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復活したPOD、「Line6 POD Go」はどんなものなのか考える

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今年、2020年1月も、NAMM SHOWにて多数の機材が発表されました。
toy-love.hatenablog.com

そんな中でも特に反響が高く、また実際に人気が出そうだと感じたもの、それは間違いなく「Line6 POD Go」です。
これはいったいどんなものなのか。まだ詳細な内容が示されていない中ですが、ちょっと考えてみたいと思います。
もちろん仕様がちゃんと出ていないものについて勝手に考えているものですので、より細かいことが分かれば「全然違ってる」ってこともあり得ますが、まぁその辺は気軽に見てもらえればと思います。

ではまず、現在出ている情報をまとめてみましょう。

  • クラス最高のパフォーマンス。HXファミリーから抽出したアンプ、キャビ、エフェクトモデルを収録(270以上のHX、Legacyアンプ/エフェクトモデル)
  • カラーディスプレイによる簡単な音作り
  • コンパクト、軽量デザイン
  • 4.3インチカラーLCD搭載
  • エフェクトタイプが一目で分かるカラーフットスイッチLED
  • サードパーティIR使用可能
  • スナップショット機能で音色を簡単切り替え
  • POD Go Editアプリでプリセット編集やバックアップが可能
  • アンプやエフェクトのパラメータを操作できるフットペダル
  • ステレオエフェクトループ、外部EXPペダル/2フットスイッチ接続可能
  • 4ケーブルメソッド対応
  • 4in4out 24bit/96kHzオーディオインターフェイスとして使用でき、レコーディングやリアンプが可能

特徴として挙げられているのはこんな感じ。4ケーブルメソッドは、アンプのインプットとエフェクトループを使ってエフェクトをかけられますよ、ということ。ギター→ペダル→プリアンプ→ペダル(エフェクトループ)→パワーアンプアンプと、4本のケーブルで接続するから4ケーブルメソッド(メソッド=方法)と言います。4CMと略されたりします。Pod Goはエフェクトループ搭載なので、当然できますが、あえてエフェクトループの項目とは別表記にされていますね。
ディスプレイサイズは4.3インチ。HX Stompの画面は5×3.8cmだそうなので、これは2.5インチくらいですから、2倍弱って感じの画面サイズです(画面のサイズは対角線の長さです)。


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入出力端子は、インプット、EXP2(外部エクスプレッションペダルまたはデュアルフットスイッチ)、FX LOOP(TRSステレオ対応でステレオループとしても使用可能)、ステレオアウト、アンプアウト(モノラル出力、Cab/IRを無効にする設定可能)、ヘッドフォン端子、USB端子、電源端子となっています。

多機能を小さく納めるためにTRSステレオ端子によるステレオ対応エフェクトループを搭載したり、通常のアウトプットと別にアンプアウトがあったりするのは操作性をよく考えて作られている印象です。とても使いやすそうですね。一方、MIDI端子は装備されていないので、大きなシステムに組み込むというよりもこれ本体プラスエフェクトループのコンパクトペダルくらいで完結するシステムを考えて作られていることも分かります。

で、現時点でメーカーサイトで確認できる価格が$495.4。HX Stompの海外価格が$799であることを考えると、かなり低価格なモデルです。
この整合性をどう考えるか、というところが、「POD Go」というペダルの立ち位置を考える上でのポイントとなりそうに思います。

では、もうちょっと詳しく考えてみましょう。

PODの歴史

Line6というブランドを考える上で、その歴史で避けては通れないのがPODシリーズです。
Line6は、もともとFast Forward Designsというプロオーディオ機器メーカーでした。1996年にAxSys 212というアンプモデリング技術を搭載したコンボアンプを発売した時にブランド名をLine6と改めています。つまりLine6の歴史は最初からアンプモデリングが関わっています。
PODシリーズの初代モデルは1998年に発売。もともとプロオーディオ機器としてPROTOOLS対応プラグインの制作も行っていたつながりもあったのかもしれませんが、PODは瞬く間にレコーディングスタジオに導入され、アンプモデリングといえばPOD、空豆みたいな形の赤いやつ、というイメージを定着させることに成功、Line6の栄光の歴史が始まります。
2000年には第2世代となるPOD2.0がリリース。より機能を強化したXtは2002年に発売されます。おそらく最もヒットしたPODシリーズがこのXtですね。
2007年、3世代目となるPOD X3がリリース。PODシリーズの中で最もアンプモデリングの数が増えたシリーズです。
そして、この頃から「アナログエフェクター」が今度は強くなってきます。インターネット環境の高速化、SNSの発達がすすみ、情報交換も容易になったことなども後押ししてよりクオリティを高めたハンドメイドエフェクターが席巻。デジタルマルチよりも音が良いとして、多くのギタリストがアナログ回帰へと舵を切り始めました。
その後、2011年に第4世代となったPOD HDでは、それまで膨大になったアンプモデルをいったん全て見直し、収録モデル数を大きく減らしながらもより高いクオリティのサウンドを目指すという方向に行きます。
ちなみに、あくまでも「聞いた話」ではありますが、この頃というか、X3からHDの間やもう少し前くらいから、Line6社内での技術者の流出や独立が起こり、新製品の開発が難航していた、ということがあったそうです。実際に知られるところではWay Hugeのジョージ・トリップスはかなり早い段階でLine6をやめ、Jim Dunlopに移っていますし、現在のStrymonの前身であるDamage Controlは元Line6の技術者がかかわっている(た)とされていますね。余談ですがそのStrymonから独立した技術者が関わっているのがMerisだったりして、この辺はいろいろとあったりするんだろうなと思います。

それはともかく、2011年というのはアンプモデリングでもかなりいろいろとあった年で、Fractal Audio Axe-Fx IIが発売されたり、Kemper ProfilerががNAMMに出展されたり、Positive GridがiOS用のアンプ/エフェクトモデリングアプリ、JamUpをリリースしたりと、「新しいデジタルモデリングの世代」が大きく動きだした年でもあります。

toy-love.hatenablog.com

デジタルモデリング系の歴史についてはこの辺の記事でも書いてますのでよかったら。
で、PODシリーズなんですが、Line6社内でのこともあったり、アナログエフェクターの人気や、新世代アンプモデリングの台頭などに挟まれ、その勢いは目に見えて落ちていきました。

そして2014年、Line6はYAMAHAの子会社となります。今から見れば、これはとても大きなことだったと言えますね。その後Line6はマルチエフェクターをはじめ、各種ラインナップを一新。AMPLIFi FX100などの低価格モデルを発売したかと思えば、2015年にはHelix Floorを発売し、現在まで続く最高峰のアンプモデリング/デジタルマルチエフェクターとして返り咲きを果たしました。

違和感

さて、改めて「POD Go」を見てみましょう。
POD HDが第4世代だったわけですので、この「POD Go」はPODシリーズとしては第5世代となります。「Go」と「5」の発音が似ているのは、もしかしたら偶然ではないかもしれません。YAMAHAという日本企業の傘下にあることもあり、日本語が影響した、というのもどこかにあるのかも、とちょっとだけ思ったりしました。
ただ、モデル名で特に言いたいことはそこではなく、おそらく「小型軽量」で持ち運びやすいということではないかと思います。

でもちょっと待ってくださいね。どう考えても、HX Stompの方が小型軽量なんですよね。

いやもちろん、エクスプレッションペダルを搭載したり、多彩な入出力端子はあります。実は実際のサイズや重さはまだ出ていないんですが、それだけ搭載した中では小型軽量、というのはもちろんあるでしょう。でも、HX Stompがある中で「小型軽量」を前に出すのって、なんか違和感があるように思うんですよね。

もう1つ。POD Goは価格がかなり低く設定されています。ですが、ここまで「あくまで日本国内で言われているものを見る限り」では、HelixやHXシリーズに準ずるモデルのように紹介されています。
ですが、ここで整合性が合わなくなるんです。最上位モデルである「Helix」シリーズはもちろん、その小型版的な位置づけのHX StompHX Effectsは、POD Goよりも高い価格帯のモデルとなっています。デュアルDSPのHelixに対してシングルDSPで機能制限(同時使用可能数やプリセットの制限、アンプモデルを搭載しないという制限など)を行ったのがHXシリーズと考えることができます。
もし、それと同等のサウンド/ソフトウェア上の機能を持ち、さらに完全体のマルチエフェクター(MIDIはないけど)が、価格を下げて発売されるというのはやはり少し変です。

あれ、忘れてない?

さて、先ほどPODは第4世代でHDモデルとなり、そこでいったん途絶えたことを書きました。
POD HDがその後どうなったのかというと、実は実質的な後継モデルがあるんです。それが「Firehawk FX」。
今、Line6のアンプモデルといえばHelixシリーズのHXモデリング、という印象が強くなっていますが、このFirehawk FXに搭載されるアンプモデルは「HDモデリング」。つまりPODシリーズの流れを汲んだ進化モデルと言えます。こちらはMIDIを除いたフル機能のマルチエフェクターであり、またHXシリーズと比べてもかなり低価格に作られているモデルです。それってどこかで聞いたような…?

POD Goの立ち位置

そう考えると、もちろん現時点で完全な情報がないので確定ではありませんが、このPOD GoはFirehawk FXの後継モデル、またはFirehawkとHXシリーズの間に位置するモデルであると考えることができるのではないかと思います。

競合モデル

一方、Line6内での立ち位置とは別に、他のブランドのモデルと比較してみましょう。
同価格帯のライバルモデルとして考えられるのはMooer GE250Hotone Amperoです。両モデルとも、小型であり、現代的なサウンドクオリティを持つモデルとして人気となっています。
これらのペダルと比較されることを想定しているとすれば、「小型軽量」の意味もまた違ってくるのです。そう、「小型、軽量で音が良いマルチエフェクター」という、同じジャンルの製品ですよ、ということを伝えることができるからです。
現状、「ほとんど浸透してない」Firehawkの名前ではなく、あえて歴史と知名度のあるPODの名前を復活させたことも、意味をもってきます。それだけ、この価格帯のマルチエフェクターが激戦である、激戦となる、ということを考えて作られている、そんな風に思えるのです。

だからこその期待

あえてPODの名前を復活させたこと、それはこの機種に対する強い意志が感じられます。
一方で、収録されるアンプモデルやエフェクトがどのようになるのか、とても興味が出てきます。

ここで、メーカーページに記載されている「特徴」の文章を改めて見てみます。今度は原文で。

  • POD Goの場合
    • Including amp, cab, and effects models drawn from the award-winning HX family of processors
    • 270+ HX and legacy amp and effects models

270以上のHXとレガシー(旧Line6モデルのこと)アンプ、エフェクトモデルが収録されている。そしてそれは「HXファミリーのプロセッサー(アワード受賞)から抽出」したものである、ということになります。
まぁ細かい情報を出さないための一時的なものの可能性もありますが、なんかこう、ちょっと回りくどい言い回しになっています。

  • HX Stompの場合
    • 300+ HX amps, cabs, and effects—run up to 6 simultaneously
    • Additional legacy effects library from M13®, M9®, M5®, DL4™, MM4™, FM4™, and DM4™
  • HX Effectsの場合
    • 100+ HX effects for your pedalboard—run up to 9 simultaneously
    • Additional legacy effects library from M13®, M9®, M5®, DL4™, MM4™, FM4™, and DM4™

こうなります。すごいシンプルかつ明確。同時使用可能数までしっかり記載されています。
この違いが何を意味するのか、今のところはまだ分かりません。もしかしたら、本当にHXモデリングやHXエフェクトがそのまま搭載されるのかもしれませんし、実はHXエフェクトは収録エフェクトのほんの一部で、ほとんどはFirehawkシリーズ同様、HDモデリングが主流となっているのかもしれません。

もちろん、いくらなんでも今あるHXシリーズの意味を無くすような中身にはならないと思います。ですが、一方で「POD」の名前を付けるモデルですから、どこまでやってくるんだろう、という期待があります。

長々と書きましたが、POD Go、どんな中身になるのかはかなり楽しみですね。


Line 6 POD Go | Overview & Demo
 
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