奇抜な変形ギターの元祖とも言えるフライングVが最初に発売されたのは1958年。Gibsonの定番ギター、SGよりも早く、ES-335やFenderのJazzmasterと同じ年です。フライングVも今では定番モデルと言えるギターとなっていますが、当時はその奇抜なデザインがあまり支持を得られず、翌1959年には生産終了となってしまいます。この最初期のコリーナボディに小さなピックガードを持ったモデルは98本しか出荷されなかったそうで、2011年にVintage Guitar誌が付けた「世界で最も貴重なギター」の5位にランクインされています。
多くの支持を得られなかったフライングVですが、アルバート・キングやジミ・ヘンドリクスの使用により人気が再燃。1967年にGibsonはフライングVの再生産を開始します。この時、当初のコリーナボディからマホガニーボディに、ピックガードのデザインを新たにし、テイルピースも当初の裏通しスタイルからストップテイルピースへと変更されました。
このリイシューモデルのフライングVは、後に数多くのギタリストに使用されるスタイルとなります。特に今回は、67年当初のモデルからヘッドの形状が変更され、また指板のインレイもブロックのタイプとなった70年代後半のフライングVが限定で復刻されました。
ボディは1ピースマホガニー、そしてボリュート付きのマホガニー3ピースネック、ローズ指板となっています。ボディやヘッド、ネック等の形状は、Metallicaのカーク・ハメットが所有する79年製のモデルを元に採寸。PUにはランディ・ローズのレスポールカスタムを製作した際に、当時のPUを再現して作られた「Super '74」を2つ搭載します。コントロールは2Vol、1Tone、3Wayセレクターで、ストップテイルピース+TOMブリッジとなっています。
このモデルの面白いところは、Gibson Custom Shopがオリジナルモデルを完全に再現して製作した2つのアーティストモデルがあったからこそ作られたモデルという点ですね。様々なデータが蓄積され、それによってまた新たなモデルが作られる・・・素晴らしいことだと思います。
かなり数の少ない限定モデルになるみたいです。
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