一方で、楽器としての完成度という面から見ると、多くの「激安ギター」は、どうしてもいろいろ問題点があるというのもまた事実です。コストをそれだけ削っているわけですからそれ自体は当たり前のことですが、その点を考えると、個人的にあまり強く奨めることはできないということもあります。
以前これから始めるエレキギターという記事でも述べた通り、激安ギターは手軽さや敷居の低さという点で優れている一方、初めてのギターとしては、できればもう少し上の価格帯のものを探す方が良いと考えています。
それらに当てはまるのが、いわゆる「ミドルクラス」のギターです。非常におおまかにギターの価格帯を(ヴィンテージは考慮せずに)考えると、50万円以上のクラスが最高級で、30万円以上がいわゆるカスタムショップクラス、10〜30万円クラスが定番のスタンダード、10万円以下がミドルクラスで、3万円より下は激安モデル、といった感じになるかと思います。もちろん機種などによって違いは出てきますが、このミドルレンジクラスのギターは、初めての1本としても使いやすいですし、また長く使っていくことも出来るモデルが揃っています。
メーカーで言えば、Epiphone、Fender Mexico、Fender Japan、Edwards、無印Ibanez、Electromatic by Gretsch、Fernandes/Burny、Bucchus、Momose、Schecter Diamond Series・・・といったモデルが並びます。見て分かるとおり、よく楽器店でも見かけるモデルがたくさんありますね。
そんなミドルクラスのギターを多く製作しているブランドの1つに、Spear Guitarというブランドがあります。けっこう知ってる方は知ってると思いますが、それほど知名度が高いわけではありません。韓国に本拠を置く、IbanezやPRSに在籍したというビルダーが始めたブランドで、ギターの製作は主にインドネシアで行っています。そのインドネシアの工場はIbaenzやSchecterなどのギターも手がけていて、高品質なギターを製作することでも有名、ということです。知名度の高いブランドではないということもあってか、その品質よりも低めの価格帯でギターをラインナップしているブランドです。
今回、そのSpear Guitarを日本で販売しているHappy Gackyとのコラボレーションによる限定モデルとして、ハイスペックなレスポールタイプが登場です。
ピックアップはフロントにSeymour Duncan SH-1、リアにSeymour Duncan SH-4を搭載。'59とJBのスタンダードな組み合わせです。レスポールでもよく行われるリプレイスメントの定番ですね。コントロールは2Vol、2Tone、3Wayセレクターで、VolumeノブがPush/Pullタイプになっていて、それぞれのPUのコイルタップが可能。ブリッジはストップテイルピース+Tune-O-Maticタイプとなっています。また、ロック式のペグを搭載しています。
フレイムトップのCherry SunburstとLemon Burst、キルトトップのCherry SunburstとHoney Burstカラーをラインナップ。スタンダードなスタイルですが、アーティフィカルエボニー指板にカスタムスタイルのインレイが入っていたり、ゴールドハードウェアにオープンハムだったりと、本家レスポールとはまたちょっと違った部分もあったりします。もちろん本家ではないし、あくまでレスポールタイプなので、ヘッドはもちろんボディ形状なども若干違いがありますけどね。
なんかこの、レスポールスタンダード系ボディで、オープンハムにカスタム系の指板という組み合わせがマークボランのレスポールっぽい独特な雰囲気で面白いと思います。Spear Guitarは実は触ったことがあって、価格に対する品質はとても高いと思いました。かなり変わったギターも作っていたりして見た目の好みはけっこう分かれそうですが面白いブランドです。
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