ヴィンテージサウンドを丁寧に解析し、オリジナルサウンドを作り上げる。ハイクオリティなアンプやエフェクトを制作しているOrganic Soundsのオーバードライブ「Organic Drive」。
伝説的なオーバードライブ、Centaurを参考に制作されたオーバードライブペダルです。
このペダルは“Hydra”と“Ares”の2種類のバリエーションがあり、Hydraは最初期の“Fax Only”ゴールドと、Aresは同じくFax Onlyのシルバーモデルのバッファ部をそれぞれ元にし、歪みを作る部分はオリジナル回路で製作されたモデルとなっています。
これらの話は最新のThe EFFECTOR BOOK Vol.48にも掲載されています。
本体のカラーはシルバーとゴールドそれぞれ選択可能。今回はHydraがシルバー、Aresがゴールドとなっていますが、これはオーダー時に選択できます。
Organic Driveorganic-sounds.com
ということで、これらのペダルのレビュー、いってみましょう。
Organic Sounds Organic Drive Hydra
まずはHydra。3つのコントロールは左からVol、Tone、Gain。筐体にはヒドラが描かれています。実在の生物の方じゃなく、ギリシャ神話に出てくる方ですね。ギリシャ神話ってあたりはCentaurと通じるところがあるのかなという感じです。
筐体のスタイルはRAT的な形となっていて、コンパクトで扱いやすい形状です。
内部はこんな感じ。パーツのこだわりっぷりが見て取れます。素晴らしい。CentaurといえばGainポットが2段になっていてクリーンミックスが加わっていますが、見ての通りこちらは全部スタンダードなポットとなっていることから、歪み部の回路はオリジナルで製作されている、というのもよく分かります。
裏蓋には電池を固定することもできます。
Organic Sounds Organic Drive Ares
続いてAres。アーレスはギリシャ神話では戦を司る神です。古い時代の兵士とか指揮官を思わせる図柄が描かれています。
コントロールや機能、サイズなどは同じです。
内部はこんな感じ。特に大きな違いとしてはLEDクリッピングが見える点でしょうか。
バッファなども違うもの(こちらはシルバーのFac Onlyがベース)となっています。
こちらも裏蓋に電池を固定できます。この構造自体はよくあるんですが、すごいなと思ったのはここまでちゃんと塗装されてるんですよね。
シルバーの方も見ればわかるんですが、こちらの方が分かりやすいです。外からは見えないところ、別にいわゆるクロムカラーのパーツのままでも何も言われないところまでこだわっているところはちょっと驚きでした。
さて、このペダルはCentaurのトーンからインスパイアされて作られたということですので、今回は
こちら。Klon KTRも加えて、レビューしてみましょう。、
操作性
スタンダードなコントロール、コンパクトな筐体、シンプルな構成なので難しいことはありません。底面もフラットになっていて、別途ゴム足が付属するスタイルなのでボードにも設置しやすくなっています。
ちなみにCentaur/KTRは左からGain、Tone、Volとなっています。
サウンドレポート
では、音について。まずは2つサンプルを録ってみました。
クリーンアンプ+ブーストドライブセッティング
サウンド:クリーン→KTR→Ares→Hydra
ノブ:Volume:3時、Tone:3時、Gain:10時
ギター:Fender USA American Vintage 57 Strat
ピックアップ:リア
アンプ:Kemper Profiler
リグ:Cornell Romany Plus(クリーン)
ドライブアンプ+オーバードライブセッティング
サウンド:アンプドライブ→KTR→Ares→Hydra
ノブ:Volume:9時、Tone:2時、Gain:3時
ギター:Fender USA American Vintage 57 Strat
ピックアップ:リア
アンプ:Kemper Profiler
リグ:Bogner Ecstasy Ch3 Boost(ドライブ)
まず本体の歪みをメインに使う場合。
こうして聴くと、KTRのミッドの密度はすごいですね。Organic Driveはどちらももっと周波数全体のバランスが良いことが分かります。レンジが広く感じますが、たぶん出てるレンジ自体は変わらず、ただ周波数帯のバランス設計は全く異なってますね。
KTRはなんというか、台形なイメージ。プリンみたいな。ミッドとハイミッド、ローミッドがどかっと持ち上がってます。一方Organic Driveはどちらもバランス良く全体が上がって感じます。並べるとこんなに違うのに、歪みの感じや音の雰囲気はどこか共通する部分があるのは面白いですね。
歪み自体はAresの方がバランス良く感じます。Hydraはより広く持ち上がり、コンプレッション感は少なく、音量がちょっとでかい。単純に歪みとして使うなら、個人的にはAresが好きかなと思いますが、よりブライトな感じが出るのはHydraかも。ハムバッカーとか歪んだアンプだと印象が変わるだろうと思って、ドライブアンプをブーストするセッティングも試してみました。
それが2つめのサウンドなんですが、思った通りというか、Hydraのちょっとジャリっとした感じのするブーストトーンが歪んだアンプにとても良く合います。フェンダー系アンプならAres、マーシャル系アンプならHydraの方が相性が良いかも知れません。
とはいえ、どちらもとても良いですね。なんだろう、ものすごく派手で分かりやすいキャラクターがあるわけではないんですよ。ただ、ギターの音をそのまま歪ませました、みたいな透明系のトーンでもない。Centaurっぽいといえばぽいんですが、聴いての通り違う音です。方向性はCentaur、だけどもっと自然なトーン。この「自然」というのは味付けが少ないという意味ではなくて、すっと入ってくる感じの「自然」。
どういえば良いか・・・エフェクターで歪ませた感じがしないんですよね。かといって「真空管アンプの音だぜ」的な押し出し感があるわけではなく、サウンド自体が「自然に」前にちゃんと出てくる。例えばもし楽器店にあって試したりすると、意外と印象に残りにくいタイプかもしれませんが、実際に買って使うといつまでも弾き続けてしまうタイプ。つまり、手放せなくなるサウンドのペダルです。これってすごい絶妙なバランスだと思います。
HydraとAresどちらか迷う感じはあると思いますが、主にアンププッシュに使うならHydra、メイン歪みとして使うならAresかも。ただよりブライトなトーンが好きならHydraもいいかも。ハムにはHydraかもしれません。って言うとHydra推しっぽいですけど、個人的にはシングル+メイン歪みでAresが好きかなと思います。その辺はそれぞれですけど。
音そのものに触れられそうな近さがありながら、それでいて使いやすいペダルなのもポイントです。手元で自在にコントロールできるけど、気にせずかき鳴らしもOK。クオリティ高いです。
Organic Drive/Long Ver.
【Organic Sounds Organic drive】ストラトで弾いてみたHydraとAres簡単レビュー
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