「弦に対しピックを平行に当てる」というコンセプトで作られる、イタリアのハンドメイドピックメーカーEssetipicksの「Speedy Tagua」
モデル。
先に出たZIRIYABも、ピックとしては十分に高級なモデルといえるピックでしたが、このSpeedy Taguaは超高級ピック、と言っても良いほどのモデルです。
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では、いってみましょう!
Essetipicks Speedy Tagua
こちらが、その「Speedy Tagua」モデルです。ラインナップは右利き用スタンダードサイズのモデルのみ。つまり右利きで順アングル、または左利きで逆アングルのプレイに対応したモデルとなっています。ピックの先端が独特のカーブになっていて、それにより普通に弾いてもピックが弦と平行にあたるようになる、というモデルですね。
ピック自体はTaguaという、ゾウゲヤシの種子から削り出した素材で作られています。親指の滑り止め部に革が使われており、そこのカラーがブラック、ブラウン、ベージュの3種類。今回レビューするのはベージュのモデルということになります。
表側(親指側)は革が貼ってありますが、裏側はこんな感じ。ゆるやかなへこみが設けられていて、革はありませんが指が固定できるようになっています。また、ピックの端にキズのようなものがあったり、色のムラがあるように見えますが、これは元が植物の種子から作られていると言うことで、元の種子そのものにある模様がそのまま出ている形になっています。
では、先日レビューした、Essetipicks ZIRIYAB Mini と比べてみましょう。
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なかなか上手く撮れなかったんですが・・・先端はこんな感じです。どちらも先端が斜めになるよう削られていて、これにより弾いた時に弦とピックが平行になる、ということですね。実物を見れば分かりますが、基本的に形状自体は同じ形ではあります。ただ、おそらく素材を削って作るSpeedy Taguaと、樹脂のZIRIYAB Miniの違いだと思いますが、Speedy Taguaの方がより滑らかな曲線となっています。
Speedy Taguaはスタンダード、ZIRIYAB Miniはミニということで、これくらいの違いがあります。しかし、これは滑り止め部の形状などの違いにより、弾いてみるとあまりサイズの違いを感じない感じです。実際に持ってみます。
まずはZIRIYAB Mini。ZIRIYAB Miniはピックの指を置く部分が深めにへこんでいるため、持ち方にあまり自由度がありません。そのため、「ピックの先端よりで持つ」ことができなくはないですがちょっと違和感があるので、だいたいこんな感じの持ち方になると思います。
一方こちらがSpeedy Tagua。特に1枚目、親指から出ている部分の先端の長さを見るとわかりますが、こちらの方がより自由な持ち方ができます。通常のスタンダードなティアドロップとほぼ変わらない感覚で使うことができるのが特徴ですね。厚みはあるので、そこは慣れないと行けないかも知れませんが、V-Picks等とあまり変わらない感覚で持てると思います。
弾き心地はEssetipicksならではの感じですね。弦と平行にピックがあたる、というのはもちろんですが、特にその先端に至るまでの滑らかなカーブが上手いこと弦を滑るので、速いピッキングやカッティング、ミュート、リード等、とても自然に行えます。
このあたりについては、ZIRIYAB Miniのレビューで他のタイプのピックと比べていますので、そちらも見ていただければと思います。
で、ZIRIYAB MiniとSpeedy Taguaの違いですが、持って弾いている感覚としては大きな違いはありません。素材が違うので手触りは全然違う(すべすべのSpeedy TaguaとざらざらのZIRIYAB Mini)んですが、どちらが良いかはここは好みだと思います。また、ケブラーがすごく軽い素材と言うこともあり、持ったときの重みは全く違って感じます。その分、何も持っていないような感覚はZIRIYAB Mini、ピックがしっかりフィットする感覚はSpeedy Taguaの方があるように思いました。長く持っていると、指の安定感はSpeedy Taguaの方が高いです。ZIRIYAB Miniもしっかりホールドできますが、あくまでも樹脂そのもので作られているのに対し、革の滑り止めの付いているSpeedy Taguaと比べれば安定感はどうしても落ちると感じました。
音の違いについては、生音で弾いたり実際にアンプの前で弾いてみると、Speedy Taguaの方が高域がより出てくるような感覚はあります。ただうちの機材では撮ってみても違いは全然分かりませんでした。
大きな違いは、やはり指を置く部分の形状の違い。これによるプレイ感覚の違いが特に感じます。例えば、ZIRIYAB Miniの方がピッキングハーモニクスは出しやすいんですが、逆に言うとちょっとしたところでハーモニクスが出てしまう場合もあります。Speedy Taguaはそのあたりは通常のピック同様、ハーモニクスを出そうと思えば出ますし、そうでなければ出ません。
この違いを大きいと考えるか、小さいと考えるかはプレイヤー次第だと思います。ただ、間違いなく違いはあるので、どちらを選ぶかはそれぞれというところですね。
あと見た目の完成度は言うまでもありませんが、Speedy Taguaの方が圧倒的に高いと思います。あと床に落としたときの見つけやすさも、Speedy Taguaの方が圧倒的に高いですw
というわけで、Essetipicks Speedy Taguaのレビューでした。こんなの高すぎる、意味がないと思うのも、ちょっと試してみようと思うのもそれぞれ自由かと思います。確かにピックとしては高価ですが、個人的に満足度は高いと思いました。
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