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宅録+おうちミックスでギターの音圧を上げてみよう! Part.2 〜ミックスでさらに音圧を〜


まさかのパート2になりました。昨日書いた、宅録+おうちミックスでギターの音圧を上げてみよう!という記事の続きになります。
昨日の記事では、ギターサウンドを簡単に音圧を上げてみようということをコンセプトに、決まったリズムトラックの上にギターを2本載せて、マスタリングだけで音圧を高めてみました。バンドのデモ音源を作る上で、どうしても音圧が出ない、という時にマスタリングで簡単に変えられるということを伝えたかったためです。
ちょっとだけおさらいすると・・・

こんな感じで、単にギターを録っただけの音に比べ、音圧をかなり高めることができました。レコーディングの手法としてはコンプレッサーペダルを使ったり重ね録りをする、そしてマスタリングではプラグインをいろいろ使って音圧を高めました。
では、もっともっとラウドで音圧の高いトラックを作ることはできないでしょうか。昨日の記事ではあえて行わなかった、より細かなミックスによる音圧上昇を行ってみましょう。今回も使用するのはCubaseに最初から入っているプラグインと、Waves Diamondに収録されたプラグインが基本です。

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音圧を上げる。そのために必要なことのポイントは、楽器のバランスを取ることです。鳴っている位置(定位)のバランス、そして楽器ごとの周波数バランスです。楽器の位置と周波数のバランスがとれれば、それぞれの楽器の音量を高めることができ、音圧の高い楽曲が仕上がります。これを念頭に、音圧を高めていきます。そう、今回のミックスはまさに音圧至上主義。あえてかなりラウドなサウンドを目指して行きます。
それではまず、昨日の段階で「完成した」としたトラック、先ほども載せましたが、改めて載せます。

個人的にはけっこう好きな音。このトラックを基本に、音圧を高めていきます。このトラックを聴いて思うのは、リズムが弱いということ。ギターの音圧を上げることを念頭にレコーディングとマスタリングを行ったため、ちょっと腰高になっています。まずはリズムをなんとかしましょう。このときに使ったリズムは、以下のものでした。

  • バッキングトラック


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昨日の記事では、ギターの音圧を分かりやすくするため、基本のバッキングトラックはオーディオミックスダウン(つまり音声ファイル化)したものを使用していました。しかし、このトラックは元はVSTi(ソフトウェア音源)のxln audioのAddictive Drums(初代)とSPECTRASONICS TRILIANを使ったものです。なので、まずはこのバッキングを、音声ファイルのトラックからMIDIのトラックに戻します。そして、それらをより細かく編集していきます。
では、どう変わったのか、先に聴いてみましょう。

  • 音圧を上げたリズムトラック


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先ほどの「バッキングトラック」と比べて音の重さが圧倒的に変わっているのが分かると思います。昨日の音源では1つのステレオトラックだったものを、9つのトラックに分けて細かく編集をした結果です。9つのトラックの内訳は、バスドラム、バスドラム、スネア、スネア、ハイハット、シンバル1、シンバル2、ベース、ベースです。MIDIで作られたトラックなので、必要な音色だけを残してコピーするのも簡単ですね。まずドラムですが、実際のドラムレコーディングでも数多くのマイクを使って録るので、それを再現した形です。今回は使っていませんが、ここにマスターのドラムトラックにリバーブを少しかけてエアーを録るマイクをイメージしたトラックを付けてみるのも良いかもしれませんね。
上の画像の通り、各トラックの定位とフェーダーのバランスも調整しています。この部分は楽曲ごとにバランスの位置や音量の違いがあるので、特に述べません。楽曲に合わせて調整するのが良いです。ただし、バスドラムとベースはセンター、もしくはほぼセンター付近に置く、ということは基本です。あとは他の楽器と場所や帯域がかぶらないよう、位置を調整します。

なぜトラックを分ける必要があるのでしょうか。通常、ドラム音源のVSTiは、このようにもともとドラムセットの各キットごとに定位や音量などを調整することができます。そのため、それだけでも十分に定位や音のバランスを調整することができます。また、このVSTiの中でエフェクトをかけることもできます。しかし、トラックを分けると、より高い自由度で様々なプラグインエフェクトをかけることができるようになります。そのため、打ち込みでドラムトラックを作ったとき、より高いレベルでミックスをするためには、こうしてキットごとにトラックを分ける方が良いと思います。
さて、今回は勢いのあるパンクなトラックです。ラウドなサウンドを作るために、まずはバスドラムの音を作ってみましょう。リズムトラックに関しては、説明もさらっといきます。

そして出来たのがこちら。バスドラムで不要な高域をカットし、厚みのある倍音成分を作るハイミッドを強調したEQをかけてみました。そして、画像左に並んでいるのが使ったプラグインエフェクトです。まずはWAVES MaxxBass。これは太い低域を作るプラグインです。REQ6はWAVES Renaissance Maxxなどにはいっている6バンドEQです。そして昨日の記事でも使った、音を広げるS1 Stereo Imager、最後にWAVES L3で音圧を高めています。そして、バスドラムのトラックは2つありますが、もう1つは昨日の記事でギターのダブリングに使った手法を応用し、バスドラをダブリングしてより太くしています。
続いてスネア。これも大事ですね。スネアも2つのトラックを使っています。こちらはダブリングではなく、単にトラックをコピーして使いました。まずはメインのトラックがこんな感じ。

そしてもう1つのトラックはこんな感じです。

両トラックともにかけているプラグインは同じ、片方にだけEQをかけて合わせています。ドンシャリなEQがかかっていますが、スネアの基本となる音と上の派手な倍音を強調するため、EQをかけたトラックを同時にならしています。イメージとしてはEQのクリーンミックスみたいな感じですね。
スネアはラウドなギターの中でも音をしっかり出すため、プラグインも多めです。まずは「CLA-76」。これはDiamondには入っておらず、WAVES CLA Classic Compressorsなどの中に入っているプラグインです。私は単体で買いました。いわゆる1176コンプレッサーを再現したものですね。そして、先ほども出てきたREQ6、S1 Stereo Imager、L3と続き、さらにQ8 Monoという8バンドEQをかけ、最後にL1を加えています。L1とかL3は音圧を上げるリミッター系プラグインなわけですが、音圧を一気に高めるよりも複数のリミッターを重ね掛けする方が音質を保ちながら音圧を高めやすいんですね。また、それぞれの前にEQで音のバランスを補正している、というやり方をしています。これもイメージとしては、軽いオーバードライブを重ねて重たい歪みを作る、みたいな感じです。
続いてハイハットとシンバル。これらは全て共通の設定で使っています。

先ほどから何度も出ている、REQ6、S1 Stereo Imager、L3のコンボです。元々の音源が作るシンバルの音がけっこう派手で好みなので、ここはほとんどいじらず、楽曲内でのバランスと音圧だけを上げました。

次はベースですね。これも2つトラックがありますが、ベースに関しては昨日使用したリズムトラックでも2つのトラックを合わせて使っていました。


2つのベーストラックはこんな感じ。両方に共通するのがS1 Stereo Imager、L3で、これは音を広げて音圧を高めるものですね。上のトラックではその後に低域を太くするWAVES MaxxBassを入れています。下のトラックは、最初にTSE X30というフリーのプラグイン(ENGL Tube Preampを再現したもの)を入れてベースに歪みを加えています。クリーンと歪みのトラックを合わせて、ベースアンプで歪ませつつクリーンミックスしたみたいな音を作っています。
 
では、もう一度昨日のリズムトラックと新たに編集したリズムトラックを聞き比べてみましょう。

若くて勢いのあるメロコア系バンドから、スキンヘッドとタトゥーまみれ、腕の太さが倍ぐらいあるハードコアバンドみたいな音に変わりました。ミックス次第でこんな風に楽曲を変えていけるわけですね。
 
さて、リズムが太くなったので、次はギターの音圧もさらに上げましょう。まずは昨日のおさらいです。

完成品の方のギタートラックは昨日は載せていませんでしたね。ダブリングをしていない方のトラックです。昨日のリズムにはこのギターの方がバランスが良くなっていました。しかし、先ほどのミックスで腕の太さが倍になったリズムの前では、このギターは貧弱です。さらに音圧を上げましょう。リズムトラック同様、まず結果を載せると・・・

  • 音圧を上げたギタートラック


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こうなりました。ギター単体で聴くと、昨日の完成品のトラックの方が音として良いような気がしますが、ミックスの場合は全て合わさった時が重要なので、そこはあまり気にしないようにします。で、ギタートラックは4つのトラックを使用。これは昨日の記事でダブリングとして使ったトラックをベースとしているためです。ダブリングの定位を変更し、フェーダーの調整も行いました。そして、各トラックにもエフェクトを追加しています。ギタートラックは昨日の記事では一切プラグイン等を使用していなかったので、プラグインでギターサウンドがどう変わったかというのも分かりやすいと思います。ミキサーの画像で上の方に並んでいるのが使用したプラグインと接続順ですね。
まずはレスポールのメイントラックから

レスポールのトラックにはこの3つのプラグインをかけています。接続順は、音圧を上げるリミッター、WAVES L2(画像右下)、続いてステレオの広がりを変えるS1 Stereo Shuffler(画像右上)。これはここまで使ってきたStereo Imagerに低域の出方を変えるShuffleとFreqコントロールが追加されたものです。より細かく音をいじれます。ギターサウンドはこだわりたいのでこれを使いました。そして最後にQ10(画像左)という10バンドパラメトリックEQ。ここでは6バンドだけ使っています。リズムとかぶる低域を少し減らして、あとは全体の帯域をブーストしています。
次にストラトのトラックです。

使っているプラグインは同じ、ですが接続順が違います。ストラトのトラックは、まずQ10でイコライジングをかけています。レスポールが太いので、ストラトはそれを補完するべく、低域を大きくカットし、高域にかけてシングルコイルならではの倍音成分を強めに出す設定。続いてL2で音圧を上げたら、最後にS1 Stereo Shufflerで音を広げています。このように、接続順もいろいろ変えつつ、音を作っていけるのはミックスも、ギターそのものの音作りも同じですね。
最後にダブリングのトラック。レスポール、ストラト共に同じ設定のプラグインを入れています。

それがこちら。接続順は、まずはDoublerですね。画像左下がそれです。これは昨日の記事で行ったダブリングの設定と同じです。続いてL1。L2やL3同様、音圧を上げるものです。画像右下ですね。L1は一番音が変わるんですが、その音も元気が良くなる感じに変わるので、サブとなるダブリングのギターに使ってみました。続いておなじみ、S1 Stereo Imager。画像右上です。そして最後に画像左上のQ10イコライザー。EQはほぼフラットですが、ちょっと低域のかぶるところをへらして、高域の欲しいところを上げています。このへんの位置は楽曲ごとに聞きながら調整するしかないですね。
 
さて、ギターサウンドの調整も終わりました。こうして出来たのが、先ほどのミックスという訳ですね。もう一度聴いてみましょう。

やっぱりかなりやり過ぎ感のある音になりましたね。ちなみに、このミックスではリズムに合わせながらギターサウンドを作っているので、ギター単体で抜き出して聞くことは想定していません。ということで、ちゃんとリズムと合わせて聞いてみましょう。

  • 最終的に完成したトラック


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こちらがそのトラックです。ミックスを行ったら、最後にマスタリングが待っていますが、その部分に関しては基本的に昨日の記事で行ったマスタリングをそのまま使っています。ただ、1つだけプラグインを追加しました。
それがこの画像に載っている、「WLM Plus Loudness Meter」というプラグイン。ラウドネスメーターといって、放送局なんかで使われる、人間の聴覚上のうるささを計測する指標のメーターですね。これは画像として見せるためにおもしろいかな、と思って入れたプラグインですが、よく見るとGAINっていうパラメータがあるわけですよ。なので、これを上げ、全体的にラウドネスさも高めました。
さて、では改めて、最初のトラック、マスタリングを施したトラック、細部までミックスしたトラックを聞き比べてみましょう。

かなりゴリゴリのラウドロックに仕上がりました。最初に述べたとおり、今回は音圧至上主義のミックス。なので音圧が高いことが正義という観点からミックスをしています。ちなみに波形を見てみると・・・

  • 最初のトラックの波形


  • 昨日の完成トラック(ダブリングあり)の波形


  • 細部までミックスして音圧を高めた波形


ここまで音圧が高まると、波形でも分かりやすくなりますね。波形が塗りつぶされてしまっています。それだけ密度が高く音が出ていることを示しています。
 

  • ミックスと音圧

さて、今回のミックスのように、音圧至上主義でミックスすると、弊害なども出てきます。何度か書いているとおり、ギターサウンドが単体で聞くと破綻してしまっているというように、ただただ音圧を上げるだけ上げると、こんどは楽器の音が大きく変わってしまうことがあります。もちろん、それでも最終的にミックスした楽曲の音が良ければ良いんですが、ジャンルによってはそれが致命的な音の崩れとなってしまうこともあるということですね。
また、今回みたいな短いデモならともかく、楽曲全体で音圧を求めすぎると、表現力が失われてしまいます。必要なところは音圧を上げ、不要なところは音圧を下げるメリハリが大事ですね。たとえば今回のトラックもこの極厚でラウドな音はイントロに使い、ヴォーカルが載るところは昨日の完成トラックレベルの音圧で抑える、などといったことで楽曲に動きが生まれると思います。
DAWはトラックも簡単に追加できるので、楽曲の展開ごとに新しいトラックを作ってそれぞれ違った処理を行うのも良いですし、オートメーションと言って、楽曲の再生位置に合わせてフェーダーやPAN(定位)他各プラグインの様々なパラメータを動かすことも簡単にできます。たとえばマスタリングに入れたエフェクトは全てのトラックに適応されますが、それだって楽曲の展開に合わせてONにするエフェクトやパラメータを変えられるわけです。やろうと思えばギターの1音1音ごとにコンプレッサーのかかりを調整することすらできます。
楽にどかんと音圧を上げるのも、細かく調整を重ねて楽曲の表現力を高めるのも、求めるものに合わせて使い分けることが大事。ミックスに正解はなく、ただただ自由なんです。
そして、プラグインエフェクトとかミックスとか、何か難しそう、取っつきにくそうと思う人もいると思います。たしかに、出来ることが多すぎて最初は意味が分からないと思います。でもやってみると、これが面白いんですよ。特にギターの音作りを楽しめる人なら、ミックスも楽しめると思います。楽曲全体の音作りを自分でできるわけですから。
現代の楽曲は、総じて音圧が高いです。人は大きな音に反応しますから、音圧が高いということは、それだけ目立つ、ということでもあります。そういう意味では、高い音圧のミックスが出来るということはとても重要なことです。
一方で、こんどは音圧を上げすぎず、一息つくというか、力を抜くところを見極めて抜く、というのが大切になってくると思います。私もまだまだミックスの勉強をはじめたばかりなので偉そうなことを言うつもりはありませんが、やはりそこの見極めというか、センスがミックスやマスタリングを行う上で大事なこととなってくるんだと思います。

  • 今回紹介したフリープラグイン

では、最後に。昨日の記事、宅録+おうちミックスでギターの音圧を上げてみよう!と今日の記事で出てきたフリープラグインをまとめて載せておきます。フリーというだけあって、無料で使えます。良ければ使ってみてください。

 
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