONにしています。
音はこんな感じです。CompスイッチはOFF時が最も音量が上がり、Hard時が最も音量が下がることからも、クリッピングであることがよく分かります。Toneコントロールはけっこう幅広いですが、Gainコントロールはそこまで広くなく、ゲインというよりも「暴れ度」コントロールといったような感じになりますね。ブースターの場合、基本的に歪み系の前に置けばゲインが、後に置けばヴォリュームが上がります。また、出音は一番最後に置いたエフェクターが最も影響力が強くなりますので、Sex Driveのもつ音色を前に出したいときは、一番最後につなぐのがいいと思います。
で、このペダル、最近語られ始めた「ブースターによる味付け効果」もちゃんと持っています。最も特徴があるのはアタックでしょうか。いわゆる「音の張り」というのが強く出るタイプのブースターですね。Toneコントロールで調整ができますが、倍音成分も本当に豊かになるので、面白いです。これはクリーンブースターというよりも、むしろプリアンプ的に、最終段に接続して音のスパイスというか・・・出音を操作するような使い方が一番力を発揮するのではないかと思いました。もちろん、普通にブースターとして使っても優秀なペダルだと思います。
 
というわけで、Sex Driveのレビューでした。最初にも書きましたが、クリーンブースターとしては高価だと思います。しかし、それを補って余りあるくらいのポテンシャルを持ったペダルだと思いますし、実際に各所のレビュー等を見せていただいても、音色に関しての不満は見たことがないです。本当に、すごいブースターだと思います。ちなみに、今度出る、EFFECTOR book Vol.4ではDurhamへのインタビューも掲載されるそうですので、そちらも楽しみです。



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