なので、アンプはもちろんですがエフェクターもアンプの一種というか、ほぼアンプと同様の構造を持っていたりします。
今でこそギターアンプはいろいろな素子が使われますが、かつては真空管がメイン（ギターアンプの場合は今でもですけど）で、それに対して小さなエフェクターはトランジスタが主に使われます。（もちろんIC、さらにデジタルなどいろいろありますけど。）
トランジスタの歴史を見てみると、1951年にゲルマニウムトランジスタが開発されます。54年には日本でも発売が開始。開発したのは東京通信工業（ソニーの前身）で、55年にトランジスタラジオにSONYのロゴが入ったことが今のソニーへと繋がっています。（今でもSONYが素子に強いのはこういう歴史があったりします。）
1950年代の末になると、トランジスタの生産は日本が世界一となります。ラジオ需要から大量生産により価格が下がったトランジスタはエフェクターでも使用されます。
シリコントランジスタは1954年に開発され、70年代にはこちらが主流となっています。
ギターエフェクター、特に初期のファズが作られ、販売され始めたのは1960年代。当初主流だったゲルマニウムトランジスタが使われたのはとても普通なことでした。
ですがゲルマニウムトランジスタにはシリコンと比べ安定性が欠けます。特に温度に敏感で、「動けば良い」家電製品とは異なり、音という細かい動作が影響するものでは、ゲルマニウムトランジスタのペダルはある程度温めて使う方が良い、とされます。（もちろん熱すぎてもだめです。）
これは今でもそうで、冬になるとゲルマニウムトランジスタのファズの中古価格が下がるほどです。（つまり外れとして出品されることがある。）
で、動作という意味では安定するシリコントランジスタですが、ゲルマニウムトランジスタとは違ったサウンドになります。できる限り似せようとするペダルはあり、そのクオリティも高いですが、本物のゲルマニウムサウンドはゲルマニウムトランジスタでしか作る事ができないのもまた確かなことです。
ということで本題。
アンプメーカーでもあり、プリアンプペダルでも有名なBenson Ampsから、ファズペダルが登場です。
「Benson Amps Germanium Fuzz」。
モデル名のとおりゲルマニウムトランジスタを使用したファズペダルです。
コントロールはVolume、Gain、Impedance。
内部にヒーターを内蔵していて、トランジスタの出力が適正になるまで温めることができます。電源を入れてから2～3分すると適正になるということです。つまり、いつでも最高のゲルマニウムトランジスタサウンドが出せるファズ、ということです。
そしてもう1つはImpedanceノブ。
インプット部にバッファを搭載していて、インプットインピーダンスをコントロールすることができます。ファズ部への入力インピーダンスを調整することで、好みの音色にすることができます。
広いゲインレンジで、さらにインピーダンスを調整することでファズらしいサウンドはもちろん、クリーンからオーバードライブ、ファズまで広く音を作る事ができます。
筐体のカラーにも意味があり、炎天下の使用で内部の温度が高くなりすぎないために白にした、ということです。
スタンダードなセンターマイナス9Vアダプターで動作するのも使いやすいところですね。
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