世界的なギターテック、ジミー・ジョンソンが開発し、ワールドクラスの様々なアーティストが使用しているという指板/フレットをクリーニングするポリッシングクロス「JJ's Gorgomyte Gorgomyte Polishing Cloth」。今回試しに使ってみました。(Gorgomyteの詳細はこちら)
年末ですし、普段からすぐに弾けるようにスタンドにずっと置いてあるうちのストラトが汚れてきて、なんだか可愛そうになってきたので、この機会に綺麗にしてやろうかと。
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JJ's Gorgomyte Gorgomyte Polishing Cloth
で、こちらがそのGorgomyteです。ゴルゴマイトと読むようですね。ネタだけのために13枚買おうかと思いましたが、普通に1枚にしておきましたw
個人的に、このパッケージ、好きです。なんか見る度に笑えてしまいます。まず、なぜドラゴンなのか、というところから面白いですし、ギターのサイズを考えると意外とドラゴン小さいな、とか、ギターのヘッドに「Gorgo」って書いてあったりとか、やたら指板がピカピカしていたりとか。そもそもこのドラゴン、なんでこんなにドヤ顔で舌出してるんだとか、若干口元がにやけているとか、ふとももの筋肉がヤバいとか、でもすごいガニ股だよな、とか。もうツッコみたくなるところが多くて面白いです。まぁ、これはクロスそのものの性能には全く関係ないので良いんですが、なんというか、憎めないというか、ついつい眺めてしまうパッケージです。
では、さっそく使ってみたいと思います。
Gorgomyteのパッケージを開けると折りたたまれたクロスが1枚入っています。
クロスは広げるとこんな感じ。1回のクリーニングでは5cm四方くらいに切り取って、それを使うと言うことですね。クロスは約20cm×12cmとのことなので、縦1/4、横1/2くらいに切ると、ちょうど5cm×6cmくらいの小さなクロスができあがります。
では、始めていきましょう。
このストラト、よくサンプルサウンドでも登場するFender USA American Vintage 57 Stratocasterです。普段から基本的に、とりあえず弾く時はこれを使っているので、うちにあるギターの中では最も使用頻度も高く、またすぐ使えるようギタースタンドに掛けっぱなしなので、保存状態も一番悪いギターです。打痕もあれば指板は一部削れていますが、弾きやすいのでお気に入りのギターです。
毎回、一応弾き終わったら普通のクロスで空拭きくらいはするんですが、月日というのは恐ろしいもので、気付けばこんなに汚れが付いてしまっていました。ちなみにこれ、メイプル指板だから汚れが目立って分かりますが、ローズやエボニーだったら全然汚れが見えないかも知れないです。そう考えると、一見綺麗な指板ももしかすると・・・と思ってしまいます。
まず、弦を外します。ここの工程は、まぁ分かりますよねw
それでは、Gorgomyte、スタートです。1Fから順に磨くように拭いていきます。
これ、分かりますか?3Fまで吹き終わったんですけど。なんか4Fと3Fで明らかに違いが・・・。ちなみに指板上で灰色になっているところは、メイプルが削れているところです。ここは物理的にどうしようもないですね。
ネックエンドが近づいてきました。この、19Fあたりからネックエンドまで、弦の跡というか、弦が張ってあった部分とそうでない部分に微妙な色の濃淡が出ていますよね。これが全然取れなくて、諦めていました。今回どうなるでしょうか。クロスもだいぶ真っ黒です。
そうそう、ピックガードもかなり汚れています。これは・・・タバコのせいですね。ギターを弾く際に手があたるところはまだきれいなんですが、そうでないところはタバコのヤニがついちゃってます。ついでなのでここも拭いてみましょう。
で、全体的に拭き終わりました。
・・・え?
いやいや。え?きれいになりすぎじゃないですかこれ?
奥にあるのがこれまで使ってきたクロス。真っ黒ですが、ある段階以降は見た目は全然変わりませんでしたw
まだ、これで終わりではありません。いったんGorgomyteで拭いた後、次はコットンを使って残った汚れを落とすとのことですね。コットンは、ドラッグストアとか100均とか、コンビニでも売っているこのフェイスクロスでOK。これは100均で買ってきました。
このコットンを使って、全体的に拭いていきます。
ネック拭きました。
コットンもだいぶ黒くなっていますね。あんなに綺麗に見えたのに、まだこれだけ汚れが残っていたというのもびっくりですが、コットンでささっと拭いただけでこれだけ汚れが落ちるというのも驚きです。
このコットンも、首に使われることは想定していたでしょうけど、まさかギターのネックに使われるとは思っていなかったことでしょう。あとはピックガードとかその他全体を拭いて完了です。
そして拭き終わりました。今回の勇者たち。
たいへんきれいになりました。
いや、ギターのクリーニングってこんな簡単でしたっけ?
レモンオイルとかは、メイプル指板には良くないみたいなことを聞いたことがあり、特に使ったことはありませんが、適当にクロスで拭いてみても一切取れなかった汚れが簡単に取れてしまいました。
フレットもきれいになっています。フレットの研磨なんて、マスキングテープで指板を保護しながらやるもので、そもそもうちではできることじゃないと思っていましたし、このストラトも、いつかメンテナンスに出さなきゃなぁなんて考えていたんですが・・・これはすごいです。
そうそう、Gorgomyteのクロス、なんかちょっと変わった独特の匂いがします。良い匂いではないですが、なんか癖になるような香りです。手触りは、油のしみこんだフェルトみたいな感じ。どんな成分を使っているかは分かりませんが、人体には全く影響が無いということですね。海外のフォーラムなんかでは、ココナッツオイルなんじゃないかと言われていたりもするようですが、実際の所は不明。ただ、私はけっこうアレルギー持ちですが、まったく痒くなったりすることもありませんでしたので、安心して使えると思います。
そして、なぜこのクロスがこんなに汚れが落ちるのか考えてみました。このクロスの成分は分かりませんが、何らかのオイル系の成分だということは手触りから推測できます。そのオイルが、うまいこと指板や金属にたまった汚れを浮かすんだと思います。本体のクロスでもある程度取ることができますが、さらに吸着性のあるコットンを使うことで、くまなく汚れを落とせるんじゃないかと思います。
このGorgomeyte開発者のジミー・ジョンソンという人は、ギターテックとしてだけでなく、IATSE Motion Picture Worker’s Unionという団体にも所属しています。この団体は、平たく言えば映画の裏方の組合みたいな感じなんですね。ジミー・ジョンソンは、その中で、映画の特殊効果にもいろいろかかわっているようです。
映画のセットって、たぶんすごい汚れるんだと思います。撮影の合間、短い時間でそれをきれいにすることはとても大切なんじゃないでしょうか。ただの推測にすぎませんが、このGorgomeyte、そういう映画の裏方による汚れ落としのテクニックと、世界的ギターテックとしての経験を合わせて完成したんじゃないかと思ったりしました。
ではでは、最後に弦を張っていきましょう。今回はErnie Ball Cobalt Regular Slinkyを張ってみることにします。鉄とコバルトを合わせた独自技術によって作られる弦で、ピックアップのパワーを最大限に発揮するという弦ですね。.010〜.046の弦を張ります。
6弦です。独特の色をしています。
そういえば、Fenderのペグって一部モデルを除いてこんな形をしていますよね。このペグって、先に弦を切ってから巻かないといけないんですが、その弦の長さってどう決めていますか?
私はこんな感じで、弦をあるていど引っ張って、その先にあるペグに合わせて2〜3ペグ分残して切っています。こうすると長さについて考える必要がないので便利です。
2弦だと、先のペグがもう無いですが・・・
こう、弦をたゆませて長さを測っています。この写真で親指のところが、引っ張ったときに2弦のペグの位置にくるところです。ある程度アバウトでも問題ありません。
弦が張れたら、裏のトレモロカバーも付けます。たぶん多くの方がご存知だと思いますが・・・こういう木ネジも、締めるときにほんのちょっとだけコツがあったりしますね。
簡単なことですが、ネジを穴に合わせたら、そのまま締めるのではなくいったん反時計回りに回します。すると、だいたい半回転以内で、カタっという手応えがあるところがあります。そこから締めていくことで、以前のネジ穴の溝に沿ってネジを締めることができるので、結果的にネジ穴が長持ちします。
そして完成。どこの新品ギターかと思うくらい、見違えるほどきれいになりました。
そして、
これがAFTER。なんということでしょう。
所要時間は20分くらい。はじめなので汚れも多く、全体的に拭きましたので、結果的に最初に作った5×6cmのクロスは両面を使用しました。しかし、これは弦替えのたびにやっていれば、クロス片面でも十分足りそうですね。片面しか使わなかったクロスは、Gorgomyteのパッケージの、ジップ付きのビニールに入れておけばまた使えるということです。これだけの効果があって、しかもけっこう経済的なのは良い感じですね。
Gorgomyteの使い方
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これは本気ですごいです。
アーティストのコメントで、「ありがとうジミー」みたいな感じのがあって、なんだか褒めすぎじゃないかともちょっと思ってたんですが、これは確かにお礼を言いたくなるレベルだと思いました。是非、年末のこの機会、試してみてください。すごいです。
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