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レクティークのCLHDこと「Leqtique Caeruleum Lightdrive High Defintion」を試してきました。レポートします!

ハイクオリティなパーツを用いたハンドメイドエフェクターを手頃な価格で。ハイファイさとスムースなサウンドが持ち前の国産エフェクターブランド、Leqtiqueから発売された、CLHDこと「Leqtique Caeruleum Lightdrive High Defintion」を試してきました。
早速レポートしてみたいと思います。

Leqtique Caeruleum Lightdrive High Defintion

こちらがCLHDですね。モデル名が長いので、以下CLHDで統一しますが、その前にモデル名の意味だけ。「Caeruleum」はラテン語で青、「Lightdrive」はその名の通り軽い歪み、「High Defintion」は、高精細、高解像度というような感じです。解像度が高いローゲインの青いペダル、というようなイメージでしょうか。
このペダルに関しては、それぞれお店での商品説明に加え、イケベ楽器でのインタビューなどにかなり詳しいことが載っているので、興味のある方は見てみてください。回路が超シンプルで、狙った音は超ハイファイ〜ヴィンテージ系までをカバーするブースター/バッファー/ローゲインドライブということが分かります。
3つのコントロールは、Volume、Gain、そしてDefinition。モデル名にもなっているノブで、簡単に言えば解像度を調整するような感じですね。

内部はこんな感じです。アルミ削り出しの筐体に、ユニバーサル基板を用いて手作業で作られています。抵抗、配線、ジャックやスイッチなどにも拘りを持っています。特に左上の大きなObbligato製ブラスカップリングコンデンサがこのペダルの目玉的な存在と言えるのではないかと思います。エフェクターではなかなか見ない、というか見たことのないコンポーネンツです。
それでは、レポートいってみましょう。

  • セッティング

Gibson Les Paul Studio


Leqtique CLHD

Roland JC-120
Roland JC-120
今回はこんな感じです。ストラトじゃなくレスポールなのは、特に意味はありません。レスポールも2015年モデルではありませんでした。
 

  • 操作性

ノブに一切のラベルが無いペダルですが、何も考えることなく音を出しながらノブを回せば、音作りはすぐにできると思います。かなりこだわっての微調整も簡単。少し違っていますが、基本的に左からVolume、Tone、Driveみたいな感覚で操作できるので、難しいことはどこにもありません。
 

  • サウンドレポート

では、音についてです。
とりあえずノブは12時で音を出してみた瞬間は、思っていたより歪まない、という印象でした。Gainを動かしたりしてもほとんど歪みません。ローゲインドライブということはもちろん事前に知っていましたが、ここまでローゲインとは思っていなかったので少し驚きでした。オーバードライブの範囲に入れても良いですが、これはブースターペダルだ、という方が伝わりやすいと思います。もちろん若干の歪みを足すこともできますが、CLHDでGainを最大にしてみても、たいていのオーバードライブで言えば「Gainノブ9時前」あたりの設定までかと思います。
ゲインは高くありませんが、そのかわり音の塊というか、ピッキングアタックがそのままアンプから空気の塊になって飛んでくるような太さと強さを持つ音です。感覚的に言えば、恐ろしくフラットでGain設定が9時までに限定された「Klon Centaur」みたいな感じです。
Centaurの名前って、あまり出すと「安易な比較」っぽく見えてしまうことがあるので難しいんですが、このペダルの音の出方を聞いてまず思ったのがCentaurでした。もちろん、音色全体の特性は全く違います。Centaurはミッドが重たく感じるほどの分厚さがあり、重厚な戦車的な歪みがあるんですが、CLHDにはそういう重たさはありません。ギターサウンドに何も味付けしないんじゃないかと思うほど、ギターの音そのままなサウンドが出力されます。なので全然違う音のペダルなんですが、ブースターとして使ったときの音の強さ。鋭く抜けるサウンドではなく、重たい一撃が飛んでくるような音の抜け方には共通項があると感じました。それが第一印象です。
そして、Gainを最大にすれば少し歪みを足すことができます。ただ、この歪み方は多くのオーバードライブペダルの歪み方とは全く違うと言って良いと思います。あえて表現するとすればクリップや「割れ」という方が近いかもしれません。クリーンなサウンドが続いて、そこにジャリっとした音の割れ感が加わる。もちろん実際の音割れとは違いますが、「歪ませるためのオーバードライブ」ではなく、「ハイファイオーディオ機器が歪んでしまった」ような感じの歪みに思いました。ただ、これはたぶんアンプがJCだったこともあるかと思います。この歪み成分を活かすとなると、やはりチューブアンプが必要かなと思いました。CLHDでブーストしたシグナルがアンプで歪んだ時、そこにこの軽い割れ感が加わると、音に「いなたさ」が加わって面白い歪みが作れそうだと思います。この歪みの感覚って、なぜか日本のハイエンド系ハンドメイドペダルで感じることが多いと思います。全く使いにくさは感じ無いけれど、すごく手懐けるのが難しいというようなイメージ。同様の感覚を持ったペダルとして、個人的に近いと感じるのは「Human Gear Vivace」です。そういえばVivaceもかつて、その音色特性は全く違うにもかかわらずCentaurと共通項があると言われたペダルですので、CLHDとも似たところがどこかあるのかもしれません。なお、Gain最大設定でもギターのVolを8くらい(シングルコイルだと少し違うかもですが)まで落とせば普通のクリーンブーストな音になりますし、そこからさらに下げればバイパスフルテン時とほぼ同じ音も出せますので、そう言う意味での操作性は高いです。
面白いのが中央のDefinitionノブ。何も考えずに適当に回すと、逆回しのToneコントロールやRatのFilterノブみたいな感じかな、と感じるかもしれません。実際そんな感じで使えるノブなんですが、よく音を聞きながら回してみると、たしかに音の「解像度」のコントロールです。右に回せば全体的に音が少し霞み、同時にコンプレッションが強くなります。先ほどのGain最大設定での「音割れ感」が緩和され、オーバードライブ的な歪みを作りやすくなりますね。
逆にDefinitionノブ最小設定ではギターの音がほとんどかわりません。Gainを上げすぎると音割れ感のある歪みが付加される感覚からも、オーバードライブというよりもオーディオ機器とかDAWソフトのフェーダーをいじっているような感じのイメージになります。
全体的に、とても面白いペダルですね。高電圧駆動、高解像度、高出力。これらのキーワードを体現しつつ、そこから出て来るイメージの音にさらにハイファイさを倍増させたようなペダルだと思います。使いやすいんですが、完全に手の内にするにはしっかり使って特性を把握しないといけないとも思います。
特にアンプとの組み合わせで設定をして音を作っていくというのが重要になってくるペダルですね。特に自分のアンプを持っているプレイヤーや、使うアンプが決まっているプレイヤーならこれは手放せないペダルになると思います。
どんな設定にしても「ハイファイ」なサウンドの特性があるので、これが好みかどうかはそれぞれですね。ヴィンテージサウンド好きなプレイヤーだと、ちょっと合わない、となるかもしれません。そこは実際に試してみて、合うかどうかを確認する方が良いかな、とは思いました。
好みに合う、合わないがけっこうはっきり出るタイプだとは思いますが、好みに合えばとんでもなく好きになれるペダルとなりそうです。全体のクオリティがとにかく高い。そして各要素の向いているベクトルが全て同じ。なのである意味ピーキーなペダルとも言えるかも知れませんが、そのベクトルの向く方向が、プレイヤーの向いている方向と同じならば最高のパートナーとなるペダルです。

サンプルムービー

 
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