クオリティの高い激安エフェクターとして人気のJOYOエフェクター。
今回は、先月帰省した時になんとなく買ってみた、JOYOの中でも人気のディストーションペダルJOYO US Dreamのレビューをしてみたいと思います。
元ネタだと言われているSuhr Riotとの比較等もやってみました。
では、いってみましょう!
JOYO US Dream
こちらが、その「US Dream」です。紫色の筐体にブラックのノブが3つ並ぶデザインのディストーションペダルですね。
コントロールはVolume、Tone、Distとシンプル。
ちなみに「US Dream」という名前ですが、本体のラベリングは「Us Dream」とSが小文字になっています。アメリカンドリーム的な「ユーエスドリーム」ではなく、我々の夢、的な「アスドリーム」(いやUsは文法的におかしいですけど)なのかと思ったら、公式で「US Dream」と書いてあったのでたぶん前者の意味が正しいんだと思います。それにしても、大文字と小文字で大違いなところが適当だったりするあたり、中国ブランドっぽい感じがしておもしろいです。
裏蓋を開けるとこんな感じになっています。ものすごくシンプルな基板ですが・・・
全部出して見るとこんな感じ。両面プリントになってます。メイン回路はOpampを2つ使った形です。
Input側にあるOpamp。型番が削られてるんですが、なんとなく308的な文字が見えるような見えないような・・・
こっちはOutput側。型番は全く見えません。
ちなみに、ポットの値は分かりやすいです。左からVolume、Tone、Dist。それぞれ値やカーブが違っています。
回路設計はSweet Baby Overdriveのレビューにも出てきた、J.Wongさん。
では、ちょっとSuhr Riotの作りも見てみましょう。
Suhr Riotを開けたところ。一部モールドされています。JOYOの機械式フットスイッチと違い、こちらは電子スイッチ。
Riotの基板は2段重ねです。がんばって外そうとしたんですが、物理的にはんだ除去等をしないと基板が外れなさそうでした。
Riotの筐体はアルミ削り出しです。US Dreamはオリジナルのメタル筐体ですが、ダイキャストですね。塗装が剥がれているように見える部分は、あえて剥がしてグランドを取っているところです。
基板比較。よく見ると同じチップ抵抗でも、使っているもののサイズが違いますね。Suhrの方が大きめのチップを使っています。
意外な共通点を見つけました。これはRiotの筐体と基板のグランド接点。
US Dreamも同じように、フットスイッチにワッシャを入れて筐体と接触させることでグランドを取っています。だからなんだ、といわれればそれまでですけどw
というわけで、本体の写真はこんな感じですね。
さすがに価格帯も違うペダルですので、作りに関しては完全にレベルが違います。筐体の作りなんかはもちろんですし、ジャックの品質も違います。それらはまぁ、見たら分かるところなんですが、驚いたのはノブの違いが大きかったですね。どちらもスタンダードな形で、後ろからネジで締めて留めるタイプのノブなんですが、Suhrの方はかっちりとしていて、ネジをゆるめてもノブはポットにしっかり留まっている形で、さらに使われているネジ自体も大きい(というか長い)です。対してJOYOのノブは、完全にネジの力だけで留まっていて、そのネジも小さなものでした。これに関してはJOYOが悪いということはないですが、Suhrのノブの良さに驚きました。よほどのことが無いとトラブルにならないノブを使っています。
また、JOYO US DreamとSuhr Riotには機能的な違いもあるので先に載せておきます。
US Dreamはシンプルなディストーションペダルって感じですが、Riotは、まず音色特性を微調整できるVoiceスイッチを搭載しています。さらに、外部スイッチによるリモートに対応。あと電池駆動時、電池が減って一定の電圧より下がった場合、ON時(インプットにプラグを挿した時)にLEDが点滅して知らせてくれる機能があります。このあたりの機能の違いもあって、Riotは2段の基板を使っているんだと思います。
ではでは、作りや機能について述べたところで、レビューいってみましょう!
- 操作性
非常に簡単です。シンプルなディストーションペダルのスタイルなので、まず迷うことはないと思います。
激安ペダルということですので、使われているパーツ類のクオリティはどうしても限られてきます。もし壊れても新しいのをまた買えば良い、くらいの気持ちで使うのが良いかな、とは思いました。
- サウンドレポート
では、音を。まずはサンプルサウンドを録りました。
久々に動画にもしてみましたので、よかったら見てください。
ニコニコ動画
Youtube
内容は同じで、以下に載せるサンプルと全く同じものを使っています。
使った機材は、ギターがFender USA American Vintage 57 Stratocaster Thin LacquerとLes Paul Custom、アンプがKoch Classic SE C-SE6Cのクリーンセッティングです。
ピックアップは全てリア、RiotのVoiceスイッチは全て真ん中のセッティングです。
※ブラウザの種類やバージョンとFlash Playerのバージョンの組み合わせによって再生できない場合があります。そのときは動画を見ていただくのが早いと思います。
サウンドはこんな感じです。6種類のセッティングで、ギターを変えつつ音を出して見ました。あえて、2つのペダルのノブの位置を完全に揃えたんですが、聴いての通り、非常によく似た音を出すことが出来ます。
ノブの位置と出る音に関しては全体的に同じといっても良いくらいで、ノブの可変幅なども変わりませんでした。この点はさすがJOYOというか、すごいですね。
ただ、表面上は音が似ているものの、よく聴いてみると、やっぱり違いはあります。一言で言えばダイナミクスレンジの違いが大きいですね。Suhrの方が広いです。そして、音そのものの立体感と迫力の違いです。それほど大きな違いではないんですが、例えばミュートで刻む時などは、JOYOの方が少し軽い感じになり、Suhrの方は迫力と立体感のある音になります。音そのものの特質は同じなんですが、なんというか、コースやスピードは同じでも重い球と軽い球の違い、みたいな感じで違いがあります。逆に、少し軽めの、あまり前に出すぎない音が良いなら、あえてJOYOを選ぶという意味もありますね。
しかし、JOYOのコストパフォーマンスは実際、圧巻だと思います。
オリジナリティはあまり感じられませんが、この音がこの価格で、というのは、仮に多少耐久性が低かったり、音が若干薄く感じたりしても、文句をいうべきところではないと思います。特に初心者の方にはとても良いペダルとなるのは間違いありません。
また、Riotを持っているという人も、メインで使っているならば、何かあったときのサブ用として持っていても損はしないかもしれません。並べて音を比べて遊んだりもできますw
というわけで、JOYO US Dreamのレビュー、およびSuhr Riotとの比較でした。ちなみにSuhr Riotのレビューも前に書きましたので、読んでいただければと思います。
しかし、この音の再現度の高さは、コピーペダルとかそういうの置いといて、単純にすごいと思います。
JOYO US Dream |
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