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「Movall Audio Minotaur」と「Electro-Harmonix Soul Food」を比べて試奏してきました!ミニとコンパクトのKLON対決!レポートします!


多くの伝説を残し、今なお語り継がれる名オーバードライブ、「Klon Centaur」。それが生産完了となり、後継機種の「KTR」の供給が追いつかない状況となっている中、多くのエフェクターブランドがこのCentaurをクローン下ペダル、通称「KLONE」ペダルを製作し始めています。
以前からKLONEと呼ばれたペダルはありましたが、それが一般化する流れを作ったのは間違いなく「Electro-Harmonix Soul Food」の発売です。Soul Foodについては以前のレビューで本家との比較を行い、かなりのレベルで近い歪みが出せることは確認しました。
Soul Food以降もいろいろなKLONEペダルが作られてはいたんですが、エレハモ以外はほとんどがハンドメイドペダルが占めています。そんな中登場したのが、今回レポートする「Movall Audio Minotaur MM-09」というペダルです。最近中国発の低価格エフェクトの中で定番のスタイルの1つであるミニサイズ筐体を用い、ケンタウロスに対するミノタウロスという洒落っ気も発揮したKLONEペダルですね。
このペダルは、KLONEペダルとしては現時点でおそらく唯一、Soul Foodに並ぶ大量生産モデルです。ですが果たして音はどうなのか、ということで、今回はこのMinotaurとSoul Foodをお店で比べてきました。
早速レポートしてみたいと思います!
Movall Audio/Minotaur MM-09 オーバードライブ Electro Harmonix Soul Food / エレクトロハーモニクス・ソウルフード
では、いってみましょう!

Movall Audio Minotaur MM-09

Movall Audio / Minotaur MM-09【御茶ノ水本店】

Movall Audio / Minotaur MM-09【御茶ノ水本店】
価格:7,380円(税込、送料別)

ミノタウロスは、Level、Tone、Furyコントロールを搭載するKLONEペダルです。ToneはオリジナルのTreble、FuryはGainにあたります。オリジナルとは違い、トゥルーバイパスとなっていて、ミニサイズで作られています。Movall Audioに共通する特徴として、ON時に中央のノブの下でLEDが点灯し、ノブを光らせる演出を行います。また、ペダルに描かれるアートワークも凝っていますね。
 

Electro-Harmonix Soul Food

Electro-Harmonix Soul Food
一方のSoul Food。こちらはMXRなどと同等のコンパクトペダルサイズで作られるKLONEペダルですね。天下のエレハモペダルであり、Vol、Treble、Driveコントロールを搭載。DriveはオリジナルのGainコントロールと同じです。内部に切替スイッチを搭載し、トゥルーバイパスとバッファードバイパスを選択可能。ミニサイズ故に電池の使えないMinotaurと違い、こちらは電池駆動にも対応します。CentaurというよりもKTRに近い作りのペダルです。
 
さて、Centaur/KTRといえば、「NOSゲルマニウムダイオードクリッピング」です。ここはKLONの製作者がこだわった部分ですが、低価格かつ大量生産に向いているコンポーネンツではありません。そのため、今回比較するMinotaur、Soul Foodのどちらも、クリッピングにNOSゲルマニウムダイオードは使用していないという点が、オリジナルと異なっています。
先に簡単に、このクリッピングの違いによる音色について述べておくと、通常のダイオードよりもNOSの方がコンプレッションが低く、立体的でダイナミクスレンジが広くなり、音が前に出るような感じになります。ほんの少しの違いですが、Centaur/KTR特有の「音が飛びだしてくるような感覚」を作るものです。今回の2機種は、通常のダイオードクリッピングのため、その感覚は期待できないでしょう。
では、レポートいきます。
 

  • セッティング

Fender USA American Standard Stratocaster


Movall Audio Minotaur MM-09

Electro-Harmonix Soul Food
Electro-Harmonix Soul Food

Roland JC-120
Roland JC-120
セッティングはこんな感じです。
 

  • 操作性

まずは操作性について。どちらも3ノブのシンプルなペダルなので、特に難しいことはありません。ただ、物理的に筐体サイズが違うのと、Movallは特にミニノブを2つ使っているため、セッティングのしやすさはSoul Foodです。そして言うまでもありませんが、ボードで場所を取らないのはMinotaurですね。
 

  • サウンドレポート

では音を。
なお、試奏ということで今回は特にSoul Foodの内部スイッチはいじっていません。そのため、OFF時、バイパス時の音色については比較していません。というか、Centaurのバッファはかなりナチュラルなタイプで、音を大きく変えることはありませんので、試奏レベルの小さな音では正直違いはほぼ無いと思います。
まず、両者のノブを12時にした設定から。ここで比べて、つい笑ってしまいました。というのも、同じ音と言っても良いほど似ています。厳密に言うと、若干Soul Foodの方が歪み感が強く、コンプレッションが聞いているように感じました。音量もほぼ同等です。ここまで似るか、というほどです。
ただ、Drive/Furyをそれぞれ上げていくと少しずつ違いが見えてきます。ゲイン、というかコンプレッションはSoul Foodの方がやはり強く、全体的にがっつり歪ませることが出来ます。Minotaurは若干ブースターっぽさを残した歪み方をしますね。
逆にDrive/Furyを下げていくと、両者ほぼクリーンブーストまでゲインを落とす事ができます。こちらでは違いはほとんど感じられませんでした。Treble/Toneも同様の傾向で、上げればSoul Foodの方が強くハイが出ます。下げた状態では違いはほとんど感じません。
実際にオリジナルとSoul Foodの比較をしたことがあるので、誤解を恐れずに言いますが・・・「歪み方」という面で言えば、Soul FoodよりもMinotaurの方が僅差でオリジナルに近いです。Soul Foodはかなり歪みがしっかりとして均一感があり、逆に言うと平坦な音に感じられることがあります。Minotaurはその点、少し立体感を残したサウンドを作ります。あくまで僅差で、アンプやギター次第で印象は変わるレベルの違いだと思いますが、そのように感じました。基本的にこの2台、音はそっくりと言えるほど似ています。
一方で操作性に関しては、これは物理的なサイズの違いが物を言います。使いやすさはあきらかにSoul Foodです。ミニサイズペダルの方が好き、見た目がかわいい、等々、音色以外の理由でMinotaurを選ぶ理由を持つ人はいると思いますが、単に「設定のしやすい方」が欲しいならSoul Foodです。とはいえ、それを言ってしまえばKTRの方が、さらにはオリジナルCentaurの方が筐体は大きく、設定もやりやすく、音色は100%オリジナルですけどね。
両者とも、出音はたしかにケンタウロス。ですが細部まで見るとオリジナルとはやはり違っていて、このあたりは所謂クリッピング部が影響しているのかも知れません。特にKTRはSoul FoodやMinotaur同様SMD、表面実装パーツを使って作られていながらあの音が出せているわけで、その違いはパーツ全体の質もあるかも知れませんが、やはり製作者がこだわったクリッピング部は大きいと思います。(ちなみに、Soul FoodにNOSダイオードクリッピング機能を付けたSoul Food“Meat & 3" Modも、まだレビュー等していませんが手元にはあるので、クリッピングの違いについてはそれなりに確信を持って言えます。)
ケンタウロスの持つ、太く厚いあの歪みが欲しい、ということなら、両者とも十分選択肢に入るペダルだと思います。
Soul Foodのサンプルムービー
MinotaurとSoul Foodの違い
 

Movall Audio / Minotaur MM-09【御茶ノ水本店】

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