ディレイ Rockett Pedals Alien Echo [送料無料!]【smtb-TK】 |
今度の「Alien Echo」は、ディレイペダルです。PT2399ディレイチップを使ったデジタルディレイです。少し前ならデジタルとアナログのハイブリッドディレイ、といった呼び方をされたタイプのディレイですね。
コントロールは左からDelay Time、Warble、Mix、Repeats、Toneとなっています。ディレイタイムは最大600msまで対応。Warbleは本体にランダムなモジュレーションを加えることで、ヴィンテージテープエコーのテープが揺れるサウンドを再現するものです。Mixはディレイと原音のミックス、Repeatsはフィードバック、Toneはディレイサウンドに効くトーンコントロールで、好みに応じて暗いアナログサウンドや明るいディレイサウンドを得ることが出来ます。
フットスイッチは、ON/OFFとモジュレーションのON/OFFとなっています。Warbleはテープエコーの揺れを再現しますが、強く設定すれば音のピッチが動く、かなり面白い揺れ方をさせることもできます。
良い感じに使いやすそうなディレイですね。正統派ですが遊び心もあって、楽しそうです。
ちなみに、PT2399ディレイチップを使ったディレイサウンドって、もちろん回路設計次第なんですが、本当にアナログサウンドに近づけることができます。アナログディレイそっくりの発振をさせることもできるようです。
ただ、今のところ、ディレイサウンドを聞けばだいたい分かる感じもありますね。その特徴は、残響が重なって伸びている時が最も分かりやすいと思います。BBDを使ったアナログディレイだと、残響を重ねて伸ばす、つまりFeedbackやRepeatを高めに設定してロングトーンを弾いていくと、少しですが音が濁るんです。音の減衰に合わせて音がダークになっていくのとは別の濁り方をします。これがアナログディレイの気持ちよさを産んでいる部分もあります。
PT2399のディレイサウンドは、減衰するごとに音がダークになっていく様子は(設計次第で)見事に再現できるんですが、この若干の濁りがなく、なんて言えばいいかな・・・スムーズでリバーブ的な残響が得られます。これはけっこうYoutubeでも判断が付くので、分かっていただけるかと思います。本当に、アナログとデジタルの中間というサウンドになります。
ただ、さきほどから設計次第と言っていますが、PT2399ディレイってペダルによっていろいろな音のバリエーションがあって面白いんです。たいていはアナログよりにするか、デジタルよりにするのかという違いなんですが、リバーブ色を強めてスラップバックっぽい設計にしたり、残響のダークさを増してチューブエコー風にしたり、その設計思想によっていろいろなバリエーションがあるので、見ていて面白いです。この「Alien Echo」のようにアナログっぽくするのが主流ですが、そこから先のコントロール系もいろいろで楽しいです。「Alien Echo」はモジュレーションが最も特徴的ですね。
PT2399ディレイは、一時期BBDが枯渇し、手に入らなくなったころに登場し、爆発的にその数を増やしました。そのころはアナログディレイサウンドを再現したものがたくさん作られました。現在、アナログディレイを作るためのBBDは再生産されており、BBDの入手自体は難しくはなくなっているようです。しかし、そうなってもPT2399ディレイは廃れることもなく、むしろよりペダルごとの個性を増していろいろなモデルが作られています。
クリアでワイドレンジなDSP系のサウンドともまた違う、独特のこのスムーズな残響は1つのディレイジャンルとして確立されているように思います。あと値段が手頃のモデルが多いのもポイントでしょうか。JOYO DIGITAL DELAYなんかは激安ですがPT2399のアナログ風サウンドをしっかり表現できています。もちろん、価格は開発にどこまで凝るか次第で変わってくるので一概に「PT2399だから安い」とは言えませんが・・・。
興味のある方はこのジャンル、いろいろ体験してみても面白いかと思います。単純にBBDの代替では終わらない、PT2399の魅力もあると思います。
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