【ピックアップ】Gibson Quick Connect Burstbucker Pro (Chrome) |
どういうことか、というと、現在、Gibson USAのレギュラーモデル(一部除く)において、コントロールキャビティ内のパーツは全て基板上にまとめられる形となっています。
こちらは、Gibson USA 2008 Les Paul Standardのキャビティ部です。シースルーブラックの蓋が被さっているので分かりにくいですが、よく見るとしっかり基板が使われているのが分かります。あえて裏蓋をシースルーとすることでこの基板を見せているあたり、Gibsonにとっては自信作のモデルなのがよく分かります。
この中はこんな感じの基板が入っていて、基板上には各種ポットやコンデンサ等が、そしてピックアップ、アウトプット、スイッチは全てコネクタで接続される形となっています。
この仕様は2008年頃から始まったようで、2008 Standardモデルだけでなく、現在の2012 StandardやStudio、Tribute系モデル等も同様の構造となっています。SGも多くがそうですね。スペックに「Quick-Connect Control pocket Assembly」と書かれているものは全てその形。ただ、USAのレギュラーモデルでも、Les Paul Traditionalは従来の基板を使わないタイプとなっているようで、モデルによって違いがいろいろあるようです。
ちなみにこちらが従来の配線方法。これはGibson Custom Shop Les Paul Customのキャビティ内です。
さて、Gibsonはこの基板と、それに対応したピックアップ等を「Quick Connect」シリーズとしてラインナップ。はんだを使うことなくピックアップの交換や簡単なメンテナンスが行えるようにしました。
Gibsonでは現在、Les PaulとSG用のQuick Connect基板もラインナップしていますが、それらはまだ日本には入っていないようなので、先に入って来たリプレイスメントピックアップからご紹介したいと思います。先に述べたとおり、この「Quick Connect基板」を搭載したモデルのギターなら、簡単にピックアップの交換が可能となります。
Gibson Quick Connect Burstbucker Pro (Chrome)
【ピックアップ】Gibson Quick Connect Burstbucker Pro (Chrome) |
PAF系のヴィンテージサウンドと、あるニコVによるパワー感を両立した名ピックアップで、2008モデル以前からLes Paul Standardのピックアップとして使われました。現在も、Les Paul Studio Fadedから2012 Les Paul Standardまで、数多くのモデルに搭載されています。
Gibson Quick Connect 57 Classic (Nickel)
【ピックアップ】Gibson Quick Connect 57 Classic (Nickel) |
レギュラーモデル、カスタムショップ問わず数多くのモデルに搭載されており、例えばSG '61 ReissueやヒストリックコレクションのES-335等、搭載モデルは非常に幅広いです。Gibsonギターのピックアップを代表するモデルですね。
Gibson Quick Connect 57 Classic Plus (Nickel)
【ピックアップ】Gibson Quick Connect 57 Classic Plus (Nickel) |
主にフロントに57 Classicを搭載するGibson Les Paul TraditionalのリアPUとして用いられます。
Gibson Quick Connect Dirty Fingers
【ピックアップ】Gibson Quick Connect Dirty Fingers |
80年代のES-335などにも搭載され、現在ではGibson SG Special Dirty Fingers Limited Editionのような限定モデルや一部アーティストモデルなどに使われる、珍しいピックアップです。
と、いうわけで、現時点で国内に入ってきているQuick Connectシリーズのピックアップをご紹介しました。ピックアップそのものは通常モデルと変わりませんが、コネクタを搭載しているのでそのまま基板に直接取り付けて使えるという手軽さが良いですね。
ギターの回路を基板にするQuick Connectシリーズそのものは、正直かなり好みが分かれると思います。実際、Gibsonもレギュラーの低価格モデルやよりモダンな多機能モデルにはQuick Connectを、Custon Shopやレギュラーでもヴィンテージ再現系モデルには通常の配線を、と分けて製作していて、そのあたりはニーズがはっきり分かれることをよく知っていますね。
なので、合うか合わないか、良いと思うか思わないかはそれぞれです。それは別として、こうして新しいスタイルが生まれ、そしてより手軽にピックアップの交換などができるようになる、というのは1つの形として、良いことではないかと思います。
おそらく今後、キャビティ内に搭載する基板やアウトプット、スイッチがまとまったモデルもまた発売されると思います。そうすれば、GibsonギターはもちろんGibson系モデルにも(もしかしたら一部加工等は必要かも知れませんが)搭載できるようになりそうですね。おもしろい試みだと思います。
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