さすがに80年代のように100万円以上かけて冷蔵庫みたいなシステムを組んでいるプレイヤーはほとんど見かけない(トッププロくらい)ですが、ハイエンドなデジタル機器を使用したコンパクトなラックシステムというスタイルが、同等のことをペダルボードでやるよりも軽量かつ小さなシステムが組める、という考え方が出てきていますね。
どんな感じのラックが組まれているのか、軽く見てみたいと思います。システムのタイプ別にブランド名順に載せます。
- メイン機材:デジタルマルチエフェクター/アンプ
システムの中心となる、デジタルマルチエフェクターです。デジタルアンプ、と呼ばれることもあります。
Fractal Audio Systems Axe-Fx II XL+
258アンプモデルや189キャビネットモデルなど、数多くのアンプシミュレーターに加え、多数のエフェクトを収録。全てのクオリティが最上位クラスです。それらを768プリセットまで保存でき、各プリセットごとに8つのシーンを設定可能です。
Kemper Profiling Amplifier Rack
Kemper Profiling Amp Power Rack
Line6 Helix Rack
デュアルDSPでクラシックからモダンまで、アンプ、キャビネット、マイク、エフェクトを忠実に再現するという新しい「HXモデリングエンジン」を用いたハイクオリティエフェクトやモデリング、そしてシステム全体を管理できる多彩な入出力端子、機能を搭載。4系統のディスクリートステレオシグナルパスによる内部の自在なシグナルラインの構成を実現。45種類のアンプ、30種類のキャビネット、16種類のマイク、70種類のエフェクトを収録します。
Positive Grid Bias Rack Processor
Positive Grid Bias Rack
だいたいこのあたりですね。KemperとBiasはパワーアンプ搭載モデルもあり、それぞれ3U、2Uラックをキャビネットの上に置いてアンプヘッドとして使うだけでシステムを完結させることもできます。(別途フットスイッチは必要となるかと思いますが、その辺は全モデル同じですね。)
- パワーアンプ
FractalやLine6、またKemper、Biasのパワーアンプなしモデルに加えるラック型パワーアンプです。KemperやBiasも、本体内蔵のパワーアンプではなく、パワーアンプ専用モデルを使うことでよりハイクオリティな音色を狙う場合もあります。
ラック型パワーアンプはかなりたくさんあるんですが、1Uの現行モデルからいくつか載せてみます。
Fryette Power Station
ラックマウントキットを使うことで、1Uパワーアンプとしても使うことができます。
Koch ATR-4502
Matrix GT1000FX
とりあえずこのあたりでしょうか。パワーアンプもいろいろなモデルがありますが、10万円前後のものが主流のように思います。
- その他機材
KORG Pitchblack Pro
Line6 Relay G90
トッププロの機材ではSHURE UR4D+-H4HKが今は主流ですが、さすがに50万円くらいするので・・・普通のプレイヤーはこのあたりではないかと。まぁワイヤレスは必要なら入れるって感じかと思います。
Two Notes Torpedo Live
ということで、小さめのラックを考えてみました。ラックシステムだと電源モジュール(ペダルボードでいうパワーサプライ)から考えるのがかつての常識でしたが、これくらいのサイズであればFurman SS-6Bのようなタップ型のモデルで十分ですね。ラック型にするとケースのサイズも重さも増えてしまいますし。
だいたい3U〜4U、ワイヤレスまで含めても5U程度で組めるラックです。マルチエフェクターでもあり、アンプヘッドとしてもそのまま使えるので、自分のヘッドや多数のコンパクトエフェクトを載せた大型ボードを持ち運ぶよりもコンパクトなシステムとなる、というのが特徴です。もちろんMIDIスイッチやそれぞれのモデルに適合する専用フットスイッチなどは使う必要がありますが、それを含めても、コンパクトペダルやアンプヘッドよりもシンプルに完成するということですね。やりたい事次第で、ボードよりラックの方が軽量コンパクトになる、ということが実現しているのが今のデジタルのシステム、ということですね。
かつてのラック全盛期から、90年代後半〜2000年代ごろにラックは一気になくなり、コンパクトペダルが一般的となりました。そして、デジタルの発展にともない、こういったシンプルなラックシステムがまた出てきたというのはちょっと面白いなと思います。
コンパクトペダルのボードが完全に置き換わるか、というとそれはなさそう。両立しつつ使い方に合わせたスタイルとして、どちらも多く使われていくのではないかと思います。
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