とても難しい問題です。膨大な数、様々なスタイル、メーカーの姿勢、規模・・・・・・ギターの価格には様々な要素が反映されます。しかし、自分に合ったギターを選ぶ、その選択肢を狭める上で、価格はとても重要な要素となります。
一方、そういった様々な要素が反映される上、ギターを選ぶ条件というのは個々それぞれ違っていますし、用意できる予算なども違います。演奏するジャンルも違えば、スタイルも違う。外観を重要視するプレイヤーもいれば、演奏性にこだわるプレイヤーもいる。そういった多様な価値観が組み合わさる中、普遍的にギターの価格帯について述べることはできません。
私は、気づけばいろいろな価格帯のギターを所有しています。上記の通り、普遍的にこの価格帯はこうだ、ということを言うことはできませんが、いろいろなギターを持ってきた中での印象などを踏まえ、ギターの価格帯について述べてみたいと思います。ただし、まず前提として新品のソリッドボディエレキギターという条件を付けたいと思います。中古品やヴィンテージギターの相場はまた変りますし、ホロウボディはソリッドボディより高めの価格帯となることが多いです。アコースティックギターも同様です。また、ここで言う「価格」は、基本的に「一般的な店頭価格」という意味です。言うまでもありませんが、時々その価格帯を超えた特価品や、モデルによっては明らかに価格帯を超えた作りのものもあることは前提としてください。最初にも述べたとおり、これは絶対的な評価ではなく、あくまでも1つの意見です。反例はいくらでもあるでしょうし、なんとなく、ギターの価格帯について、こんな感じ、こんな雰囲気がありますよ、という程度の参考になればと思います。
では、いってみましょう。
ここからは、価格帯ごとに分け、このあたりの価格帯のギターはこんな感じのものが多いように思う、ということを載せていきます。
ちなみに、よくあるギターの価格帯の話や議論などを見ていると、「こんなに安いギターでもこんないい音が出る」「こんなプレイが出来る」(だから高いギターは不要だ)、というような話だったり、コストパフォーマンスの高さの議論になったりすることがあるように思います。これらの話、特にコストパフォーマンスの話は無関係だとは思いません。しかし、そこを加味すると、求めるものに応じて“パフォーマンス”が変ってしまいます。また、あくまで持論なんですが、こういった趣向性の高いものについて「最もコストパフォーマンスの高い正解」というものは存在しないと思います。この記事は、ギターを選ぶ際の参考にしていただければとは思いますが、何よりもギターを選ぶ際に重要なことは、「自分の選択を信じること」と「他人の選択を尊重すること」だと思います。
それでは、いきましょう。
- 5万円未満のエレキギター
「激安」と呼ばれるクラスのギターから、大手メーカー廉価ブランドのエントリーモデルまでの価格帯です。最近は、激安と呼ばれる価格帯でもスペックにこだわりを持ったモデルがあったりもしますね。
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- 5〜10万円のエレキギター
大手メーカーの廉価ブランドの上位モデルや、大手メーカー本家のエントリーモデルが多くラインナップされる価格帯です。
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- 10〜15万円のエレキギター
大手メーカーの廉価ブランドの最上位クラスのモデル、大手メーカー本家のラインナップなどが出てくる価格帯です。定番ギターでいえば、Gibson SGなどのレギュラーモデルがラインナップされます。
(ちなみに上の写真のSGはロボットチューナーが搭載されているため新品定価は高いですが、それ以外のスペックはSG Specialなのでここに載せています。)
Gibson USA / SG Standard 2016 Heritage Cherry【S/N 160091998】【送料無料】 |
一方、IbanezやSchecterなどのハイゲイン系モダンギターは選択肢が多いです。
また、PRS S2やESP E-IIなど、高級ギターメーカーの直系モデルが出てきています。
Fujigenなどの本格モデルなども選択肢となりますね。
大手メーカーのモデルでいえば、「あと一歩」なモデルがちょっと多めな価格帯という気もします。ギターとしての完成度も高く、本格的なスペック、サウンドを出せるモデルが含まれてきますが、どこかで「あと少し」という点がある。しかしそこを解消するモデルは価格帯が一気に跳ね上がる、そういうモデルが多い感じがあります。特にアメスタの価格帯が上がってしまった今、意外に空白地帯な価格帯かもしれません。
- 15〜20万円のエレキギター
大手メーカーの定番モデルが選択肢に入る価格帯です。ライブを重ね、オリジナルのみでステージをこなせるクラスのバンドだと、このあたりの価格帯以上のギターを使用していることが多いように思います。本格的にプロクラスの使い方ができるものが多く、付属するケースもハードケースが当たり前になってきます。
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このあたりのギターに慣れておくと、最も一般的で本格的なエレキギターの操作性、サウンドを理解しやすいと思います。1本目にこの価格帯はさすがに難しいと思いますが、2本目のギターとして、出来るだけ早く手に入れたいモデルが多い価格帯だと思います。
- 20〜30万円のギター
ここまでは5万円ごとに区切ってきましたが、ここは10万円で区切りたいと思います。20〜25万円のクラスと25〜30万円のクラスの価格帯は、モデルごとの方向性の違いによる価格差はあるものの、価格帯で見るとそこまで大きな違いは無いと思うからです。誤解しないで欲しいのは、「28万円のギターより21万円のギターの方がコストパフォーマンスが良い」と言っているわけではないということ。たとえばそれは材の違いや作りの違い、ピックアップの違いかもしれませんが、そういうスペックの違いによる価格差は当然あります。あくまで俯瞰で見た際に、明らかに違うステップアップが無いということですね。それは今後の分け方でも同じことです。
さて、20万円を超えると「高級ギター」の範疇に入ると思います。大手メーカーレギュラーモデルの上位機種や、Ibanezの最上位クラス、j.customシリーズも入りますね。ちなみにFenderの価格帯が上がったため、上の写真のストラト(American Vintage Series)はもう1つ上の価格帯になりますが、私が買った当時はこの価格帯でしたのでここに載せています。
Fender USA(フェンダー)FSR American Vintage '72 Telecaster Custom【Black】 |
- 30〜50万円のエレキギター
ここは20万円間隔で区切ります。理由は20〜30万円の価格帯と同じです。
この価格帯になると、大手メーカー本家の最上位クラス、そして大手メーカーカスタムショップのモデルが選択肢に入ります。さらにPaul Reed Smith、ESPなどの高級ギターメーカーの本家モデルも入ります。
Gibson Custom Shop Les Paul Custom (Alpine White/Gold Hardware)【送料無料】【次回入荷分ご予約受付中】 |
Custom Shop '56 Stratocaster N.O.S. |
〔新品〕 Tom Anderson 【トム アンダーソン】Drop Top ~Natural Arctic Blue Burst with Binding ~ 【G-CLUB 渋谷】【送料無料】【smtb-u】〔エレキギター〕 |
様々なこだわりに満ちたモデルも多いので、好みに合わせたモデルを選ぶことができます。
そして、私が個人的意見として言いたいのが、世界的定番ギターメーカー、ギブソンとフェンダーについて。今のギブソンとフェンダーの新品ギターを買う際、20〜30万円の価格帯のレギュラーモデルを考えるなら、この価格帯のカスタムショップモデルも考えてみて欲しいということです。どちらが正しいとは言いませんが、是非視野に入れてみてください。
というのも、カスタムショップってとても高価なイメージがあるかもしれませんが、今のギブソン、フェンダーのレギュラーモデルは価格が上がっているため、たとえば25万円のレギュラーモデルを買うなら、35万円のカスタムショップモデルを買う方が、より良いのではないかと思うからです。私はフェンダーのカスタムショップモデルは所有していないので具体的なことは言えませんが、ギブソンに関して言えばレギュラーモデルとカスタムショップモデルの作りのクオリティは明らかな違いがあります。
もちろん単にギブソンのカスタムショップといっても、True HistoricからCustom Collectionまでいろいろありますが、そのCustom Collectionとギブソンのレギュラーモデルでもやはり明らかに作りの違いが感じられます。個人的にですが、この違いを体感してしまうとよほどのモデルが出てこない限り、ギブソンに関してはレギュラーモデルが欲しいと思うことがなかなか無くなってしまいました。
- 50万円以上のエレキギター
だいたい50万円前後のところで、各メーカー、ブランドの最上位モデルの線引きがあるように思います。ここを超えると。嗜好性の高いモデルや様々な凝ったモデル、各種最高品質のモデルとなっていきます。
ここから先は趣味の世界。何も言うことはありません。
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ということで、ギターの価格帯についてざっくりといろいろ述べてみました。
最後に、特に10万円以上のモデルの「特価品」についてです。特価品やセール品を見るとき、今回の価格帯の分け方で「価格帯が移動する」くらいのセール品を見つけたら、それはかなりお買い得なモデルだと思います。ちなみに、もし仮に価格帯が2つ移動していれば、それは運命の出会いかもしれません。そこまで下がることはそうそうありません。もし見かけて、その時に買うことができるなら、そうそう損はしないと思います。また、特価品を見つけたときに予算が無くて買えなかったという場合。悔しいと思うのはまた違うと考えます。そのギターとは縁が無かった、そういう風に考えるのが良いと思います。
ギターを買うというのは、やはり大きなイベントだと思います。せっかく買うのですから、気持ちよく買って、そして買ったギターをいつまでも好きでいられるようにするのが一番だと思います。見ての通り、私は何本もギターを買っていますが、買って後悔したギターは1本もありません。これはとても幸せなことなんだと思います。
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