徐々に話題性を増してきている国産エフェクターブランド、idea sound product。
イディアサウンドプロダクトと読みます。ビルダーは橋詰氏。ペダルの設計はVOX 元チーフエンジニア、現在はLee Custom AmplifierのLee氏が行っているブランドです。
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こんな感じの人のブランドです。
今回はそのファズペダル、「idea sound product IDEA-FZX ver.1」をレビューしていきます。
ではいきましょう。
idea sound product IDEA-FZX ver.1
こちらがファズのIDEA-FZX ver.1です。
Tone Bender系をベースとして現代的な音色へとアップデートしたペダルです。コントロールノブは左からVolume、Tone、Gain。中央のスイッチは3モードでトランジスタのバイアスを切り替え、右側面にあるのはバッファのON/OFFスイッチとなっています。
フットスイッチには最初からスイッチハットが取り付けられています。また、スイッチのワッシャ部がON/OFFのLEDとなっています。現代的なスタイルですね。
バッファON/OFFはかなり音色も変わったりして面白いです。ワウと組み合わせる際に使ったりとかするだけでなく、積極的に音色を変えるために使うこともできます。
筐体も丁寧に作られていて、ブランド名の下にモデル名がよく見れば書いてあったりします。
- 操作性
見ての通りのシンプルなスタイルなので操作に迷うことはないと思います。ただ、使う環境によって、例えば自宅で小さなアンプを小音量で鳴らしている時と、大音量で鳴らした時の操作の感覚は異なることがあります。これはファズペダル、特にヴィンテージ回路が基本となったファズはだいたいそうなので、「ファズは大音量で」鳴らして使うのが基本と考えると良いと思います。このペダルの場合、中央のバイアスモードスイッチとTONEコントロールはそういうことがあったりすることがありそうな感じでした。これは良いか悪いかではなく、そういう特性である、ということですね。
- サウンドレポート
では、音についてです。
まずは、各コントロールのざっくりとした特性について。Volumeは普通に音量ですね。Gainは0~12時あたりまではあまり大きく音は変わらず、そこから徐々に歪みが強くなっていって、最後の最後に一気に強い歪みとなるタイプです。
Toneはけっこう微細な動き。というかなんだろ、倍音に効いているみたいな感じの動きに感じました。
では、このペダルの特徴の1つでもあるバイアススイッチについて、音を載せてみます。
今回のレビューでは、アンプは全てKemper Profilerで、Bogner Ecstasyのクリーントーンにしています。リバーブだけちょっとかかってます。
こんな感じのRigです。
Biasスイッチ ダウンポジション
ノブ:Volume=14:00、Tone=11:00、Gain=1:00
スイッチ:Buffer=OFF、Bias=Down
ギター:Fender USA American Vintage 57 Strat
ピックアップ:リア
アンプ:Kemper Profiler
リグ:Bogner XTC クリーン
Biasスイッチはダウンポジションが、いわゆる最もバイアスが合った状態となるようです。最もスタンダードで扱いやすいサウンドとなります。ベンダーっぽさのある太めのファズサウンドですね。
Biasスイッチ アップポジション
ノブ:Volume=14:00、Tone=11:00、Gain=1:00
スイッチ:Buffer=OFF、Bias=Up
ギター:Fender USA American Vintage 57 Strat
ピックアップ:リア
アンプ:Kemper Profiler
リグ:Bogner XTC クリーン
スイッチをアップポジションにすると、ちょっとゲート感のあるサウンドになります。音が途切れる感じがありますね。このペダルの不思議なところはここで、強く弾くとゲート感があるんですが、弱く弾くとしっかり伸びます。この「ブチブチ」した音と「自然に伸びるローゲイン~クリーン」をセッティングを変えずに使い分けられるところ。この感覚は新しい感じがします。面白い。
Biasスイッチ ミドルポジション
ノブ:Volume=14:00、Tone=11:00、Gain=1:00
スイッチ:Buffer=OFF、Bias=Middle
ギター:Fender USA American Vintage 57 Strat
ピックアップ:リア
アンプ:Kemper Profiler
リグ:Bogner XTC クリーン
そしてミドルポジション。かなりブチブチ。ベルクロファズ的な風合いがあります。ただ、その中でもやはり弱く弾くと伸びる感じは残っており、ローファイっぽいサウンドでありながらかなりコントローラブルなのは独特です。
また、バッファのON/OFFでも音はかなり変わります。
Bufferスイッチ
ノブ:Volume=14:00、Tone=11:00、Gain=1:00
スイッチ:Buffer=OFF/ON、Bias=Down
ギター:Fender USA American Vintage 57 Strat
ピックアップ:リア
アンプ:Kemper Profiler
リグ:Bogner XTC クリーン
こちらはバッファスイッチのOLN/OFF切り替え。前半はOFF、後半はONです。
ONにした時、無音時にノイズが乗っているのはおそらくうちの環境によるもの。目の前にモニタとかがあったりするので、その辺の影響かと思います。音を出せば特にノイズは出てないですね。
で、ONにした時の音はかなり元気になります。ほとんどブースター的な使い方ができる感じだと思います。
次に、このペダルの特徴がより強く出るセッティングで。
Featured Setting
ノブ:Volume=14:00、Tone=Max、Gain=10:00
スイッチ:Buffer=OFF、Bias=Up
ギター:Fender USA American Vintage 57 Strat
ピックアップ:リア
アンプ:Kemper Profiler
リグ:Bogner XTC クリーン
このアルペジオの音の出方、びっくりしたんですよ。
バイアスをUPにすると、強く弾いたときにゲート感があるのは前述のとおりなんですが、この時ローエンドがちょっと軽くなって、ローファイな感じになります。それをより強調するTONE最大。とはいえストラトのリアPUでもキンキンしすぎないバランスとなっています。
そしてこのアタック。バイアスをUPにしたらアタックが強く出ます。それでアルペジオを弾くと、アタックだけが浮き上がってあとはファズの歪みに溶けていくような感じの音になります。これうまく使うと簡単に”エモい”感じを出せると思います。歪んだ(ゆがんだ)どろどろした感情と、尖った感情を表現しつつ、全体的にローファイでローが軽いので華奢な感じというか、弱々しい感じも出ますね。
これはある程度ファズを、それもスタンダードなタイプだけじゃなくて8ビット系とかベルクロ系も触った人なら分かると思いますが、そういうゲート強めのファズって、使いにくいんですよ。ジリジリした音は簡単に出せるんですが、「それしか出せない」ペダルがほとんど。
ですが、このペダルの場合は簡単にスタンダードなサウンドにすることができるのはもちろん、ゲートがかかったようなサウンドでもちょっと弱めに弾けば音が伸びていくので、手元だけでゲート感をコントロールできるのが本当に面白いです。この感覚はそうそうない感じですね。
かなり面白いファズです。ファズフェイスやマフ系が多い中、ベンダーから作っているのもまた良い感じだと思います。
idea sound product IDEA-FZX ver.1【fuzz】Roland JC-120
idea sound product IDEA-FZX ver.1 サウンドチェック
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