ここ2日ほど、Kemperについてのいろんな内容が細かく記事になっていて分かりにくかったりすることもあり、改めて現在のKemper製品について整理しつつ、まとめたいと思います。
- まずは経緯から
7/20土曜日、というか正確には7/19金曜日の夜に突如、Kemper公式が動画を公開。
現在Summer NAMMも行われている中、全ての話題をかっさらっていくような「フロアタイプのKemper」を思わせる動画で、大きな話題となりました。
toy-love.hatenablog.com
これですね。この時にはまだ詳細は分からず、「たぶんKemperのフロアタイプだけどワンチャンRemoteのアップデートかも」みたいな状況で、さらに7/24に追加情報、的な文章もあったため、なるほど24日を待とう、となった人も多いと思います。その後Kemperに入荷、もしくは出荷準備のような写真も公式SNSにアップデートされ、外箱からほぼフロアタイプだろう、ということや、海外の公式フォーラムでは「Profiler Stageではないか」というモデル名の予測まで出ていました。
ちなみにこの画像は私が編集したもの。フォーラムで「画像拡大したらたしかにSTAGEかも」みたいな話があって、実際にやってみたらたしかにそう見えなくもないな、というような感じだったので、これは記事にせずTwitterのみで載せていました。
そして先ほど、さらに突如、全貌を見せる動画が公開。まさにモデル名が「Profiler Stage」であることや、各種機能機能、接続端子が分かる内容がアップデートされたのです。
それについては記事にも載せましたので、詳細はそちらを見ていただければと思います。
あ、あと、そもそもKemperって何なのさ、って方はこちらの記事を是非見ていただければと思います。
toy-love.hatenablog.com
- 「Profiler Stage」の立ち位置
それでは、現在のラインナップを元に、この新しいフロアタイプのProfiler Stage(以下Stage)が、どのような立ち位置にいるのか考えてみましょう。
Stageは、Kemperプロファイリングアンプの全ての機能(パワーアンプを除く)を持つ、フロアマウントタイプのプリアンプ/マルチエフェクトペダルです。
現行のラインナップをおさらいします。
KemperのProfiker(Profiling Amplifier)には、大きく2つのモデルがあります。それぞれデスクトップタイプとラックタイプがあり、価格が安い方はパワーアンプが付いていません。
パワーアンプ内蔵型は、600Wのデジタルパワーアンプを搭載。それ以外の機能に違いはありません。
そして、さらにKemperは、パワーアンプのあり/なしに関わらず、それらを足元で制御するためのフットスイッチ、Kemper Remote(以下Remote)をラインアップしています。
さて、今回発表されたStageは、Kemperのパワーアンプなしモデルと、Remoteの機能を合わせたモデルとなります。フットスイッチ周りの操作系に新機能があるかもしれませんが、基本的に素のProfiler+Remoteです。これは、価格帯的にはパワーアンプ内蔵型モデルと同等の価格帯(つまり30万円前後)となります。
- 勘違いしてはいけない
最近、「小型フロアタイプ」のモデルを追加で出す流れが出ていて、それらの多くは大元のモデルから「機能を削減して」小型化、低価格化したモデルです。
人気のHX Sompはもちろん、Headrush Gigboardもそうですね。国内発売前ですが、40万円クラスのAxe-Fx IIIに対し、18万円程度と言われている小型版「FM3」ももちろんその流れです。
唯一機能強化して上位モデルとして出てきたのはMooer GE300ですが、これはもともとが小型低価格マルチからのフラッグシップ機という流れですね。
今回のStageは、これらのモデルとは全く違った性質のものであることを再確認しておきたいと思います。
StageはこれまでのKemper ProfilerとRemoteを合わせて小型化されたモデル。機能は全て揃えているようです。つまり、もともと30万円クラスの機材が、そのままの機能で小さくなったということ。場合によったら価格が上がってもおかしくないモデルである、ということです。
まぁKemperは発売から時間が経っているので、据え置き価格、くらいはできるかもしれません。もし仮に、25万を切るような価格であれば、それは大セールプライス。迷う必要が一切無いくらいの価格です。
ちなみに分かってるとは思うんですけど、現行のKemper(パワーアンプなし)とRemoteって合わせたら28~29万クラスの機材ですからね。
— K - きになるおもちゃ (@kiniomo) 2019年7月21日
Profiler StageはGE300とかHELIXはもちろん、FM3よりも上位モデルの機材だと思いますよ。
国内価格25万切ったら激安、ってレベルです。 pic.twitter.com/vso5y0t3CV
というのも、SNSだと、10万円くらいだといいな、とか、15万円くらい?みたいな話をちょっと見かけることがあって・・・・・・もしその価格だったら、私は今のKemperに加えてStageを買い足します!というような感じなんですよね。もちろん気持ちは分かるんですけど、さすがにそれはないだろうと思いますし、Kemperとして「まともな価格」で売っているのに「高すぎる」と失望されてしまうこともあるんじゃないかと思ったので、あえてここに書いておこうと思いました。
- 使い方の立ち位置
ということなので、価格帯については、正直30万クラスを覚悟した方が良いと思います。
追記:海外価格と思われるものが出て、それによると現行のパワーアンプなしモデルよりも少し安いくらいの価格でした。同様の割合で国内でも販売されるとすれば、Stageは20万円前後かもしれません。だとしたら素晴らしく安いです。
では、このStageはどのように使うことを想定したものでしょうか。
実際、Kemperの公式フォーラムでは、長いことこの「フロアタイプ」を待ち望む声が多く、かつて・・・去年だったかな、NAMM SHOWで新製品を発表せず、「新しいリバーブを開発しているよ」というリリースだけだった時(すでに実装されました)は、「欲しいのはそうじゃない、フロアタイプだ」とフォーラムが荒れたほどです。
では、実際にKemperを所有している人が、このモデルを買い足すことはあるでしょうか。
余裕があるなら、「持ち出し用Kemper」として使う人はいると思います。現状のラックやデスクトップは、たしかに持ち運びは大変です。Rig(いわゆるプリセット)やキャビ(IR)のデータはPCに保存しておけるので、今持っている人が「買い換える」可能性はけっこうあるかもしれません。ただ、パワーアンプは内蔵していないので、そこをどうとらえるかですね。現在パワーアンプなしを使っている人なら、買い換えたくなれば迷うことはないんですが・・・Line6 Powercabのようなパワードキャビを使う手はありますが、持ち運びはより大変になりますし。
ただ一方で、「これからKemperを買う人」にとっては朗報です。パワーアンプが必要ならそちらを、不要で、持ち運びもするならStageを、卓上に置いて、フットスイッチもいらないなら無印Profilerを、という選び方ができます。こういう選択肢の広がりを考えれば、Stageの発表、発売は良い方向に行くのではないかと思います。
- エディタ(Rig Manager 3.0)との兼ね合い
今年の1月に開かれたWinter NAMM SHOWで、Kemperは「エディタの実装」を発表しました(現時点で未実装)。
こちらの開発は進んでいるということはオフィシャルでもアナウンスされていて、Kemperのファームウェアバージョン7.00、Rig Manager(プリセット管理ソフト)バージョン3.0から実装予定とのこと。現在のファームウェアバージョン6.00です。
これは、フロアタイプに合わせたもの(発売時期が合うかは不明)である可能性は高いです。デスクトップやラックと違い、Stageは操作部が小さく、また操作もかがんでおこなわないと行けないので、エディタがないとかなり辛くなります。なので、それに合わせてエディタが早めに出てくる可能性は大いに期待できるかもしれません。
追記:キャビネットについて
メーカーページでこんな写真が出ていました。
Kemperは、今年1月のNAMM SHOWで上記のエディタと共にキャビネットを発表しています。
ですが、その時のリリースではキャビネットはパッシブで、パワードキャビネット(パワーアンプ内蔵型)は開発の予定はあるけどまだ目処が立っていない、ということを言っていました。
ところが、この写真に写っているキャビネットは、まぎれもなくパワードキャビネットです。(Stageにはパワーアンプがないので、直結するならパワードキャビネットになる)
もし早めに発売されるとしたら・・・それもまた面白いかもしれません。
- Kemper2はしばらく出ない?
で、まぁ見てのとおり、StageはこれまでのKemperプロファイリングアンプと「同じファームウェア」を使ったモデルです。ここに来てバリエーションモデルが新製品として出る、ということは、Kemperとして、まだしばらくは「Kemper2」と言えるようなメジャーアップデートをする気がない、ということもある意味で読み取れます。
これはこれですごいことですね。まだまだ第一線でやっていける自信がある、ということですから。
いずれにしても、Kemperのニューモデル「Profiler Stage」、楽しみです。これでよりKemperが活気づいてくれると、1Kemperユーザーとしてはとても嬉しいと思います。
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