北欧、フィンランドに本拠を置く人気エフェクターブランドMad Professor。その多彩なラインナップの中でも初期から製作されているファズペダルに、Fire Red Fuzzというペダルがあります。
今回、そのファズペダルをPCBで製作し、低価格化を実現したペダル「Mad Professor New Fire Red Fuzz」を買ってみましたので、レビューしたいと思います。
トーンバリエーションをもつ新世代FUZZペダル!MAD PROFESSORNew Fire Red Fuzz |
Mad Professor New Fire Red Fuzz
というわけで、こちらがNew Fire Red Fuzzです。新年っぽく、和風な感じの写真にしてみました。
コントロールはVolume、Tone、Fuzzと非常にシンプル。MXRサイズの筐体です。Mad ProfessorのPCBシリーズは、ハンドワイヤードシリーズと比べると筐体がアルミになって軽くなったり、アダプタ端子が違っていたりします。
このように、アダプタ端子が四角く、PCB直付けとなっているのがこのシリーズの見分け方のポイントです。ケース自体も若干四角くなっている感じですね。
シリアル50番!最初期モデルですw
内部はこのとおり、PCB仕様です。
それでは、写真はこんな感じで、レビューしてみたいと思います。
- 操作性
まず操作性についてなんですが、見ての通りのシンプルなスタイルで、アダプタや電池など、特に気をつけるようなポイントもありませんので、何も考えなくてもすぐに使うことができると思います。とても使いやすいペダルです。
- サウンドレポート
では、音について。まずは、少しサンプルを録りましたので、そこから載せて行きます。
サンプルサウンド1(Medium Gain)
- 録音環境
ギター:Fender USA American VIntage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:全ノブ12:00
ギターのヴォリュームを5→10→5と変化させています。
サンプルサウンド2(Low Gain)
- 録音環境
ギター:Fender USA American VIntage 57 Stratocaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Volume=12:00、Tone=2:30、Fuzz=8:00
サンプルサウンド3(Max Gain)
- 録音環境
ギター:Fender USA American VIntage 57 Stratocaster
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Volume=12:00、Tone=11:00、Fuzz=Max
前半はリアPU、後半はフロントPU
音はこんな感じです。基本的に、かなりマフっぽい雰囲気のファズペダルですね。
Fuzzノブが12時あたりでギターのヴォリュームも最大ならば、シングルPUでも音の壁のような厚みのあるサウンドとなります。しかしレスポンスが高いので、ギターのヴォリュームを絞れば簡単にゲインを下げることもできるというペダルですね。
音の質自体は非常に使いやすく、フルゲインではヘヴィなバッキングにもいけるような音です。ディストーションに近い雰囲気がありますが、あくまでもファズサウンド。このあたりもマフっぽい雰囲気を持っています。ゲインを下げれば軽いクランチ的な音も簡単に得られます。
全体的にマフ系な感じのペダルですが、実際弾くともっと軽快で扱いやすい印象がありました。ビッグマフって、現行リイシューモデルはもちろんのこと、Tone Wickerなどにも、全体的に少し重たさを感じさせるところがあります。歪み自体の粘度が高いというか、粘るような印象ですね。ヴィンテージモデル、たとえばラムズヘッドだとそれが少し軽快にはなるんですが、今度はファズ的なジリジリした感じが強くなります(参考:ビッグマフ弾き倉べ)。
しかしこのペダルの場合、あくまでも現代のマフに近いような、ディストーションライクな扱いやすいサウンドのまま音の重々しさが弱まり、音自体の動きが軽く鳴っているように思います。あくまでも「印象」が軽くなっただけで、音そのものは軽いわけでなく、厚みやヘヴィなサウンド自体はそのまま継承されているのもポイントですね。そのため、単音で弾いた時の伸びやかさも失われておらず、同時により聞きやすく、前に出やすい音になっているのが特徴です。
そして、ディストーション的な雰囲気のあるファズでありつつ、当然ディストーションではなく、あくまでもファズサウンドなんですよね。明確にファズらしいサウンドでありながら、ディストーション的な使いやすさ、軽快さと音の厚みを持ったペダルと言えますね。
全体的に、ミッドレンジがけっこう強めに作られているのもこのペダルの特徴だと思います。ファズサウンドってミッドが削れることが多いんですが、そこをあえてミッドを出すことで、オーバードライブのようなトーンを作ることもできるようになっているペダルです。
この操作性の高さは、他のファズペダルではなかなか無いと思います。単純に、ある設定で作ることのできる音だけなら、本家ビッグマフやマフ系のファズペダルでも似た音を作ることができます。しかし、ペダル全体にあるこの高い操作性。とくにギタリストのために作られたようなこの操作感は、けっこうはまると抜け出せないかもしれません。
これまではハンドワイヤードシリーズしかありませんでしたのでとても高価なファズペダルだったんですが、今回PCBになったことで、より手頃になっているのも良い感じ。ハンドワイヤードモデルの方が若干クラシカルなファズっぽさがあるということですが、音そのものはほとんど同じだそうですね。
なんとなく、出たなら買ってみるかという感じで買ってみたペダルなんですが・・・これほどのものだとは思いませんでした。先日スタジオでもマーシャルで弾いてみましたが、やはりこの使いやすさは変わりませんでした。
これは是非、試してみてください。このペダル、すごいです。
サンプルムービー
サンプルムービー2
【ファズ】MAD PROFESSOR New Fire Red Fuzz |
人気blogランキングへ