【エフェクター】Z-VEX Loop Gate [Vextron Series] 【1月下旬発売予定】 |
この「Z.Vex Loop Gate」は、ノイズゲートとしての機能に加え、ループ内の音と入力音を交互に出力するChopや、ループ内の発振音にギターの音をミックスする機能を搭載した、個性的なペダルとなっています。
まず、ノイズゲート機能。ノイズゲートというのは、「ギターを弾いていない時」に出力をカットし、無駄なノイズを遮断するエフェクトを指します。多くのノイズゲートは、まずある一定のレベルを設定しておき、そのレベルを入力音が下回ったときに音を遮断する、という作りになっています。そのため、例えばハイゲインディストーションの後にノイズゲートをつないでおくと、たしかに何も弾いていない時には音が出ないようにできるんですが、そういう歪んだ信号はどうしてもある程度のレベルがあるため、音を切る設定を高めにする必要があり、結果的にロングトーンなどでは不自然なサステインとなってしまうことがあります。
しかし、このLoop Gateのノイズゲートは少し違っています。基本的な仕組みは同じなんですが、ノイズゲートに設定する入力レベルは、Loop Gate本体への入力レベルとなっていて、ノイズゲートが作動するのは本体に搭載されたループの後、という形になります。
例えば、まずギターから直接このLoop Gateに接続し、他のエフェクターをLoop Gateのループ内に入れて、Loop Gateからアンプに直説接続するような形にすると、ギターのクリーンサウンドそのもののレベルでノイズゲートを動かすことができるため、多くの「歪みの後に接続する」ノイズゲートよりも詳細で自然な設定が行える、というわけです。もちろんノイズゲートはループの後、つまりこの場合アンプの直前に設置されていますので、何も弾かない時には音が出ない、というノイズゲート本来の機能を存分に発揮させることができる、というわけですね。
さて、このペダルのコントロールを見てみます。まずRelease、Gate/Mix、Sensitivityノブがあり、本体上部にはNoramal/Chop、およびバッファのON/OFFスイッチが、本体下部にはBypassとGateのスイッチがあります。なお、Gate/Mixはノブの形をしていますがGateモードとMixモードの切替スイッチとなっています。
まずはGateモード。このモードでは、ループは通常のエフェクトループとして作動します。右側のフットスイッチでループのON/OFF、左側のフットスイッチでノイズゲートのON/OFFが可能となります。この時、SensitivityはGateの作動するレベルの設定となり、ReleaseはGate作動時の音の切り方(フェードアウト)の長さを調整する形となっています。
本体右上のバッファスイッチはエフェクトループのSENDの前に設置されたバッファのON/OFFを行います。そして、左上のNormal/Chopスイッチは、本体の出力をNormal(普通のエフェクトループ)とChopで切り替えることができます。Chop選択時は出力が本体への入力音とループを通った音が連続的に切り替わり、トレモロのような効果を得ることができます。この時、ReleaseノブはGateの開閉速度・・・つまりトレモロのSpeedのようなコントロールとして作動します。
続いて、Mixモード。この時、本体に搭載されるループはSENDがシャットダウンされた状態となります。左側のスイッチで普通のループに切り替えることもできます。
このモードは一体何かというと、例えばディレイやファズの自己発振と、本体へのインプットをミックスすることができるというモードになります。単純にミックスするわけでなく、Sensitivityノブで調整したレベルに入力信号が達した時のみ信号をミックスして出力する、というものです。
どう使うかというと、例えばループ内にディレイを入れて、そのディレイを発振させた時に左側のフットスイッチをONにします。そうすることで、ディレイの発振音とギターのサウンドをミックスして出力することができる、というわけですね。さらに、この状態で左上のスイッチをChopにすることで、より個性的なトレモロ的な効果を得ることも可能です。
非常に難解というか、実際に使わずにイメージするのが難しい機材ではあるんですが、これ使いこなすとものすごい面白い効果が得られると思います。もちろん、単純に「理想的なノイズゲート」として使っても効果大ですね。
Z.Vexらしい個性と使いやすさ、そして革新性が融合したペダルだと思います。
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