きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト


きにおも@Twitter
Facebookアカウント
instagramアカウント
Line@アカウント
きになるおもちゃ@Lineブログ

がっきや速報
楽器店のセール情報や限定特価品をまとめてみます

ボカロ曲

リンク切れ等がございましたら、メールかコメントに書いていただくと助かります



きになるリスト(ニコニコ動画) Youtubeチャンネル Instagram

当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

デジタルエフェクターの選び方

最近、エフェクターやアンプにもデジタル回路で作られたモデルが非常に増えています。なんとなくアナログエフェクターの代表としてTS808HWとデジタル代表としてAxe-Fx IIを載せてみましたw
アナログとデジタル、それが良いか悪いか、好きか嫌いかは別として、そもそもアナログエフェクターとデジタルエフェクターの違いって何なのか、アナログだから、デジタルだから、というこだわりにどんな意味があるのか、そしてデジタルエフェクターはどうやって選べば良いのか、そんなことをちょっと書いてみたいと思います。
では、いってみましょう!

  • エレキギターはすごく特殊



エレキギター、と書きましたが、エレキギターとベース等という方が正しいかもしれません。いわゆる軽音楽系(LM系)の弦楽器です。何が特殊かというと、アナログとデジタルの関係です。例えばクラシックなどに使われる楽器は、デジタルを一切受け付けません。最近は電子ピアノやエレキヴァイオリンなんかもあるにはあるんですが、クラシックの世界で、練習時はともかく本番の際にそれらが使用されることはまずありません。一般の、例えば小中学校の部活で行われるような吹奏楽コンクール等でも、アンプを使う機材の使用は認められていません。
一方、その他の楽器は現在、ほとんどがデジタルを受け入れています。もちろん、本物のヴィンテージアナログシンセにこだわる人や、未だにアナログレコードしか使わないというDJさんもいます。ただ、その割合は現在とても少なく、そのほとんどがデジタル化を受け入れていますし、実際に発売されているものも新しいものはそのほとんどがデジタルです。
ギター、特にエレキギターの関連機器は、未だにアナログ機器の割合が非常に高いです。それでいて、デジタルは絶対ダメかというと特にそういうわけでもありません。個人の趣向はともかく、エレキギターは絶対アナログ機材でなければいけない、という風潮はありませんし、かといってデジタルこそ最高、ということもないのです。
だからこそ、アナログとデジタルの違いを分かることは、的確な機材を選ぶ上でとても重要なことだと思います。

  • デジタル=シミュレータ?


とはいえ、エレキギターの関連機器において、現在アナログ機材の方が強いのは確かです。全世界で生産されている真空管の9割はギターアンプ用だと言われていますし、アナログディレイを作るためのBBDに至っては、現在そのほぼ100%がギターエフェクターのために作られています。ゲルマニウムトランジスタもその傾向は強いでしょう。
これらは、エレキギターの登場した時代を表していると思います。実用的なデジタルコンピュータが作られたのは1940年代です。エレキギターの誕生は諸説ありますが、最初のソリッドエレキの量産モデルが作られたのは1951年、Broadcaster(後のTelecaster)によるものです。ファズペダルやワウペダルの登場は1960年代。その当時、レコーディングなどに使われていたコンソールはその全てがアナログ機器だったわけですから、音を変えるためのエフェクターをアナログ回路で設計するのは自然の流れですし、当時のデジタル技術で音を処理するのは難しかったはずです。またサウンドエンジニアにデジタル回路の設計ができる人もいなかったでしょう。
しかし、どの時代でも伝説のギタリストは生まれます。特にエレキギターはそれらの時代から花形的な人気があり、その分プレイヤー人口も多く、当時のスタープレイヤーにあこがれ、その音を出したいと思う人は今でも数多く存在します。そのため、未だにアナログ機材が愛され続け、またその機材をつかって生まれた音が次の世代のプレイヤーにつながっていく・・・という流れができているように思います。
ところで、デジタル機器、特にレコーディングやミキシング系のもの以外の楽器関連デジタル機器はそのほとんどがシミュレータです。
これはギターエフェクターやアンプだけにとどまりません。デジタルシンセはアナログシンセや数々のアコースティック楽器の音を再現し、デジタルドラムはアナログのドラムキットを再現します。電子オルガンや電子ピアノもまた、アナログ時代のオルガンやステージピアノの音色を、その方法はどうあれ、模しています。当然デジタルならではの音もありますが、そもそも鍵盤にしても、ウィンドシンセにしても、デジタルドラムにしても、もともとはアコースティック楽器やアナログ楽器だったものの発展系に過ぎません。
これはもちろん、デジタル技術が出てきてからそれほど時間が経っていないからというのもあるんですが、そもそもデジタルという技術の柔軟性の高さによるものだと思います。1つの楽器で、いろいろな音を出したいという欲求は、いつの時代にもありました。例えばパイプオルガン。教会やホールで荘厳な響きを出すイメージが強い楽器ですが、実はあのパイプオルガンは、鍵盤型のアナログオーケストラシミュレータと言うこともできます。パイプオルガンは、複数のいろいろな音がでるパイプを組み合わせることで音を奏でますが、特定のパイプを開閉することで、金管楽器風やフルート風、ヴァイオリン等のストリングス風などの音を出すことができます。しかし、アナログ楽器ですので、いろいろな音のシミュレータを作ろうと思えば、シミュレートする音の数だけパイプが必要になり、遂には1つの建造物といえるほど大規模な楽器になってしまいました。一方、デジタルという技術は0と1の信号の組み合わせを処理することで様々なことが行えます。「デジタルにしか扱えない楽器」を作るのはいくらでも可能なのですが、結局人気が高く、昔ながらのユーザーインターフェイスを持ったクラシック楽器を発展させた形に落ち着くのだと思います。
ギターエフェクターにしてもそれは同じで、デジタルにしか作ることができない、例えばビットクラッシャーのようなエフェクトもありますが、そのほとんどがデジタルならではの柔軟性を生かして、それまでは何台も必要だったエフェクトをまとめたり、高価で稀少ゆえ手に入らない機材の音を再現する方向に向かうのは自然な流れだと言えます。デジタルにシミュレータが多いのはデジタル技術が浅いからではなく、デジタルが非常に柔軟なものだからです。では、デジタルは音に関してアナログに対して優れているのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。デジタルとアナログの違いを見てみましょう。

  • デジタルサウンドとアナログサウンド

デジタル機器が音質を表す際に使われるのが、bitとkHzという単位です。ビットやサンプリング周波数という言葉で表されます。単純に言えば、これは数字が大きいほど高音質と言われます。正確には、この数字が大きいほど、アナログの音に近づくのです。どういうことかというと、音は波です。何かの波形を思い浮かべてください。その波形を、ペイントソフトか何かで書いたとします。それを拡大すると、スムーズな曲線でも最終的には階段状のドットに行き着きます。どれほど解像度が高くてもそれは同じです。
音をアナログからデジタルに変換する際も同じことが起こっています。このとき、「解像度の高さ」に当たるものがビットです。ビットの表す数は2進法での桁数を意味します。要するに2の何乗かということですね。デジタルサウンドのbitは最小から最大までの振幅をいくつに分割するかを示しているので、16bitなら2^16=65536分割となります。ちなみに、アナログの場合は最大振幅を超えた入力があると音が歪みますが、デジタルの場合それを超えると音が割れてノイズが入ります。これは最大振幅を超えた波形は読み取らず、急激に波形が変化することによるものです。そのためデジタルレコーディングの場合クリップに気を遣う必要がありますし、デジタルの歪みペダルは過大入力を起こしているわけではないということですね。
また、音は常に一定の波形なわけではありません。常に変化し続けています。ここでは波が動き続ける動画を思い浮かべてください。今見ることができる動画は、デジタルにしてもアナログにしても、超高速紙芝居です。この紙芝居の速度はfpsという単位で表され、1秒間に何枚の絵(フレーム)を表示するかによって動画のスムーズさが変わります。サンプリング周波数はそれと同じで、1秒間に何回波形を取得(サンプリング)するか、というものです。CD音源の44.1kHzなら1秒間に44100回の波形処理を行っています。このとき、定理によって再生限界の波形周波数の倍以上の値が必要となります。よくアナログレコードとCDを比べて、CDは人が聴き取れない範囲の高音域を削っていると言われますが、削っているのではなく、22.05kHz以上の周波数の音は再現できず、またそれに近い周波数の再現度が下がっている、ということなのです。(動作不具合を避けるため多くのCDは20kHzでフィルタをかけるため、削っているというのはそこから来たことだと思います。)
つまり、bit数が高くなるほどある瞬間の音の波形がアナログサウンドに近づき、サンプリング周波数が高くなるほど、音の時間経過による動きがスムーズになり、かつ高音域まで再生できる、ということです。

  • DSPとは

現在のデジタルエフェクターには、ほぼ間違いなくDSPが使われています。PT-2399のようなディレイチップのように古い技術を使うものもありますが、あえてそういったことを公言していない場合、というか、ごく一部のデジタルディレイを除き、全てでDSP(Digital Signal Processor)が使われている、といっても過言ではありません。
DSPというのは、いわばPCにおけるCPUに相当します。ただCPUと違って、デジタル信号の処理に特化したものをDSPと呼び、特にエフェクターに使われるDSPはデジタル音声信号の処理に特化したものが使われています。
DSPにとって大切なことは、ある種の計算をどれだけ速くこなせるか、ということです。例えばPCでインターネットブラウザを立ち上げるときにかかる時間は、どれほど軽くても0.5秒以上はかかります。もしギターエフェクターの処理に0.5秒かけていたら、500msものロングディレイが常にかかっている状態になってしまい、まともにプレイすることはできなくなってしまいます。そのため、信号処理に特化したDSPを使うことで、遅れのない音を出力できているわけです。
DSPの性能は、いろいろありますが結局どれだけの量の計算を一定の時間以内にこなせるかということに尽きます。もちろん、同じDSPを使ってもソフトウェアやプログラム次第でより高性能なものを作ることは可能ですが、現在各社がしのぎを削っている中、同じDSPで何らかの処理をさせれば多少の癖こそあれ、どのメーカーも同等のレベルのものが作れます。そこで、DSP自体の性能差やユーザーインターフェイス、あるいは新しい視点からものを作ることで、様々なデジタルエフェクターの違いが生まれているわけです。DSP自体も大きなメーカーはほぼ全てが自社開発ですし。

  • AD/DA変換

もう一つ、デジタルエフェクターで重要なのがAD/DA変換です。これはアナログからデジタルへ、そしてデジタルからアナログへ信号を変換することです。
その際の音質については、先ほど述べたbitやサンプリング周波数で表されますが、高音質、というのと原音に忠実、というのはまた違ったものがあります。特にデジタルからアナログに変換するDAコンバータの性能が出音に大きな違いを生み出します。
ただ、デジタルエフェクターにおけるコンバータの性能は、bitやサンプリング周波数が同じであれば実はそれほど違いはありません。というか、単純にbitとkHzの数値による違いだけで十分分かると思います。
それ以上は高級オーディオ機器の世界、または第一級クラスのプロフェッショナル用機材の世界です。参考までに軽く書くと、そもそもの音質が決まっているCDプレイヤーのDA変換をより高品質にするため、プレイヤーに内蔵されているDAコンバータでは若干のノイズ、または信号の減衰が見られることがあるため、DA変換のためだけに作られた機器が使われることがあります。最高級モデルなら数十万〜数百万の世界です。さらに、デジタルCDプレイヤーとDAコンバータの動作クロックに違いがあると意味がなくなってしまうため、クロック周波数を出力するためだけの機器があり、特に正確な水晶発振器を用いたものではそれだけでまた数十万〜数百万の世界です。エフェクターの価格帯を考えると、それは今のところ無縁な世界のものと思っても良いと思います。
ただ、エフェクターのDA変換が音に影響を与えているのも事実で、例えばデジタル出力のあるエフェクターとそうでないエフェクターの場合、一度アナログ信号に変換するよりもデジタル信号のままアンプやオーディオインターフェイスにつなぐ方が明らかに音が良い、音の解像度が高い、という意見はよく聞かれます。

  • デジタルエフェクターを選ぶポイント

試奏して音が良ければ買ってください。
とまぁ、結局そこに行き着くわけですが、デジタルエフェクターを見る際、何がどう違って、音が変わるのか、というと、まずはどれだけの高音質に対応しているか、ということ。いわゆるAD/DAコンバータの性能およびDSPの処理能力の性能に関わってくる部分ですが、この場合高音質=ハイファイな音、という意味ではなく、高音質=どれだけ自然な音か、ということです。これはbitとサンプリング周波数の値で分かります。
ですが、エフェクターの音を決めるのはそこだけではありません。DSPの持ちうる性能と、それをどのように使っているか、ということです。現状、一部のモデルを除いて、DSPそのものの性能はエフェクターにおいてはほとんど公開されていません。ただ言えることは、少なくとも同じメーカー製の同価格帯モデルで積んでいるDSPが違うのなら、新しい方が性能が良いということ、また価格帯が違って積んでいるDSPが違う場合、高いものの方が性能が良いということです。ここはアナログエフェクターの稀少パーツやハンドワイアード等よりも分かりやすい違いです。メーカーが違っても、価格帯が大きく違う場合は高い方が性能が良い場合がほとんどだと思います。微妙な差ならばわかりませんが。
特にモデリング系のエフェクターの場合、この違いはそのまま音の再現度に直結する部分です。というのも、先ほど書いたとおりDSPの性能は同じ時間内にいくつの計算ができるか、ということなので、DSPの性能が高いほど、より深くまで音色を追求できるからです。もちろんモデリング時の技術の違いもありますが、大手メーカー同士なら技術力の差はほとんどありません。また、ここでも価格の高いものほど時間をかけて追求されていることが多いですので、仮に同じDSPを搭載していても、価格の高い方、または新しい方が音が良い場合もあります。
また、DSPという面から見ると特化性の高さは音の良さにつながる場合が多いです。これもDSPが計算できる量の違いと分かれば簡単なのですが、DSPにあれこれやらせるよりも、機能を削って特化した方が、同じ性能のDSPを使っても音が良くなることが多い、ということです。典型的な例がStrymonのエフェクターで、それらは通常マルチエフェクターに使われる性能のDSPを1つのエフェクトのためだけに使っていることから、評判の良い音を作ることに成功しています。
最後に、機能とサイズの違い。実は一番価格に直結するのがこれなので難しいところではあるんですが・・・基本的に、機能が多ければ多いほど、そしてサイズが小さければ小さいほど、価格は高くなります。これは他の電化製品と同じ原理ですね。POD HDシリーズのように同じシリーズ内でも、機能面の違い・・・それもソフト面とハード面の違いが見られます。例えばPOD HD500とPOD HD、POD HD Proはソフト面の違いは見られませんが、ハード面の違いが価格に表れています。対してPOD HD300とHD400、HD500はハード面だけでなく搭載するエフェクト数等ソフト面でも違いがあります。ここで必要なことは、自分にとって必要な機能が何かを見極めることです。まぁ大は小を兼ねる理論で高い方を選ぶ、というのも、デジタルエフェクターにおいてはありといえばありです。アナログの場合機能追加で音が変わることも多いのでまた違うんですが・・・。
つまり、デジタルエフェクターを選ぶ際は、まず必要な機能を考えて、次に同じくらいの機能を持つモデルを見つけます。1つしか候補がなければそれで決まりです。複数候補がある場合は、機能面以外のスペックを比べます。そこに差がなければ、好きなメーカーや好きなデザインを選ぶか、または試奏して比較してから選ぶのが良いと思います。メーカーサンプルサウンド等も、それぞれのメーカーの癖がけっこう出ることもあるので、比較の参考になるかと思います。
アナログとデジタルのエフェクターで迷ったときは・・・そうですね、結局音を出して比べてみるしかないと思います。あとは結局、見た目やメーカー、信条の好みに合うかどうかです。

今、もはやアナログとデジタルの境界線はほとんど無くなってきています。デジタルペダルが現状エフェクターにおいて明確に再現し切れていないのは、アナログ特有のクリップ時に出るランダム性が強く表現されるファズペダルくらいだと思います。それも今後はより精度が上がり、再現されていくことでしょう。
しかし、どれだけデジタルが万能で完全再現が可能になったとしても、作り手の違いによる癖や個性は必ず付加されます。すでに長年デジタルエフェクターとして愛用されつづけているリバーブエフェクトも、作るメーカーやモデルによって音が違っていますし、デジタルのシンセサイザーでも、機能性だけでなく音の違いも明確にあります。(まぁあっちはサンプリングとかそういう方向の世界ですが)
ただ、好き嫌いがあるのは当然ですが、アナログだから、デジタルだから、という食わず嫌いはエフェクターを選ぶ上では意味がないのかなと思います。両方体験した上で、どちらが好き、というのはまた違いますし。

いろいろなエフェクターが出てくる中、アナログにもデジタルにも、どちらにも素晴らしいモデルが発売されています。いろんなペダルを体験して、自分に合ったモデルを見つけられることが一番良いことだと思います。
 
人気blogランキングへ にほんブログ村 音楽ブログへ



にほんブログ村 音楽ブログへ
免責:
紹介している商品のリンク先の販売店、およびメーカーと管理人は関係ありません。
仮に御購入の際になんらかのトラブルがおきましても管理人は責任を負いかねます。
当サイトは楽天アフィリエイト、Amazon.co.jp アソシエイト、Yahoo!アフィリエイト、アクセストレード、A8.net、リンクシェア、Google Adsence、iTunesのリンクを使用しています。
また、当サイトと同じ改造を行って何らかの問題が発生した場合も責任は負いかねます。ご了承ください。
Privacy Policy