【新商品】【正規輸入品】【送料無料】【代引き手数料無料】Decibel Eleven Pedal Palette 【... |
この「Decibel Eleven Pedal Palette」というスイッチャーは、先日少しご紹介した多機能アンプスイッチャー、Decibel Eleven Split Personalityを製作するアメリカのブランドの、プログラマブルスイッチャーです。
基本的には4ループのプログラマブルスイッチャーなんですが、このモデルはただものではありません。まず、ループの順序を入れ替えられます。これだけなら、すでにMoen GEC438が実現していますね。GEC438の場合、4つのループのうち3つを自由に入れ替えて使うことができる、というモデルでした。
このPedal Paletteは4つのループを、3つのフットスイッチで1と2の入れ替え、3と4の入れ替え、そして12と34の入れ替えを組み合わせることでいろいろな順序への入れ替えを実現しています。3つのフットスイッチということは入れ替えられるのは8種類。4つのループを単純に並べると24通りの並べ方になるので、どんな組み合わせでもできる、というわけではありません。フットスイッチの仕組みを見れば分かるとおり、たとえば1>4>3>2みたいな、ループ1・2と3・4を行ったり来たりするような並べ替えはできません。とはいえ、普通のスイッチャーならエフェクトの並び順は1種類、GEC438もいわば6種類の並べ替えなので、そういう意味では最もフレキシブルな並べ替えができる、と言えるかもしれませんね。
そして、Pedal Paletteは各ループそれぞれにパラレルスイッチを搭載。パラレルスイッチをONにすると、そのループのSENDの前で信号が2つの分かれ、片方が次のループのSENDにつながります。そしてペダルの最終段でそれらがミックスされるという形になります。これによって、歪み2種類をミックスしたり、コーラスとディレイやディレイとリバーブをミックスする、といった使い方ができるようになっています。パラレルにすると、各ループごと、個別にLevelとPhase(位相)の切替が可能。位相切替は接続するペダルによって、反転した位相を元に戻す際に使います。この機能をループの入れ替えと組み合わせることで、かなり複雑な信号の流れも簡単に作ることができるということです。
さらに、このミックス機能を搭載したことで、Tailsコントロールという新たな機能も加わっています。これはループをOFFにしてからもしばらく、そのループのReturnの信号をフェードアウトさせながらミックスするという機能で、つまりディレイの残響を残し、それをフェードアウトさせながらOFFにできる、というような使い方ができます。いわゆるシームレスディレイ的な使い方ですね。この場合、ループ内のペダルは常にONになっているわけですから、ディレイペダル側にシームレスディレイの機能があろうが無かろうが関係ありません。どんなディレイでもシームレスディレイのような使い方ができる、ということですね。このTailsコントロールは、各ループごとに個別にON/OFF設定ができるので、使いたくないペダルを繋いだループはOFFにしておけば、ディレイをつないだループのみTailsコントロールが有効、という形にできます。
そして、このペダルはプログラマブルスイッチャーです。プログラムできるのは全部で128種類。32バンク×4プリセットという形です。プログラムできるのは、各ループのON/OFFと、その時のループの並び方のみ。各ループのパラレルやTailsコントロールのON/OFFはプリセットの情報に含まれません。まぁでもこれは分かりますね。Tailsコントロールはともかく、パラレルの接続をプリセットしてしまうと、プリセット切替の際にかなりノイズとかが出てしまいそうですし・・・やろうと思えばできそうなのであえてやっていないんじゃないかと思います。
また、このスイッチャーは、MIDIによるコントロールにも対応。MIDIチャンネルを設定し、MIDIプログラムチェンジ信号を受信してプログラムを選択したり、逆にプログラムの選択に合わせてMIDIプログラムチェンジ信号を送信する、といったことが可能です。あと、MIDIを通じて他のPedal Paletteにプリセットのセッティングをまとめてコピーしたり、PCにセッティングのバックアップを取って置いたりすることもできます。
ちょっと変わっているのがバッファの仕様で、ON/OFFが可能なJFETのインプットバッファを搭載。そしてパラレルのミックスにはOpampを使ったバッファを搭載。さらに、各ループのSENDの前にそれぞれバッファが入っていて、ループOFF時にはバッファもOFFになるのでトゥルーバイパスとなるんですが、ON時には基本的にSENDの前にクラスAディスクリートのバッファを通る、という仕様となっています。ただし、Loop1が先頭にある場合にのみ、そのLoop1のSENDはインプットと直結されるため、ファズ等のバッファの前に入れたいエフェクトを使うこともできる、という形ですね。おもしろいのが、ペダル内の場所によってバッファの仕様をあえて変えているところ。普通こういうバッファって共通のものが使われることが多いと思うんですが、ここは音へのこだわりが垣間見える部分です。
Tailsコントロールを使わず、インプットバッファもOFFにしておけば、このペダルをバイパスにするとトゥルーバイパスになる、ということで、それぞれのスタイルにあわせたいろいろな使い方が出来るモデルとなっています。
デモムービー
パラレルを組み合わせることで、同じペダルでもいろいろな音が出せることがよく分かります。これはレコーディングでは常套手段として使われる手法ですが、実際にエフェクトボードで行うのはこれまではなかなか難しいところでした。
これにより、それも簡単にできるようになったというのは面白いです。これはちょっと使ってみたいスイッチャーですね。単に便利なだけでなく、新たな音の可能性にも手が届くスイッチャーです。
Decibel Eleven Pedal Palette |
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