今のマルチエフェクターをまとめるシリーズ、マルチエフェクター特集。今回は最上位クラスとなる10万円を越えるモデルを見てみましょう。
Part.1では3万円まで、Part.2では10万円までのモデルをまとめてみました。これまでもいろいろなモデルがありましたが、今はよりこだわりを強めたモデルが増えつつあります。今回はそんなモデルとなります。
価格は変動するものですし、お店によって違います。一応一般的なお店での価格を中心に分けていますが、場合によって価格帯が変わることや別の価格帯で販売されていることもあります。
また、同価格帯内での掲載順はブランド名順となっています。全モデルを掲載するのは難しいので、今一般的に販売されている、または人気のモデルを中心に載せています。
では、いってみましょう。
- 〜¥200,000まで
では、まずはいわゆる「10万円台」のモデル。20万円までのモデルを見てみましょう。各社最高峰モデルや、より上位モデルの機能制限版などがラインナップされています。
Atomic Amplifire 12
デュアルDSPのハイクオリティアンプモデリングに加え、ドライブ、モジュレーション、ディレイ、 リバーブ、EQ、ノイズゲートなど14種類のエフェクトも搭載しています。プリセットは128種類。MIDIでコントロールすることも可能。
コントロールはAtomic Amps AMPLIFIRE PEDALと同様、Gain、Master、Presence、Bass、Mid、TrebleとLevelコントロール、さらにプリセットやパラメータの値を設定するノブ、ディスプレイ、SAVEと左右のカーソルキーとなっています。入出力端子はギターインプット、エフェクトループ/AUXインプット、2つのエクスプレッションペダル端子、MIDI IN、OUT、ヘッドフォン端子、XLRのステレオAUXアウトプット、ステレオメインアウトプット、USBとDC端子となっています。
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Fractal Audio Systems FX8 MarkII
本体には1〜8とF1〜F3フットスイッチを搭載。最大128のプリセットを保存できるマルチエフェクトで、20種類以上のハイクオリティな「エフェクトブロック」の中から8つまでを同時に使うことができます。また、グローバルヴォリュームと10バンドのグローバルEQを搭載し、全体のサウンドを整えたり設定することができます。もちろんボリュームは外部エクスプレッションペダルなどでコントロール可能。エフェクトブロックは、さらに中に複数のエフェクトがあり、その中から好きなサウンドを1つ選択して使用可能。全て直列、並列で接続できます。PC/Mac上から各パラメータの編集やファームウェアアップデートができます。入出力系はプリとポストの2つに分かれた構造。つまりアンプの前とエフェクトループを1台でまとめて管理することができます。プリは1In2Out、ポストは2In2Outです。さらにPedal端子を2つ、Relay端子を2つ装備。それぞれTRS(ステレオ)端子で、エクスプレッションペダルによるコントロールや外部フットスイッチを接続し、より詳細なリアルタイムコントロールが可能となっています。さらにUSBとMIDI IN/OUTを搭載。
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HeadRush Pedalboard
270種類のファクトリープリセットを収録。12のフットスイッチとエクスプレッションペダルには様々な機能を割り当てて使うことが可能。また、7インチタッチパネルディスプレイを搭載し、モデリングエフェクトの接続などを自在に、感覚的に設定することができます。また、プリセットをまとめてセットできるセットリストという機能があり、ステージに合わせてプリセットを並べることができます。プリセット切り替えでも音が途切れないよう設計されています。
入出力端子は、インプット、エクスプレッション2、アンプ/ラインレベル切り替えのできるステレオアウト、ヘッドフォンアウト、ステレオXLRアウト、ストンプ/ラインレベル切り替えのできるフルステレオエフェクトループ、MIDI IN/OUT、USB端子となっています。USBはオーディオインターフェース機能も搭載。ファームウェアアップデートも行えます。
イントロダクションムービー
Line6 Helix LT
62アンプ、37キャビネット、16マイク、104エフェクトを収録し、それらを自在にルーティング可能。これは上位モデルと同じ内容。12のフットスイッチを備えたモデルです。入出力端子はギターインプット、フルステレオのエフェクトループを1系統、ステレオアウトプット、ステレオXLRアウトプット、VARIAX端子、AES/EBU端子、EXP端子、MIDI IN/OUT、そしてUSB端子となっています。
オーバービュームービー
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サンプルムービー2
Line6 Helix Rack
デュアルDSPでクラシックからモダンまで、アンプ、キャビネット、マイク、エフェクトを忠実に再現するという新しい「HXモデリングエンジン」を用いたハイクオリティエフェクトやモデリング、そしてシステム全体を管理できる多彩な入出力端子、機能を搭載。4系統のディスクリートステレオシグナルパスによる内部の自在なシグナルラインの構成を実現。45種類のアンプ、30種類のキャビネット、16種類のマイク、70種類のエフェクトを収録。入出力端子にはフロントパネルにはギターインプットとヘッドフォンアウトを搭載。そしてリアパネルには、AUX INとMIC INのアナログインプット、4系統のエフェクトループ、グラウンドリフト付ステレオXLRアウト、ステレオモノラルアウト、バッファを通るギタースルー端子、3つのエクスプレッションペダルとエクスプレッションペダル用スイッチ端子、外部アンプコントロールアウト、CVアウト、MIDI IN/OUT、HELIX CONTROL端子、VARIAX端子、ワードクロックインプット(ターミネータースイッチ付)、S/PDIFのデジタルIN/OUT、AES/EBUのデジタルイン/アウト(アウトはL6 LINKとしても動作)、USB端子を装備。様々なシステムに対応して使うことができます。
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Positive Grid Bias Head
そして、本体には多彩なパラメータを設定可能。プリアンプの作りを設定するセクションには5段階のステージ、Bright/Normal切り替えスイッチ、Distortionコントロールを搭載。パワーアンプをイメージするセクションにはアンプの“トポロジー”をSingle Ended、Split Loud、Push Pull、Solid Stateから選択可能。つまりアンプの構造をイメージして選択できます。それとPower Ampコントロールを搭載します。さらにカスタムパラメータとキャビネットシミュレータのON/OFFスイッチがあります。これでアンプ全体の特性を調整します。そして、上段のノブで調整したアンプを、さらに下段のGain、Bass、Middle、Treble、Presence、Master、OutputとModern、Vintageの切り替えスイッチで操作することができるというコントロール構成となっています。
背面には4〜16Ωのスピーカーアウト、グラウンドリフトスイッチ付のエフェクトループ、ヘッドフォンアウト、グラウンドリフトスイッチ付のステレオアンバランスドアウトとXLRバランスドアウトをそれぞれ搭載。さらにMIDI IN、OUT、THRU端子と2つのフットスイッチ端子、USB端子、Bluetoothの状態を表示するワイヤレスインジケータ(BIAS iPad / BIAS iPhoneとの接続に使います。)、パラレル/シリアルモードの切り替えスイッチ(ドライシグナルを別途出力する場合はパラレルモードを選択)、フットスイッチのキャリブレーションスイッチを搭載しています。
アンプ本体はUSBやBluetoothでBias AmpシリーズのソフトウェアやBIAS iPad / BIAS iPhoneを使用して同期可能。
各アンプタイプ内に設定できる5種類のアンプモデルの中には、「マイク収録のアンプや録音済のトラックのサウンド」のサウンドにマッチさせたサウンド、アンプマッチのサウンドを設定することも可能。また、全世界のユーザーが設定したアンプサウンドや、公式のプロアーティストによるアンプモデルをダウンロードすることもできます。
Positive Grid Bias Rack
Positive Grid Bias Head DSP
Positive Grid Bias Rack Processor
TC Electronic G-System
G-Systemはフットコントローラーと1Uラックのセットとなっていて、フットスイッチ内部にラックを搭載して使うことも、ラック部だけを分離して使うこともできます。空間系やEQを中心とした25種類のエフェクトを収録し、それらを9種類まで同時使用可能。またエフェクトループを4つ備え、他のコンパクトエフェクターと同時に使うことができます。
インプット、ステレオアウト、4つのエフェクトループと2つのインサート端子、4つのDC OUT、SW OUT、PEDAL IN(Vol/EXP)、MIDI IN/OUT、USB、S/PDIFデジタルアウトを搭載しています。
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BOSS GT-1000
また、発売前ですがおそらくこの価格帯に出るであろう新作、BOSSの次期最上位モデルも発表されています。
詳細はこちら
- ¥200,000〜
そして、まさに最高峰モデルとなるマルチエフェクターがラインナップされる価格帯です。
Fractal Audio Systems Axe-Fx II XL+
258アンプモデルや189キャビネットモデルなど、数多くのアンプシミュレーターに加え、多数のエフェクトを収録。全てのクオリティが最上位クラスです。それらを768プリセットまで保存でき、各プリセットごとに8つのシーンを設定可能。
入出力端子も豊富で、INSTR、PHONES、L/Rインプット、L/RアウトプットおよびXLR L/Rアウトプット、L/Rアウトプット(SEND)アンバランスド、L/Rインプット(RETURN)バランスド、デジタルI/O AES/EBUとS/PDIF、USB、MIDI IN、OUT/THRU、MIDI IN Phantom Power、MFC、PEDALとなっています。
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Fractal Audio Systems AX8
エフェクトも強力で、29以上のドライブペダル、19のリバーブアルゴリズム、ワーミー、コーラス、EQ、ディレイなど多彩なエフェクトを使うことができます。
1つのブロックにXYスイッチング機構を備え、2種類の全く違うセッティングを設定可能。プリセットは512と膨大で、それらは4x12の「シーン」という形で呼び出すことができます。そして多彩なパラメータを外部エクスプレッションペダルからリアルタイムにコントロールすることもできます。
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Kemper Profiling Amplifier
コントロール系は大まかに、本体の上の方でエフェクトとかアンプのミックスとかを設定、下の方でアンプのプロファイリングや調整を行う、という感じです。構造として、アンプセクション、EQセクション、エフェクトセクション、キャビネットセクションに分かれていて、それぞれを組み合わせて音を作っていく感じですね。そして入出力端子が非常に豊富になっています。2つのアナログインプットに、ステレオメインアウト、モニターアウト、ヘッドフォンアウト、そしてセンドリターンも搭載。MIDI端子、外部スイッチ/ペダル端子、RL45ネットワーク端子(LAN)、USB端子・・・これらはアンプのコントロールに使用する端子です。そして、S/PDIFデジタルIN/OUTを備えています。
Kemper Profiling Amplifier Rack
Kemper Profiling Power Head
Line6 Helix
クラシックからモダンまで、アンプ、キャビネット、マイク、エフェクトを忠実に再現するという新しい「HXモデリングエンジン」を用いたハイクオリティエフェクトやモデリング、そしてシステム全体を管理できる多彩な入出力端子、機能を搭載しています。
デュアルDSPを搭載し、4系統のディスクリートステレオシグナルパスによる内部の自在なシグナルラインの構成を実現。45種類のアンプ、30種類のキャビネット、16種類のマイク、70種類のエフェクトを収録。タッチパネルを使用する6.2インチ、800×480ピクセルLCDディスプレイを搭載。12のフットスイッチ、PRESET、Tone、Feedback、Key、Scale、Mix、Levelノブと大きなVolume、Phonesコントロールや各種ボタン、エクスプレッションペダルを搭載。入出力端子も多数搭載。ギターインプット、AUXインプット、XLRのマイクインプット、フルステレオのエフェクトループを2系統搭載します。ステレオアウトプット、ステレオXLRアウトプット、VARIAX端子、S/PDIFデジタルアウト、AES/EBU端子、CV、EXP端子2つ、そしてUSB端子を搭載。
USB端子はオーディオインターフェイスとしても使えます。そしてそのオーディオインターフェイスが8in8out。もはやPAやミキサーのような使い方も可能となっています。マイク端子はPhantom電源に対応しています。
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Fractal Audio Axe-Fx III
そして、先日、Axe-Fxの次世代モデルが発表となっています。発売はまだですね。
詳細はこちらです。
ということで、最上位クラスのマルチエフェクターをいろいろ見てみました。
この価格帯になると、それぞれ機能も多く、サウンドクオリティも高くなっています。Axe-Fxの最強さ、Kemperの独自性がとくに目立つ感じにはなっているかと思います。
Part.1はこちら。
Part.2はこちら。
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