バンドの音を作りたいけど、外に出るのも大変だし、いろんな人と会うのも難しい。マスクして歌なんて歌いたくないし。ということで、全部自宅でやってしまおうという自宅でバンドサウンドを作ってみよう!シリーズ、だいぶ終盤になってきました。
毎回毎回がめっちゃ長い内容ばかりになってしまって…自分で書く上でもある程度は考えていましたけど、毎パート書く度に内容の長さに戦慄しつつやっています。
そんなヘヴィなシリーズのパート1はこちら。
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そして前回は、バンドサウンドの基礎、土台となるドラム、ベースのミックスまでいきましたね。
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今回は、バンドサウンドにとって柱となるヴォーカルのミックスをいきたいと思います。インストバンドの場合はリードパートがそうなりますが、やはり言葉を発する「歌」というパートは、楽曲として特別な位置にあります。
バンドサウンドって言って、その音を聞いたとしてそのほとんどがヴォーカルしか聞いていないです。そして残った中の大半はヴォーカルとリズムしか「聞けて」いないです。
もちろんそれでいいんです。「だから日本は音楽のレベルが~」とか意味のない嘆きをしたいわけではありません。てか日本の音楽レベルは世界的に見ても高いです。義務教育でほぼ全員が音楽に触れているんですから。それでも、まぁ普通はそんなもん、ってことです。
それは逆説的に、リズムとヴォーカルの重要性を物語っています。
つまり、ここはミックスでも特に力を入れるべき場所、ということです。
ヴォーカル。今「自宅でバンドサウンド」という意味では、ヴォーカルは大きく2つに分けられます。生か打ち込みか。つまり歌い手かボカロか…?いや歌い手じゃなくていいですけど、とにかく生の声かボカロなどの合成ヴォーカルか、という違いです。
自宅で生楽器として音を録る上で、バンドの主要パートでいえばギターとベースは楽です。ラインアウトで十分な音質が出る機材が簡単に入手できます。
ドラムは一般的な家庭では不可能に近いでしょう。キットを組む場所すら無いことがほとんどだし、それをマイキングできる環境がどれだけあるのか…でも打ち込みでもかなり良質なドラム音源はあるので、それでなんとかできます。
さてヴォーカルです。ヴォーカルは「録ろうと思えば録れる」んですが、「ちゃんと録るのはすごく難しい」です。自宅ではね。
ヴォーカルを録るために必要なものといえば、マイクですよね。良いマイクがあって、あとはどうにか、時間帯などをうまく使って大声で歌えるタイミングさえあればなんとかなる…いや、本当にそうでしょうか?
「自宅での」ヴォーカル録りで最大の敵はマイクの質でもポップガードでもなく、家です。家の反響。
実は私、かつて…このブログを始めるよりもっと前の話ですが、もともとバンドではヴォーカルパートでして。で、以前「歌ってみた」録ったことがあります。スタジオで録ったことがあったのでその経験を元に、まぁちゃんとしたマイクとマイクプリあれば大丈夫だろうと。
オリジナル曲を作って投稿したいと思っていたので、その上でまず、ヴォーカル録る練習とミックスの練習をしようと思ってやってみたんですけど……
「反響」をナメてました。
何やっても声が濁るし、それをどうにかミックスでやろうとしても無理なもんは無理って感じで。
マイクの前にポップガード、後ろにリフレクションフィルター…こんなんじゃ何も変わらないなって。
一線級の歌ってみたを録る(自分の力量はともかく)ならスタジオに行くか、簡易防音室で、その内側にさらに吸音材を貼るくらいの環境がないとどうしようもないってことが実感として分かって、「ボカロにしよ」って思ったんですよね。
いやミックスの話ですよね?って思いますよね。その話はレコーディングの話だろって。
なので、先に言います。
自宅でとりあえず録ったヴォーカルを「ミックスでプロレベルにしよう」は無理です。
いや、多少はできますよ?でもちゃんと…っていうのは普通のCDクオリティに近づけるなら、少なくとも自室の壁を全部吸音材で埋めてから録るか、防音室用意するか、素直にスタジオ行きましょう。
もしヴォーカルを普通に自宅で録って、ミックスでどうしても納得ができない、なんで声が濁るんだって思うなら、それはもう環境を変えて録り直す方が早いかもしれません。
なのでここでは、ヴォーカルトラックは、デッドな環境でちゃんと録られたもの、として話を進めていきますが、「とりあえず自宅で録ったVo」を元にしてミックスしていっても大丈夫です。
言ってること違うじゃんって思うかもですが、「反響がある中で録られた声」を「デッドな環境で録られたクリアな声にする」のが無理なのであって、とりあえずある程度までならクオリティを高めることはできます。パート2で書いた、ギターの生音と打ち込みの話みたいな感じで、「できる範囲で最高のものを作ってみる」のはとても良いことなのです。
だってせっかく録ったものを使わないのはもったいない。どこまでミックスでできるのかを知る上でも、それでどれだけ音を理想に近づけられるか、というのもある意味ミックスの楽しみですから。
ということで、ミックス入っていきます。
前回にも載せましたが、まずはバス(ステム)トラックはこんな感じにしています。
消しているところは終了した部分。リズム部がなくなるだけでだいぶ減りますね。
- メインヴォーカル
- コーラス
ベースキックスネアタムまとめ太鼓系まとめハイハットその他シンバル・金物シンバルまとめ- リズムギター
- リードギター
- ヴォーカルまとめ
ベースまとめドラムまとめ- ギターまとめ
- その他楽器
今回使うのはメインヴォーカルとコーラス、およびヴォーカルまとめの部分ですね。
- ヴォーカルを整える
最初に、ヴォーカルの元のトラックの素性を整えていきます。ここは波形を動かすところもあるので、バス(ステム)ではなく元トラックもかなり使います。
まずヴォーカルトラックをSOLOにして、「バス(ステム)側で」フェーダーをさげます。
オリジナルトラックは0dBのままにしておきましょう。
それで音がちゃんと聞こえる…うるさすぎたり小さすぎたりしないようにフェーダーを調整したら、いったんバス(ステム)は置いておき、元のトラックに戻ります。
・ピッチを補正する
まずは、ヴォーカルのピッチを補正していきましょう。ピッチ補正は絶対にやらないという信条の人もいると思いますので、その場合は別にやらなくてもいいです。また、もちろん元トラックによって、必要かどうかが異なってきますので、必要であればやる感じで。
ちなみにここでの「ピッチ補正」はエフェクトとしてのピッチコレクトではなく、波形をいじる方です。エフェクトとしてのは後ほど。
ピッチ補正は最上位DAWならけっこう付いていたりします。Cubase ProにはVariAudioという内部機能としてピッチ補正が組み込まれています。Studio One Professionalには連携を高めたMelodyne Essentialが収録されています。Logic Pro XならFlex Pitchがあります。また、DAWとして付属していなくてもピッチ補正プラグインを買えば使えます。(体験版が付属するものはありますね。Cakewalkにも体験版Melodyneついてます。他はちゃんと調べてないので、これにも付いてるよってのがあるかもです。)
ピッチ補正に、コツはあまりありません。あえて言えば根気と、適宜の確認。
今ヴォーカルトラックがSOLOになっていると思いますが、適宜他のトラックをONにしつつ、ピッチを補正した方がよいかどうかを確認しながらやるのが良いですね。熱中しすぎると補正が不要なズレさえも「ズレてる、全部なおしたい」となってしまったりしますので。
・ディエッサーをかける
ピッチ補正が終わったら、通して声を聞いてみます。サ行の前に空気が漏れる音や、パ行の破裂音など、余計な音(歯擦音)が入っていることがあります。これもある程度入っていたりしてもいいですし、どの程度でやるかはそれぞれなんですけど、これはディエッサープラグインを使って抑制してやることができます。
また、場合によっては波形自体で無音化するのもありです。息を吸う音とかも、入れた方がリアルで良いこともあれば、吸う音は全部切って「通常は不可能なほど長く」声をつなげるというのもありです。
ディエッサーをかける場合は、まず歯擦音が激しいところを繰り返し聞きながら、ディエッサーの帯域をあわせていきます。
で、大事なのがディエッサーを「かけっぱなしにしない」こと。ちゃんと声が出ているところではディエッサーを動かす必要はないので、「必要なところだけON」になるようにしましょう。
それはオートメーションでエフェクトのバイパス設定を書くことでできます。オートメーションは音量だけでなく様々なパラメータを自動で動かします。エフェクトON/OFFもその1つですね。後からも簡単に変更できるので、必要だと思うところをONにします(Cubaseの場合、「バイパスする」が「ON」なので、「OFFにする」とエフェクトがかかります…そのへんはDAWごとに合わせて設定しましょう)。
ONにしたらその部分を聞いてみて、さらに全体を聞いてディエッサーが必要なところはないかを確認して、必要そうならまたONにして…をやっていきましょう。
・音量を安定させる
続いて、ヴォーカルの音量を安定させます。これはまず、この「SOLO再生時点」である程度音量を安定させておきましょう。
元トラックのフェーダーを使ったオートメーションでいけます。初めに元トラックのフェーダーは0dBにしておきましょう、と書いたのはこのためです。
どの程度細かく音量を調整するのかはそれぞれです、この時点でほぼ均一にしてもいいし、多少のダイナミクス感を残しても良い、それは楽曲と、狙う効果によります。ただ個人的に、この段階では「特に突出したところを下げる」「特に奥まってしまうところを上げる」というくらいのオートメーションで良いと思います。
このWAVES Vocal Riderのような自動音量補正プラグインを挿すのも手です。バンドルだとHorizon以上になってしまいますが、これは単体で買ってもいいくらい便利。
この時点はある程度で良いと思いますが、特に突出したところは抑えておくとあとでやりやすいです。
・ハモり、バックコーラストラック
ここまでメインヴォーカルトラックにやってきたことと同じです。違いは「SOLO」で作業するのではなく、ヴォーカルトラック全体で作業をすること。
まず、ハモりのトラックとメインヴォーカルトラックを両方SOLOに設定します。そして、コーラスバス(ステム)のフェーダーを下げます。この時、先程のメインヴォーカルと同じ値に下げましょう。
ハモりトラックはスタートの段階で1つ工程があります。パンニングと音量です。
まぁ前回パート5でさんざん、スネアとかタムとかでやった「同パート間の調整」をしておきます。パンニングと、基準のフェーダー位置が決まったら、あとはメインヴォーカルと同じで、ピッチ補正、ディエッサー、音量補正をします。
・ハモりを「作る」
ハモりを録っているならそのまま使えますが、メインヴォーカルトラックからハモりを作ることもあると思います。それは前述のピッチ補正を使います。
まず、ピッチ補正、ディエッサー、音量まで調整が終わっているメインヴォーカルトラックをコピーします。コピーしたら「Cho1」等わかるようトラック名をつけ、多少フェーダーを下げ、ハモりトラックにします。
で、ハモりトラックからピッチ補正を開き、歌のピッチをハモりのピッチに修正します。
その後、ハモりを入れない部分の波形をカットして削除すれば、ハモりトラックの完成です。
さらに、ここで作ったハモりのトラックをコピーし、先程作ったものと今コピーしたものをLRに振ります。メインヴォーカルと重ねて音を出しながら、フェーダーの音量バランスを調整しましょう。
先にメインヴォーカルでのピッチ補正やディエッサー、音量調整を終えているので、ハモりトラック側ではほとんどそれ以上の調整は不要かと思います。必要な場合はそれぞれ行いましょう。
バス(ステム)をメインとハモりで分けていますので、今作ったハモりトラックをChoバス(ステム)にアウトプットするよう設定すれば、ハモりトラックの完成です。
・ボカロの場合
ボカロ他、合成音声系ヴォーカルの場合ですが、こちらはすでにメインヴォーカル、ハモりまでがまとめてバウンスされていると思います。
基本的なやり方は同じなんですが、ボカロの場合は「基本的に」ピッチ補正が不要です。どうしてもピッチを動かしたい部分とかがあるなら補正するのも良いですね。
ディエッサーもあまりいらないと思いますが、音源によってあえて付けられた歯擦音がうるさいことがあるので、その場合は同様にかけます。
音量の大きさ調整も、生のヴォーカルよりは調整の必要性は今の所少ないかもしれません。Vocal Riderを入れるだけとかでも良いかも。もし調整必要な箇所がある場合は、ここでやっておくのも良いと思いますが、ボカロって「ここからハモリを別途制作」ってことがないですよね。すでにエディタで作ってWavになって別トラックに入っています。なのでボカロは「音を整えるために」元トラックを触らなくても大丈夫です。
と、ボカロだろうと普通の声だろうと、ミックスの視点から見ると「程度の違い」があるくらいで、あまり大きくやることが変わるわけではありません。
ただ、ボカロの場合、ここまでの調整(ピッチ、ディエッサー、音量)を一切やらなくてもある程度の「ボカロの歌」の形になっている、というのが大きな違い。なのでその点はだいぶ楽かもです。
もちろん楽曲の視点から見ればそもそも全く違う歌い方になります。制作の視点からだと、いろいろ大変なヴォーカルの録音が不要なので、その点では制作のしやすさは圧倒的にボカロです。
ここからは生歌とボカロ共通でやることになります。まだバス(ステム)にはいきません、元トラックでやることが残っています。
・エフェクト
続いて、ヴォーカルの「エフェクト」、例えば強制ピッチコレクトによる音程を強引に合わせた結果生まれる独特のサウンド、通称「ケロケロボイス」はここでやります。もし、ケロケロを上で使ったピッチ補正エフェクトで同時にやりたい場合は、そちらにもどって調整しても良いです。ただ、ケロケロボイスはAuto Tuneが結局一番「らしい音」になりますね。
他の方法としてはシンプルなピッチコレクトエフェクトを使ったりします。これはCubaseシリーズ(有料モデル)に付属するピッチコレクト。上の波形編集できるVariaudioはより上位モデルにしかなかったり…そのへんはDAWの機能を把握しておくと良いと思います。まぁなければMelodyneかAuto Tuneを買ってもいいし、ド定番バンドルのGold以上にはTune LTが入ってるのでその辺使うのが良いかと。
また、一部にのみかけるディレイ(オートメーションを使ってON/OFFを制御)などを使う場合は、ここでやってしまって良いと思います。
つまり「楽曲としてバランス取りではなく、制作、アレンジで使うエフェクト」は元トラックにかけてしまおうという考え方。
別にバス(ステム)でやってもいいんですけど、ここを分けておくと、制作とミックスがあとから分かりやすくなります。
これらのエフェクトを掛け終わったら、ようやく「ミックス」としての作業に入る形となります。
- ヴォーカルのミックス
ここからバス(ステム)トラックでの作業になります。
ここまでの内容でヴォーカルトラックが整えられていれば、ミックスとしてやることはシンプルです。私の場合は3つ。ダブラー、コンプ、リバーブです。
ダブラーはダブリング、つまり非常に短い、微細にピッチを変えたディレイをかけて音を太くするエフェクト。あんまりかけ過ぎて声が変わらないように。コンプとどちらが先かは並べ替えてみて良い方にします。
コンプレッサーはかなりしっかりとかけます。強烈ってくらいかけていいかも。いろんなコンプがあって、いろいろ設定できるんですけど、今のところ決め打ちで外したことがない設定があるので、載せておきます。
1176系コンプ(個人的にはIKのT-Racksの1176が好き)を使って、アタックを一番遅く、リリースを一番速くし、レシオを1:20で最大まで潰します。つまり、声のアタックを確保し、スレッショルドから下がれば即座にコンプ解除、そしてスレッショルドを越えたところはできる限り潰す、という設定。
これで音を聴いてみておかしければレシオを少し弱めたりはしますが…この設定で外れたことがないくらい、いわゆる「ポップスのヴォーカル」には使えます。もちろん合う合わないはそれぞれなので、よければ試すだけ試してみてもよいかと思います。1176系コンプはだいたいのDAWにも入ってますし。
そしてプレートリバーブ。声が「頭の上に抜ける」感じをイメージしてリバーブをインサートします。設定としては、リバーブ自体はかなり強めに、Dry/WetはほぼDryで。これまでミックスしたドラムとベースと合わせて再生しながら、リバーブがかかっているのが分からない程度にかけます。
バックコーラスのトラックも同様に。バックはコンプを弱めたりリバーブのWetをちょっと上げたりして立体感をつけても良いですね。
ヴォーカルの迫力がちょっと足りないと思ったら、さらにコンプレッサーを追加したりしても良いですし、便利プラグイン系いくのも良いでしょう。
個人的にはWAVES Scheps Parallel Particlesがすごい便利。声がどうしても細くなってしまうタイプのヴォーカルとか、ボカロとかだとこれで簡単に声を「強く」できます。
声質そのものをいじりたかったら、基本はEQでやるんですけど…
いわゆる便利プラグイン。先のSchepsと並んで変態GUIのButch Vig Vocalsも、さすがに使いやすいです。
今2つ挙げた便利系のプラグインなんですけど(Schepsはヴォーカル専用じゃないけど)、前回のドラムとかベースの時同様、あくまで「あとちょっとこれが欲しい」って時に使うのを心がけましょう。例えば太さと空気感ならScheps、声の基本の音を保ったまま声質をちょっといじりたいならButch、みたいな。こういう便利系プラグインって、もちろん「これだけで音を作る」ことができるんですけど、それやってしまうとなんか個性がなくなることが多いんですよね…。
ただ、その「あとちょっとこれが欲しい」がなかなか手が届かないというか、そこがすごく大変って部分でもあるので、そこを簡単に調整できてしまうだけで、もうこういうプラグインに意味があると思います。
高いプラグインを買わなくてもミックスはできる。DAW付属だけでも(DAWが上位モデルなら)大丈夫。その通り。
じゃあ有料のプラグインに意味がないのかというと、それもまた違ってるわけですね。ですが「それだけに頼る」のはまたちょっと違う感じがします。ミックスに正解はないので、もちろん頼ってもいいんですけど、それだけだとまたちょっと、できること、特に「自分の音を出す」ことを減らしてしまう感じがあるのもまた事実だと思います。
なので、便利系のプラグインを使う場合でも、「とりあえずコレ使って良い感じにする」のではなく、明確に目的を持って「ここをこうしたいから使う」という風にやると、「自分の音」の方向性がちゃんと見定められると思います。
ヴォーカルの調整が終わったら、ドラム、ベースとヴォーカルまとめバス(ステム)を使って音量を調整。ドラム+ベース+Voで-4~-6dB程度に収まると良いです。-4~-6dBってドラム+ベースと同じじゃないって思うかもですけど、同じくらいで良いのです。同じくらいになるように。どうしてもそれを1dB以上オーバーしてしまうなら、ヴォーカルをどの程度鳴らしたいかによって、ヴォーカルを下げるかベースを下げましょう。
そしたら最後に、リバーブのFXトラックにヴォーカル、コーラスをSENDします。この画像ではメインヴォーカル、ハモリとさらに後ろのバックコーラスがあったので、3段階のリバーブそれぞれにSENDしています。ハモリとかはLとRがあったりするので、LRのリバーブを作っているなら、それぞれ「逆側」のリバーブにSENDしておくのも良いかもしれません。(左側のハモりは右のリバーブに送る形。右ハモりは逆に左のリバーブに。)
SENDレベルはこれまで同様、音像が崩れないところ、ホールで歌ってる感を出すならリバーブのテール(響き)が聞こ「えない」ギリギリを探してみましょう。もうちょっとタイトなヴォーカルならそれより少なめに、みたいな感じ。曲に合わせて調整します。
ということで、ヴォーカルのミックスが完了しました。
前回、ドラムとベースだけで曲っぽく聞こえるか試すと書きました。
ここではヴォーカルが入ったので、さらに「ドラム、ベース、ヴォーカルでちゃんと曲になっているか」を確認します。
リズムの動きと歌の動きがおかしくないか、とか、一番重要なのは、やはり「この時点で思った感じの曲に聞こえるか」です。
ギターや他の楽器での色づけが無い、骨格みたいな状態の曲ですが、例えばその骨格がちゃんと「狙い通りの」ヒトの形をしているか、または魚の形をしているか…ということを確認します。
では、次回はギター、そしてその他楽器のミックスについて。だいぶ大詰めになってきました。
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