Suhrから発売されたオーバードライブペダル「Shiba Drive」のレビューをしてみます。Shiba Driveの名称は、Suhrさんが柴犬を飼っていることから付けられたということですね。
ではいってみましょう!
Suhr Shiba Drive
こちらが、Shiba Driveです。筐体はアルミ削りだしによる専用設計で、CNCによるアルミ加工の跡が、光りが当たると縦ストライプになって非常にかっこいいです。ブルーのカラーもきれいです。
コントロールは、Drive、Tone、Levelと3段階のSmoothスイッチが搭載されています。また、FX LINKに対応した外部フットスイッチによる操作も可能で、ペダルの奥側にフットスイッチのインプットと、電源投入時にONになるかOFFになるか、とFX LINKに合わせるか、の3モードのスライドスイッチが搭載されています。ちなみに電源投入時とは、電池またはアダプタから電力が供給されている状態でINPUTにプラグが挿しこまれた時のことです。
内部はこんな感じです。昨今のハンドメイドペダル全盛の中、珍しく表面実装チップと電子スイッチの回路が採用されています。このフットスイッチは非常に独特で、機械式スイッチが「カチ」、多くの電子式スイッチが「スコ」という感触だとすると、このスイッチは「ポコン」という感じで、弾力性があるような感触の踏み心地です。現行のWay Hugeペダルでも同じフットスイッチが採用されていました。
ちなみに…
シリアルは99番でしたw
専用設計の筐体なので、裏蓋はこのようにとてもきれいに収まります。では、レビューの方いきましょう。
操作性
とてもシンプルなコントロールなので、特に迷うことはないと思います。FX Link系は分からないと説明書を見る必要があると思いますが、それを使うような方はすぐに分かると思います。あと、電池が切れかけるとINPUTにプラグを入れたときにLEDが3回光って知らせてくれます。さらに電池残量が減ると、自動的にバイパスモードとなります。おそらくこのペダル、ラッチングリレー式のバイパスを採用していると思いますので、電池が完全に無くなると全く音が出なくなってしまいます。それを防ぐための機能ということで、これはとてもよく考えられていると思います。
サウンドレポート
では、音の方を。いつも通りサンプルを録ってみました。
ストラトとGVA Customを使っています。ストラトはリアPUフルアップの設定、アンプはクリーンとなっています。Shiba DriveのSmoothスイッチは全て中央です。
サンプル1
Drive、Toneともに12時の設定です。
サンプル2
Tone12時のまま、Driveをフルアップにしています。
サンプル3
フルゲインのまま、Toneをフルアップにしています。
サンプル4
フルゲインで、Toneをフルダウンにしています。
こんな感じです。基本的には、非常に優秀かつハイファイでノイズレスなオーバードライブと言えます。歪みはとても正統派で、いわゆる「オーバードライブペダル」の正常進化型とでもいうようなサウンドですね。ペダルでアンプサウンドを作り出したり、圧倒的な反応性やナチュラル、トランスペアレントといわれるような、最近増えてきた「新しいタイプ」のオーバードライブとは違って、昔ながらの「オーバードライブエフェクター」を最新の感覚で作ったような雰囲気だと思います。
ゲインはそれほど高くはないのですが、音が太く、またTONEがとてもよく効くので、高域を強めてゲインを高くするというような方法も使えます。TONEをしぼると、当然音は丸くなりますが、ギターの原音感が強く残っているので、このコントロールはトーンというよりもプレゼンスコントロールに近い解釈ができるのではないかと思います。ピッキングへの反応性はそれほど高くはなく、むしろ常に安定した歪みを作り出すタイプのペダルですね。
最初、アルミ削りだし筐体に実装チップの基板というところから、とてもアンバランスなペダルだと思ったのですが、出音は非常に安定していてバランスがよく、ゲインブーストから単体での歪みまでとても使いやすくて優等生なサウンドのペダルです。非常にかっちりとした印象のサウンドなので、ハンドワイアードペダルによくあるようなアナログ感というか・・・おもしろみがあるタイプとは違いますね。
Smoothスイッチは、左側にいくほど中域が強く出るといった印象なのですが、ほとんど軽くニュアンスが変わる程度で、本当に微調整のためのスイッチです。音色や音量が大きく変わると言うことはなく、音作りの最後にちょっとした雰囲気を変えるような使い方が良いのではないかと思います。
こんな感じでしょうか。正統派で良いオーバードライブエフェクターです。もちろん単体でも使えますが、どちらかといえばいわゆるチューブアンプライクなJC対策系のペダルというよりも、メインのアンプや、メインの歪みと併せてブースター的に使うと、最も効果を発揮するのではないでしょうか。
【エフェクター】Suhr Shiba Drive |