ギターでミクが歌う!コンパクト・エフェクターMIKU STOMPKORG/MIKUSTOMP【初音ミク】【エフェ... |
「KORG Miku Stomp」は、世界初のボーカロイドエフェクターです。初音ミクのエンジンを内蔵したペダルですね。
では、レポートしてみたいと思います。
KORG Miku Stomp
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仕組みとしては、特に公表されているわけではないんですが、おそらくG2Mやi2Mのような、MIDI検出機構を内蔵し、検出したMIDIを初音ミクを音源として出力する、ギターシンセペダルの1種といえると思います。
今回は単体での試奏だけでなく、別のエフェクトも組み合わせて弾いてみました。レポートしてみます。
- セッティング
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KORG Miku Stomp
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セッティングはこんな感じです。コンプとリバーブは、後から追加させてもらいました。
- 操作性
操作性ですが、1ノブのペダルなので本体の設定自体は何も考えなくて良いと思います。歌詞の入力アプリは触っていないので分かりません。このペダルに関しては、本体の操作よりもギター側の操作で少しコツがいるように思いました。そちらはサウンドレポートの方で述べてみたいと思います。
- サウンドレポート
音の方、見てみましょう。まず、最初はMiku Stomp単体での音出しを行いました。ストラトで、私は試奏の際は基本的にリアPUを使います。ギター側のノブはフルテンが基本です。いつもどおり、そんな感じで弾き始めたんですが、少し反応が鈍く感じました。弾いた音に対して声が遅れてくるという、いっこく堂が間に入ったような・・・とまでは言いませんが、所謂レイテンシが少し多いように感じました。
おそらくピッキングアタックが解析できていないんだと思い、MIDIコンバータでより安定した音を出す基本となる、「トーンを絞ったフロントピックアップ」に切り替えたところ、かなり自然に発声を出すことができました。この感じはオクターブファズでオクターブアップを上手く出そうとするのと似ています。なお、ギター側のPUを切り替えても、出て来る音は変わりません。やはり内部でMIDIに変換しているので、音程情報のみが内部の音源に伝わっていると考えて良さそうです。
で、かなり良い感じにはなったものの、まだ少しレイテンシが残っているように思います。もしかしたらウクレレ用フェルトピックのような、非常に柔らかいピックを使うと、さらに改善するかもしれませんが、試奏環境には無かったので試していません。
で、じゃあエフェクターを組み合わせてみよう、ということで、音を安定化させるために思いついたのがコンプレッサーです。オーバードライブなども音は安定しますが、仕組みがMIDIで音程を検出しているとすれば倍音成分を拾う可能性があるため、コンプレッサーが良いと思いました。あと残響を付けたくなったので、リバーブも後に接続してみました。
リバーブは後にして、まずはコンプレッサー。これは非常に効果的です。出て来る音がかなり安定しており、レイテンシも若干抑えられます。ただ、設定によっては「アタックの瞬間」と「コンプレッションの効き始め」をそれぞれ別の音として認識してしまい、「にゃ、にゃーーーーん」みたいな、どもったような感じになることもあるようですのでそこは注意が必要ですね。なるべくアタックは弱くピッキングすることが大事です。
あと今回は3シングルのストラトだったんですが、ハムバッカーだとより安定感も増すんじゃないかと思います。出来るだけ太く、音の安定した機材を使うことが良いですね。そういう意味では、キーボードやシンセサイザーを接続するとより良いのかも知れません。
ギターのヴィブラートやチョーキングにはけっこう反応します。実際の歌声のようにヴィブラートをかけたり、しゃくりをいれたりするようなことはできますが、グリッサンドはやめた方が良さそうです。グリスの始めを音程として認識するため、不自然な感じになります。
そして、リバーブ。どうしてもやりたかった「Shimmer Reverb」をかけて少し試させてもらいました。
かなり良いです。ただでさえ天使のミクがエンジェルヴォイスを身につけ・・・みたいな感じになります。Shimmerリバーブは、リバーブサウンドにオクターブ上の音をかけるもの。音自体はけっこう無機質な感じなので、Shimmerにはいるオクターブ上の音は「声」というよりも「シンセサイザー」と言う方が正しいですが、荘厳な雰囲気を出すには丁度良いと思います。
他に、ディレイやピッチシフター/ハーモナイザーは特に相性がよさそうだと思いました。逆にオクターブ下げたり、歪みを加えたりしても楽しいかも知れません。デスヴォイスなミク、みたいなことができるかもです。エンジェルヴォイスならぬ、アンジェラヴォイスになるかも?w
そんな感じで、かなり遊べるペダルなのは間違いありません。発声というか、「滑舌」はあまりよく無いんですが、まぁミクならだいたいそんなもんかもです。詳細に歌の癖などを設定する、いわゆる「調教」はできないので、基本的にスタンダードなミクのまま、という感じになります。
思ったのは、ギターヴォーカルにも最適なペダルだということです。ギタリストがいて、自分はギターヴォーカルってときに歌に合わせてハモリやバックコーラスを入れるような使い方は簡単にできます。ミクを主役にしてヴォーカルレスでライブをする、というよりも、サブヴォーカリスト的な立ち位置で使うのが最も正統派な使い方かな、と思いました。
和音には対応していませんので、コードとかを弾くと変な感じになります。あえて変な感じにしたり、リングモジュレーターをかけたりするのもおもしろいかもです。また、入力された音の音程を検出し、ミクの声にして出力するという仕様のためON時にドライ音はでません。必要ならABYボックス等で信号ラインを分ける必要があります。
逆に、ドライ音が出ない、という特性を使えば、例えばケーブルに何も接続せず、プラグを触ったりそこらの金属に触れたりする、通常はやってはいけないようなことをしても、「ミクの声」として出力されるようなので、そういう変わった使い方なんかも出来るかも知れません。(試奏終了時、どうやら間違えたらしくエフェクトONのままケーブルを抜いていて、「にゃん」とか言ってましたw)
というわけで、KORG Miku Stompの試奏レポートでした。面白いので、是非入手してみたいと思います。その時にはまたサンプルなども録ってみたいですね。ただ、現状かなり生産が遅れているらしく、しばらくはなかなか手に入りにくい状態が続くかも知れません。もし見かけたら是非試してみてください。
サンプルムービー
サンプルムービー2
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