先日発売されたThe EFFECTOR BOOK Vol.16。毎回エフェクターブックでは新製品をお借りしてレビューをいくつかさせていただいているんですが、今回お借りしたの中にあったペダルがあまりにもすごかったので、改めてこちらでも書かせていただこうと思います。
では、いってみましょう!
LOUD&PROUD THE CRUNGE BOX
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裏蓋を開けると、こんな感じになっています。お借りしたペダルに無茶はできないので、写真はこれだけですが、これでも分かる方は分かると思います。
何故か内部に設置された謎のポット。写真右下の基板からすこしはみ出たやたら大きなパーツ・・・。写真で見えない基板部にもモールドがかかっていて、細かいところは分からないんですが、全体的に大きめなパーツが使われており、いわゆる一般的な「ブースター」の回路とは一線を画すものとなっているようでした。オリジナリティを感じられる作りです。
では、レポートの方いってみましょう。試奏環境はいつもの通りで、ギターはLes Paul Customや 57 Stratocaster、Robot SG Special等を使いました。アンプはKoch Classic SE C-SE6Cのクリーンセッティングが基本です。
- 操作性
操作性は、シンプルです。VOLで音量を、GAINでゲインを調整して音を出すだけ。特に難しいことはないんですが、1点だけ、フットスイッチがペダルの真ん中にあるので、ちょっとノブに近いかもしれないな、と思いました。といって使いにくいってほどではないと思います。
- サウンドレポート
では、音についてです。試奏レポートなので、サンプルサウンドはありません。
まず、このペダルは「ゲインブースター」です。クリーンブーストもできますが、ブースターとして見ると、音を大きく変える性質を持っているので、クリーンブースターという使い方とはちょっと違う感じです。
まず、VOL、GAINノブ、共に最小の位置にすると音が出なくなります。そして、ゲインをほんの少しだけ上げると、クリーンな音を作り出すブースターになります。VOLを上げればブースト可能ですが、この時点では音量的にそれほど強いブーストはできません。
そして、歪みの入っていないクリーンなブーストの状態でも、バイパス音とは明らかに音が変わっています。どう変わっているのかというと、クリーンなのにすでに飽和感があるというか、ローエンドが強めに出てきて、軽いコンプレッションがかかったサウンドになっています。すでにただ者ではない雰囲気を纏っています。
そこからGAINノブを上げて行くと、音量とともに歪みが少しずつ付加されていきます。GAINが12〜1時くらいまではこういう感じでゲインと音量が上がっていきます。もちろんVOLコントロールで音量調整は可能です。GAINが12時辺りの位置では、VOLの設定次第で爆音を鳴らすことが出来ます。音は若干のクランチサウンド。といってもオーバードライブのクランチのようにクリーミーな音、というタイプではなく、音全体が少しだけ振動しているような、独特の歪みです。コンプレッションはクリーンブースト状態からほとんど変化しておらず、そのままゲインだけが上がってきた感じですね。音自体の重さが増したというか、密度が上がったというか、重量級のサウンドになります。
さて、本番はここからです。ここからGAINノブを上げて行っても、音量はほとんど変わりません。VOL設定で爆音からミュートまでの調整ができる状態が続きます。しかし、歪みはどんどん増していきます。
音の飽和感が強くなっていき、ローミッドあたりに重心のある、どっしりとした歪みが加わります。コンプレッションもこのあたりから強くなっていく感じですね。アンプから感じる圧も非常に高くなり、大きめの出力のチューブアンプを爆音で鳴らしたときに来るあの、こっちのテンションまで上がっていく感じがあります。プリアンプではなく、パワーアンプが歪んでいるようなサウンドです。
歪みはけっこう粗くて、ファズとまではいかないんですが、それを思わせる雰囲気を持っています。あえて言えば、BIG MUFFをもっとオーバードライブよりにしてゲインを下げつつ、爆音感を失わないようにしたような音ですね。これがものすごく気持ち良いんです。このあたりのセッティングになると、もうこのペダルがブースターだったことは忘れてしまうような音になりますw
さらに、レスポンスも高くて、この状態でもギターのVolumeを下げれば、ペダル側のGAINノブを下げたような動きをして、クリーンから歪みまでギター側でコントロールすることもできます。
もちろん、ゲインブースターとしても優秀です。ギターの持つ特性は基本的に失いません。ギターを変えればその特性通りに音も変わります。そして、他の歪みを後につなげば、その歪みのゲインをきちんと上げてくれます。
・・・が、このペダルは、他の歪みやブースターの後、出来れば歪み系の最終段につなぐことで強力な効果を発揮します。例えばこのペダルのGAINノブを低めにした状態で、前に別のクリーンブースターをつなぎ、ONにすればそのままGAINノブを上げた音になります。他の歪みの後ろにつなげば、前にある歪み系ペダルの特性を失うことなく、ローミッドを中心に荒々しさを加えることができます。
こうして使ったとき、このCRUNGE BOXはまるで、「チューブパワーアンプ風の音を持ったプリアンプ」です。GAINを下げればクリーン状態のチューブアンプのような音に、GAINを上げれば爆音状態のチューブアンプのような音になります。また、アンプをブーストするという意味では、アンプのゲインや音量をいじることなく、パワーアンプの歪みを簡単に付け加えられるペダルとも言えます。ソリッドアンプにチューブっぽさを加える使い方もいけそうですね。
また、国産のアンプライクなペダルだったり、ブースター系のペダルって、あまりにもレンジが広すぎて音が硬めに感じてしまったり、使いこなすのが難しかったりする傾向が見られることがありますが、このCRUNGE BOXはそのあたりも絶妙な設定になっていて、レンジやダイナミクスはとても広いんですが広すぎることもなく、またセンシティブすぎて扱いが難しいということもありませんでした。
「クリーンブースター」として使うには独特すぎるペダルなんですが、ギターサウンドに「チューブパワーアンプの歪み感」を簡単に付け加えて、音に存在感を持たせるためのペダルとして使うと、まさに圧巻のパフォーマンスを発揮するペダルだと思います。他に見たことのないタイプのブースターです。でも個性的すぎることもなく、特性を知ってしまえばとても扱いやすいペダルです。そして、凄まじいペダルです。
正直言って、最初は期待していませんでした。よくあるハンドメイド系ブースターの1つで、ちょっとした色つけがあったりする感じかな、と思っていたんですが、良い意味で期待を裏切られたというか、本当にものすごいペダルだというのが素直な感想です。
なかなか見かけないペダルだと思います。店頭で見るとすればおそらく宮地楽器さんに行く必要があるかもしれません。なので試奏する機会は少ないかもしれませんが、それでもこのペダルは是非とも弾いてみてほしいです。このペダル独特のこの感覚を、是非体感してみてください。すごいです!
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