今年のWinter Namm Showに出展されて話題となった、Way Hugeの新作アナログディレイペダル「Aqua-Puss Mk2」が届きましたので、ファーズとインプレッションということで、レポートしてみたいと思います。
併せて試奏動画も見ていただければと思います。(Youtubeバージョン)
それでは、早速いってみましょう!
Way Huge Aqua-Puss MkII
こちらが、そのAqua-Puss MkIIです。国内での正規品は4月の発売となりますが、すでにアメリカでは発売されていたので、いてもたってもいられずオーダーしてしまいましたw
コントロールはDelay、Feedback、Blendの3種類とシンプルにまとめられていて、またディレイタイムも20〜300msと、特別すごいわけではありません。今ならもっとディレイタイムを長くしたり、ノブを増やして音作りの幅を広げたりといったことは簡単にできると思いますが、あえてこの昔ながらの形で発売したというところが素晴らしいと思いますw
内部はこんな感じです。パーツ点数が非常に多いです。スイッチは電子式ですが、ラッチングリレータイプのトゥルーバイパスを採用しています。奥に見える2段目の基板がバイパス部だと思います。(他の現行Way Hugeペダルにも共通して付けられています)
BBDはこんな感じ。あとPhilipsのタイ製のものが使われています。最近アナログディレイが各メーカーから一気に出てきていますが、それはこのCoolaudio等でBBDがまた生産されるようになったからですね。内部にトリマがいくつかありますが、左上に設置されたトリマ以外はボンドで固められています。
内部についてはこんな感じでしょうか。ではレポートしてみます。
さっきも書きましたが・・・動画も一緒に見ていただけると分かりやすいかもしれません。
- 操作性
非常にシンプルな構成のコントロールのディレイですので、特に何も難しいことはありませんね。ディレイタイムも短めなので、ノブの設定がシビアすぎる、ということもありません。逆に、古い構造のアナログディレイなので、細かい音作りには対応していませんし、タップテンポ等はありませんので、人によれば機能が足りないと思う方もおられるかもしれませんね。
- サウンドレポート
では、音を。基本的に、Aqua-Puss Mk2はBOSS DM-2の回路をベースに作られています。ディレイ音の減衰や、やわらかでつながるようなディレイサウンドは確かにDM-2を彷彿とさせるサウンドだと思います。
しかし、DM-2と比較すると、各パーツにハイファイなものが使われていて、またBBDも新しいものを採用していることからか、少しクリアな印象がありますね。特に1回目の反響音はDM-2と比べると格段に原音に近いです。その後の音の減衰の仕方はクラシカルなアナログディレイといった印象ですね。このへんはもう好みの問題でしかないので、どちらが良いとは言えませんね。
しかし、BOSSと比較した場合、方式が違うので当然ですがバイパス音は圧倒的にこちらが綺麗です。現行のものもそうなんですが、特に古いBOSSペダルってつないだだけで音が大きく変わってしまいます。(それが良い、という考えもありますがw)
また、発振もちゃんとしますね。特にディレイタイムを長めに設定したときの発振は美しいです。うちにあるDM-2はなぜかほとんど発振しないので比較はできないんですが・・・Way Hugeの発振はとても音が太く、また立体感があって素晴らしいと思います。
そして、ディレイタイムを最小の約20msにしたときのダブリングディレイサウンドは驚異的ですね。音の可変の仕方がおもしろくて、何かそういう特別なエフェクトをかけた、というような雰囲気すらします。和音でも単音でも使えますね。
Way Huge Aqua Puss MkII・・・まだ届いたばかりでそこまで長く使ってはいないんですが、強い癖もなく、本当の意味で「使いやすい」アナログディレイだと思いました。ヴィンテージペダルのように故障を心配することもあまりないと思いますし、まさに「これがアナログディレイ」というようなサウンドを、しかも極端に音がこもったりすることなく作ることが出来ます。あまりにも完成度が高いため、派手さはありませんが、常に、そして長いこと使っていくことの出来るディレイペダルではないかと思います。さすがWay Huge、そしてジョージ・トリップスですね・・・この感性は素晴らしいです。
というわけで、Way Huge Aqua Puss MkIIのレポートでした。個性的なディレイペダルは使っていておもしろいですが、こうしていつもそばに置いておけるようなアナログディレイってなかなかないのかもしれません。ひたすらシンプルに、使い勝手を追求した結果と言えるでしょうか。
ちなみに、海外での価格はSwollen PickleとPork Loinのちょうど間というところでしたので、国内でもそのあたりの価格になるのではないかと思います。また発売が決まったらご紹介してみますね!初めてのアナログディレイにも良いモデルだと思います。
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