きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト


きにおも@Twitter
Facebookアカウント
instagramアカウント
Line@アカウント
きになるおもちゃ@Lineブログ

がっきや速報
楽器店のセール情報や限定特価品をまとめてみます

ボカロ曲

リンク切れ等がございましたら、メールかコメントに書いていただくと助かります



きになるリスト(ニコニコ動画) Youtubeチャンネル Instagram

当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

BOSS DD-2 Digital Delay


「世界初のコンパクトデジタルディレイペダル」を安く見つけたので、さっそくレビューしてみたいと思います。
実は以前、少しだけ弾いたことがあり、その音を聞いて以来欲しかったモデルです。では、いってみましょう!

BOSS DD-2 Digital Delay


こちらが、DD-2です。1983年の12月に発売されたコンパクトサイズのデジタルディレイペダルです。発売当初の定価は¥29,800-。その後内部に使われているチップの価格が下がったことにより定価を¥24,800-と改め、1986年の8月、さらにチップの価格変動に合わせてモデル名を「DD-3」と変更して定価¥19,800-で販売されるようになりました。DD-3は、ご存じの通りBOSS DD-3 Digital Delayとして今でもレギュラーモデルとしてラインナップされています。DD-2からDD-3への変更は、「外観と型番と価格」のみ(実際は電源回路に改良が加えられたとも言われています。)ですので、実質的に発売以来26年以上のロングセラーを続けるモデルとも言えるかと思います。
ちなみに、DD-3は86年の発売後、ディレイ専用DSPチップをICからLSIへと変更し、回路を一新したバージョン2、そして表面実装チップを採用した現行モデルのバージョン3へと、2度ほど基板が大きく変更されています。
 

機能やコントロール類は現行DD-3と同じです。ディレイ音と原音のバランスを調整するE.LEVEL、FEEDBACK、D.TIMEコントロールと、4モードのロータリースイッチが搭載されています。4つのモードのうち一つは、フットスイッチを踏んだ瞬間のディレイを、踏んでいる間ずっとかけ続けるHOLDモードで、残りの3つはD.TIMEコントロールの可変幅を設定するものです。それぞれ12.5〜50msのショートディレイ、50〜200msのミディアムディレイ、200〜800msのロングディレイとなっています。デジタルディレイとしては最大800msということで、今となってはかなり短いディレイタイムということになりますね。ちなみに最新のBOSSコンパクトデジタルディレイ、DD-7は6400msという、DD-2/DD-3の8倍のディレイタイムに対応しています。
また、Input側にDirect Out端子があり、そこから原音だけを分けて出力することもできます。
 

アダプタはPSAタイプです。今のBOSSエフェクターは全てPSA用(ACAアダプターはすでにディスコンになっています。)ですが、この時代だとPSA用ペダルよりACA用ペダルの方が多かったんじゃないかと思います。ちなみに、PSAアダプタはデジタルペダル等の消費電流量が多いペダル用に作られたようです。
 

Made in Japanです。といってもDD-2の生産終了が86年8月、BOSSの生産工場が台湾に移転したのが86年12月なので、過渡期で何らかの例外がある可能性もありますが、ほぼ全てのDD-2は日本製ですね。
 
さて、だいぶ長くなってきましたが・・・私がDD-2を欲しかった理由は、音色以外にこれがあります。

裏蓋を開けると・・・なんじゃこりゃ!と言いたくなるほどのパーツ点数であることが分かります。基板をひっくり返してみると・・・
 

これですよw
写真中央のでっかいICがこのディレイペダルの心臓部となる、RolandオリジナルのDSP、ICチップです。このチップは他に、名機と言われるラック型デジタルディレイ「Roland SDE-3000」やマイクロラックの「RDD-20」にも使われています。今のデジタルディレイにはまず使われることのない、ディレイ用のICチップですね。
このICチップがコンパクトペダルの基板に収まるサイズだったことが、DD-2誕生のきっかけだったそうですね。デジタルディレイのコンパクト化は、時代の流れ的には必ずどこかで起きたことだと思いますが、結果的にこのDD-2は世界初のコンパクトデジタルディレイエフェクトとなり得たわけです。もうちょっと基板写真を載せます。
 

ペダル左上はアナログ回路(?)となっています。バッファなどをまとめてあるのかもしれません。あと地味にJRCの艶有り5534DDなども使われていますが、まぁ当時の普通のパーツですね。
そんなことより、この詰め込み具合が素晴らしいです。今ならどんなメーカーでも迷わず表面実装パーツを採用するでしょうし、ハンドメイドブランドはこれを作ろうと思うこともないでしょうね・・・「この方法で作るしかない」という当時だからこそ作ることのできたエフェクトだと思います。当時の技術がすごいとかそういうのではなく、時流とBOSSの心意気が生んだペダル、ということではないでしょうか。
 

ペダル手前側・・・ちょうどフットスイッチの下側にあたる部分です。ここはチップが並んでますね。何かのトリマもあります。写真奥の部分はインプットバッファとか、電子スイッチの制御部でしょうか?
 

DC Inputとポット類がまとめられた基板です。ここにもトリマがありますね。
 

世界初のコンパクトデジタルディレイと、最新のコンパクトデジタルディレイの内部を比較してみました。言うまでもありませんが、左がDD-2、右はStrymon BRIGADIERです。共通点はどちらも「オリジナルDSPチップ」を使っているという点です。ICだったチップがCPUのようなチップに変貌しているのはおもしろいですね。抵抗類も新しいモデルは表面実装タイプです。何か感慨深い気持ちになってきます。
 
というところで、写真はこんな感じでしょうか。では、レビューいってみましょう。

  • 操作性

これ以上ないほどシンプルなコントロールを備えたペダルです。難しいところは一切無いと思います。ペダルの踏みやすさも抜群、信頼性も高いBOSS筐体ですし、PSAアダプタ用だし・・・何も言うことがありません。ダイレクトアウトは左側にあってもいいんじゃないかと思わないでもないですが、それ以外はさすがに26年以上変わっていないだけのことはありますね。

  • サウンドレポート

では、音を。機能的にはHOLD機能がオマケ的に付いている以外は全く普通のデジタルディレイです。モジュレーションやアナログモデリング、ループサンプラー、ピンポンディレイ、メモリー機能やタップテンポ等といった、「現代の」デジタルディレイ・・・とくにDD-2発売当時の価格帯のデジタルディレイなら当然付いているような機能はもちろんありません。ディレイタイムとフィードバック、そしてエフェクトのミックスを設定するだけの、ほとんどアナログディレイのようなペダルです。だからこそ、音が非常に重要になってきます。
で、弾いてみると・・・コンパクトなディレイペダルが他にアナログしかなかった当時ならともかく、今となってはとても「クリアなディレイサウンド」とは言えません。そりゃもちろん、DM-2と比べればクリアです。しかし、現在の新しいデジタルディレイと比較すると、あきらかにディレイ音が原音よりも「粗く」なっています。また、どういうわけかディレイサウンドがフィードバックを繰り返すたびに減衰して行きます(アナログディレイほどではありませんが)。
「原音に忠実に、クリアなディレイサウンド」を作り出すデジタルディレイという視点から評価すると、とても「優秀」だと言うことはできません。
しかし・・・これを一つのディレイとして単純に音を出して弾いていると、どういうわけか非常に気持ちが良いです。実はこのペダル、ダイレクト音が10〜60kHzに対してディレイ音は40〜7kHzと、上下の超高域/超低域がばっさり切り落とされたディレイサウンドを出力しています。(現行DD-3もあえてこの仕様を踏襲しているようです。)これが良い効果になっているのか、ディレイ音の芯が強く、かといって原音を邪魔しないサウンドとなって出力されています。今のBOSSならもっとクリアなディレイを簡単に作れるはずであるにもかかわらず、現行も同じように設定されているということは、やはりこれはある意味独特の効果として現れている可能性はありますね。特にこの効果が現れるのは付点8分で弾いたときでしょうか。今の「クリアな」デジタルディレイを使うより、こちらの方が付点8分プレイがやりやすいように感じました。・・・もちろん、テンポ設定はタップテンポ搭載モデルの使いやすさには歯が立ちませんので・・・音色的に、という意味ですw
また、パーツの多さのせいなのかそれとも回路設計に(ある意味)問題があるからか分かりませんが、フィードバックのたびに若干減衰するディレイ音が、非常に自然な反響効果となっています。デジタルディレイとアナログディレイの中間的な音、とよく言われているようですが、まさにその通りですね。
あと、このペダルは発振させることもできます。アナログディレイの発振とはまた違った機械的な発振音で、Modeスイッチでディレイタイムのモードを切り替えることで一気に発振音のピッチを入れ替えたりすることもできておもしろいです。ショートディレイモードにすればエンジンやヘリコプターのような「ババババ」という発振音になり、ミディアムディレイモードでは多くのアナログディレイと似たような発振の仕方に、ロングディレイモードにすれば、原音の雰囲気を残した発振音となります。
発振中にペダルを踏み込んだままHOLDモードにすると、ペダルを踏んでいる間だけ発振するので、発振+トレモロ、みたいな変な音も作れますw(ペダルをいったん離して戻すと発振音がだいぶ小さくなっているので、マシンガントレモロみたいなことはできません。ペダルを離して音を切り、また踏んで発振音が戻ったらまた切る、みたいな使い方になります。)
ちなみに、DD-2は「ノイズが多い」と言われることもあるようですが、このDD-2に関して言えば、特にノイズが出ることはありませんでした。これは電源環境や組み合わせるギター、アンプ等によって変わるかもしれませんし、生産時期の違いによるパーツ変更によってノイズが出るものと出ないものがあったりするのかもしれませんね。(Opampやコンデンサに違うものが使われていることもあるようです。)
 
それにしても、本当にこれ、弾いていて気持ちのいいディレイです。DD-2とDD-3は、もちろん定番モデルだからということもあると思いますが、非常に多くの「トップギタリスト」が使っているペダルでもあります。(例として、DD-2はジョー・サトリアーニやトム・モレロ、DD-3はデイヴ・ナヴァロやラリー・カールトン、ポール・ギルバートやトム・ヨーク等そうそうたるアーティストが使っている、もしくは使っていたようです。)発売当時はどうだったのか分かりませんが、今このペダルを弾くと、独特で使いやすく、そして気持ちの良いディレイペダルと言えるのではないかと思います。ただ、「クリアなディレイ音」ではありませんので、そういうサウンドを求める場合は注意してくださいね。
 
こちらでDD-3基板の変遷をが見れます。

となっています。時代の移り変わりがよく分かりますね!
 

人気blogランキングへ にほんブログ村 音楽ブログへ



にほんブログ村 音楽ブログへ
免責:
紹介している商品のリンク先の販売店、およびメーカーと管理人は関係ありません。
仮に御購入の際になんらかのトラブルがおきましても管理人は責任を負いかねます。
当サイトは楽天アフィリエイト、Amazon.co.jp アソシエイト、Yahoo!アフィリエイト、アクセストレード、A8.net、リンクシェア、Google Adsence、iTunesのリンクを使用しています。
また、当サイトと同じ改造を行って何らかの問題が発生した場合も責任は負いかねます。ご了承ください。
Privacy Policy