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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

VOX AC15CC1

前回、OCDのレポートで書いた、購入候補のフルチューブアンプ、VOX AC15CC1を楽器屋さんで見つけましたので早速試してきました!サウンドと使い勝手と、いろいろ迷わせる一品でした。ちなみに評価としては非常に高いです。
ではレポート、いってみましょう!
ちょっとここで、歴史のお話をします。
VOX AC15といえば、1958年に登場した、「ブリティッシュアンプ」の代表的なモデルです。近年はエフェクター等で「ブリティッシュアンプ」といえば「マーシャル」のことを指す場合が多いですが、実はマーシャルアンプは構造的にはフェンダーアンプに近かったりするので(サウンドは別物ですが)、純粋な意味での「英国製アンプ」といえばVOXアンプになるのかもしれませんね。
で、当初はAC15に加え、AC10やAC4という小型アンプの製作が主だったのです。(AC4って今、復活したら爆発的に売れるんじゃないかと思います)ですが、PAシステムがなかった当時では、15Wという出力は大規模なステージでは非力で、パワー部の真空管を倍にしたFenderのTWINアンプが知れ渡るようになると、VOXもそれに追従する動きで作られたのが、有名なAC30です。ちなみにFenderのTWINシリーズはどんどんワット数が上がって、名機「FENDER U.S.A. '65 Twin Reverb」で80W、最新の「FENDER U.S.A. Twin Amp '01」では100Wの仕様となっていますね。
なんだか話が脱線しやすいですが、ついでに書くと、AC15を生かす道であったPAシステムは、後のAC30を使うビートルズのライブによって作られることとなる、というのはなんだか面白い話ですね。現在、比較的小規模なライブハウスでは、100Wのアンプを持っていってもヴォリュームを絞ってPAシステムを通して音を出す、ということをしているわけですから、なんだか本末転倒な気がします。正直な話、大ホールとかでのライブを行わないなら、100Wアンプよりも30W〜50W程度のアンプを使った方がいいのではないか、と思います。
では、話を元にもどしましょう。当時のAC15では、プリ部にEF86という真空管を使っていました。そして当然、真空管を倍にしたモデル、AC30でも当初はこのプリ管を使っています。2チャンネル仕様、4インプットだった初期のAC30は、「AC30/4」と呼ばれています。しかしこのEF86という真空管は、サウンドは素晴らしいのですが、音作りが難しいという特性があったようです。
しかし、そういう形で発表されたAC30は英国内で大人気となり、当時の関税の設定もあって高価だったフェンダーアンプを押しのけ、大ベストセラーとなります。なんといってもベースにも使われたというほどです。
さて、ギターアンプをベースで使うと危険です。(故障の原因にもなりますので絶対しないでくださいね。)なので、VOX側はそういう使用も想定して、AC30/4にもう一つチャンネルが増やされた6インプットを持つ「AC30/6」が発表されます。このとき、真空管も安定した動作のECC83を使うようになります。ECC83は、いわゆる12AX7で、非常に一般的な真空管ですね。現代でも使われています。それで動作は安定したものの、音は当然変わります。その音があまり好評でなかったらしく、その問題を解消するために考え出されたのが、AC30独自のアンプ回路「トップブースト回路」です。
さて、なぜこんな話をしたかというと、今回試奏したVOX AC15CC1は、VOX初期に作られていたAC15とは違い、トップブースト回路を搭載した最終形AC30のまさに「トップブーストチャンネル」のみを独立させて作られた、全く違うモデルだからです。巡り巡ってたどりついたこの歴史の流れ、非常に面白いと思います。
というわけなので、このVOX AC15CC1、プリ部にはECC83(=12AX7)を2本、パワー部にはEL84を2本使っています。パワー部はちょうどAC30の半分で、15Wというわけですね。現在のAC30CCではGZ34という整流管を使っていますが、このAC15CC1では、整流部は真空管をシミュレートした「SAG回路」というダイオード回路を使っています。
AC30「CC」とか、AC15「CC」とかいうのは、「Custom Classic」という意味で、登場してから新世紀となった今、クラシックな形で蘇る、という意味がこめられています。この「CC」シリーズでは、新たにマスターヴォリュームとスプリング・リバーブが搭載され、より使いやすいモデルとなっていますね。今のAC30CCは2ch仕様で、ベースでの使用は想定されていません。
 
では、試奏のセッティング、行ってみましょう。

Gibson 50`s Les Paul Standard

アンプの試奏ですからこうなりますねwでは、レポートを。

  • 操作性

コントロール系統の操作性は非常に分かりやすいです。これの元となった、AC30CCのシリーズは独特のコントロール系統で有名ですが、このVOX AC15CC1はシンプルですね。ちなみにコントロールは、マスターヴォリューム、トレモロのスピード、デプス、リバーブ、そしてトレブル、ベースの2バンドEQ、ゲインヴォリュームとなっています。
しかし、ある問題点が・・・。今回の目的は、「家庭用アンプ」なわけですが、このVOX AC15CC1は、かなり大きいです。12インチスピーカーを搭載している点もありますが、アンプセクションが横長で、スピーカーを二つ搭載したVOX AC30CC2と10cmしか変わらない、60.5cmもの長さを持っています。ライブハウスやスタジオでは十分小さなアンプですが、部屋に置くにはかなりのスペースが必要となります。重さも20kgを超えるので、不安定な位置に置くと危険です。非常に個人的な理由ですが、しかしこれは予想外でした。重さはともかく、ここまで大きいとは・・・。これでは部屋で置ける場所はタンスの上くらいですw
ま、それでもサウンド次第で買いかどうか決めようと思いましたので、サウンドレポートいきましょう。

  • サウンドレポート

まずはクリーンサウンドから。音の質としては、まさに「ブリティッシュ」な暖かいサウンドです。今回は試奏ということで、歪ませるにはマスターを絞っての出力となりますが、どうせ部屋で使ってもそうなりますから逆に好都合です。というわけで、歪みですが、これもさすがはオールチューブ、非常にリニアで、コントローラブルです。フルドライブでの粘り気のあるクランチも見事ですし、クリーンに近く、強く引けば歪む程度に絞ったゲインでのサウンドは素晴らしいです。マスターをフルアップにして弾きたい!と思いましたがそれは迷惑なのでやめましたw
ちなみに一瞬操作をミスって大音量を出してしまいましたが、ガツンとくるアタック時の音圧は本当に15Wとは思えないくらいでした。
また、搭載されるエフェクターですが、スプリングリバーブはちょっと大げさなほど掛かります。ほとんどツマミをまわさない程度が非常に気持ちよかったですね。伝統のアナログトレモロはさすがとしかいえない出来栄えで、最高のサウンドでした。
さて、この評価、アンプとしてみると本当に素晴らしいモデルだと思います。音圧もあり、歪みもキレイ。クリーンサウンドもVOXらしい音、さらに値段も抑えられている・・・正直言って、欲しいと思います。ですが今回の事情を考慮すると、低域が出ているゆえに、音圧が高すぎるんです。これを部屋で弾くには、アッテネータが必要ですね。そう考えると、ちょっと難しいかな、と思います。念のためいいますが、一般的な視点から見れば、非常に素晴らしいアンプですよ!
 
そういうわけで、今回の結論は一旦見送りという形になりました。とはいえ、フルチューブアンプをあきらめたわけではありませんよ。ヘッドからの音をラインレベルで出力するAxetrak For Guitarや、10Wから、2W、そして0.25Wまでの切り替え機能を搭載した、クラプトンも愛用するといわれるCornell ROMANY PLUSといったアンプもあります。また、6月に発売されるという、15Wと7.5Wの切り替え可能なVOX Heritage Collectionも気になります。
今のところ、機能的に見ればCornell ROMANY PLUSが最高です。20万円を超える価格ですが・・・まずはこれを目標に、がんばっていこうかな、と思います。
また、歪みエフェクターももっといろいろ試してみようと思っていますので、もしかすると素晴らしいエフェクターが見つかるかもしれません。いろいろ迷っていますが、「自分の音を見つける」という作業、ものすごく楽しいです。私だけでなく、それぞれのギタリストに「自分の音」が見つかるといいな、と思います。



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