すでにTwitterでもかなり話題になっていますが・・・BOSSからまさかの新作フルアナログペダルが登場です。
BOSSといえば、言うまでも無く日本を代表するエフェクターブランドであり、世界的にもエフェクターを体現するかのような存在となっていることで、ギタリストでない方からも知られているほどのエフェクターブランドですね。1976年6月、BOSS CE-1の発売以来40年近くにわたり続く歴史あるブランドであり、数々のアーティストの足下で使われた名機をラインナップしてきました。
これまで、BOSSは多くのプレイヤーから求められながらも復刻を拒み、さらに近年は全てデジタルエフェクターのみを製作するという思想を貫いてきました。今年の初めに発売され大きな話題となったOD-1X / DS-1Xも、かつての名機を思わせながら全く新しいサウンドとデジタル技術を駆使したニューモデルとして「復刻ではなくリボーン」をテーマに掲げたスペシャルエディションでした。
今回、新たに登場するエフェクトはモデル名の後にWが付く「技 WAZA CRAFT」シリーズです。こちらもスペシャルエディションなわけですが、全く新しい時代を思わせるXシリーズと違い、Rolandの技術を駆使し、あえてアナログ回路にこだわったシリーズです。公式リリースは以下の通りです。
技 WAZA CRAFTとは
創業以来、BOSSのエンジニアはアナログ回路設計から最先端のデジタル技術を駆使したDSPまで、あらゆる技術や培ってきたノウハウ、そして音に対する熱いスピリットを注ぎ込み、最高のギター・サウンドを追求し続けてきました。そのクラフトマンシップの結晶といえるコンパクト・ペダルが「技Waza Craft」です。熟練のエンジニアにより、一つひとつのパーツの選定からこだわり抜き、丹念に組み上げられたアナログ回路を搭載。さらに、完成品を出荷する前に日本国内で最終サウンド・チェックをするなど、細部に至るまでこだわった「技WAZA CRAFT」は、極上のサウンドと卓越した弾き心地をギタリストに提供します。
そして、Summer NAMMに向け、3台のペダルが今回発表されました。それぞれ見てみます。
BOSS BD-2W Blues Driver
BOSS / BD-2W Blues Driver 技 Waza Craft 《予約注文/9月発売予定》【Summer NAMM2014新製品】 |
Level、Tone、Gainのオリジナルコントロールを受け継ぎながら、さらにS/Cの2モード切替スイッチを搭載。SはStandard、CはCustomで、StandardモードはBD-2のサウンドを継承、Customモードではハイレスポンスで太く粘るドライブサウンドを作り出すとのことです。ちなみに、スタンダードモードもオリジナルと全く同じ物ではなく、新設計のフルアナログディスクリート回路を用いているとのことですね。
BOSSが新設計の回路で、パーツまで選定して再構築したようなペダルです。フットスイッチ部に入る「技 Waza Craft」の文字が目立ちますね。
イントロダクションムービー
BOSS SD-1W Super Over Drive
SD-1自体、OD-1の発展系ですからOD-1Xでの「リボーン」に続き、アナログでもOD-1の系譜が作られるというのはとても面白いです。
オリジナル同様のLevel、Tone、Driveコントロールを装備し、S/C切替スイッチによりスタンダードとカスタムモードを切り替え可能。OD-1/SD-1といえばクアッドやデュアルOpampを用いた回路ですが、このSD-1Wはなんとディスクリート回路!スタンダードモードではディスクリートでSD-1のサウンドを再現し、カスタムモードではさらにワイドレンジでパワフル、かつハイレスポンスなドライブサウンドが得られるということです。
OD-1、SD-1、OD-1X、そしてSD-1Wの系譜が、それぞれOpamp、デジタル、そしてディスクリートと全く違った回路アプローチというのもすごいです。
イントロダクションムービー
BOSS DM-2W Delay
BOSS / DM-2W Delay 技 Waza Craft 《予約注文/9月発売予定》【Summer NAMM2014新製品】 |
BOSSは、かつてのモデルの復刻は行わないとしています。このペダルも、厳密に言えば「復刻」ではなく発展させたもの、ととらえることが出来ますが・・・
BOSSコンパクト・アナログ・ディレイの第一号機DM-2は、BBD(遅延素子)によって生み出されるアナログならではの暖かいディレイ音により、1984年の生産完了以降も世界中のプレイヤーを魅了し続けています。そしていま、DM-2がBOSSエンジニアの熟練した技と情熱により、WAZA CRAFT DM-2Wとして現代に蘇りました。
という公式説明のとおり、ある意味で復刻/復活ともとれる言い方をしているんですね。BOSSはRolandのブランドですが、BOSSの「復刻はしない」というポリシーはRolandを創業した梯氏によるものだったと聞いたことがあります。今、Rolandの経営陣と梯氏は経営方針などで対立があり(詳細は経済系のサイトで)、それがどのようになるかはともかく、現時点では事実上梯氏の影響は薄まっている状態にあるのは間違いありません。そのことが、今回のペダルの発表にも少なからず影響している可能性は否定できないと思います。Rolandの今後の動き次第で、BOSSのポリシーそのものが覆る可能性もあったりするかもしれません。
それはともかく、DM-2Wです。コントロールはRepeat Rate、Echo、Intensity。オリジナルと同じコントロールですね。それぞれディレイタイム、ディレイレベル、フィードバックコントロールです。そして、S/C切替スイッチを搭載しています。
内部はBBDを用いたフルアナログ回路となっていて、スタンダードモードではオリジナルサウンドを、カスタムモードではオリジナルの倍以上のディレイタイムを持ちながらクリアさもあるというアナログディレイサウンドを実現しているとのことです。
また、モノラルIN/OUT端子だったオリジナルモデルと違い、DM-3のようにダイレクトアウトを搭載。また発振を足下でコントロールする際などに便利な、ディレイタイムをエクスプレッションペダルでコントロールできるRate端子を搭載しています。あくまでタップテンポなどは用いず、フルアナログにこだわった設計なのも良いですね。
イントロダクションムービー
WAZA CRAFTシリーズの説明
これは楽しみなシリーズです。また詳細などが出たり、発売の時期には改めてご紹介したいと思います。