グレッチから、ついにこのモデルが出てしまいましたw
長い歴史を持つグレッチ・ギターですが、現在はFenderの傘下企業となっていることはご存知の方も多いと思います。1989年以降に生産されたグレッチギターは、過去にグレコブランドからグレッチのコピー品を製作していた実績を買われ、主に日本の寺田楽器で製造されていました。他にEpiphone Japanのモデル等も製作している、日本を代表するギター工房さんですね。それは2003年にFender社がGretsch社を買収してから現在に至るまでも続いているようですが、2003年以降は寺田楽器だけでなく、こちらも日本を代表するギター工房、フジゲンで作られたモデルも存在するそうです。
グレッチは1973年に工場を2度の火災に見舞われて以来、ギターの各部の製作工程をアメリカで行わず、各国の拠点で分割しておこない、最後にアメリカで組み込む手法をとってきたようです。例えば先に述べた寺田楽器も、ネックやボディ等をパーツ単位で製作してアメリカに送り、組み込みはアメリカで行われていたという話もあるようです。（といっても、寺田楽器さんほどの技術があるところなら、全部作ってからアメリカに送った方がコストもかからないし品質も高い気がしますので、この話はちょっと眉唾かもしれません。）
まぁ、これはレギュラーモデルの話です。現在、グレッチの親会社となっているFender社は、今では大企業です。「アーチトップを作る技術もない」とギブソンからバカにされたといわれる、発足当時のFenderとは違い、当然、アメリカでギターを1から10まで製作できる技術と工場を持っています。そんな中でも特に高級なモデルを手作業で製作している工場があります。かの有名な、Fender Custom Shopの本拠地、コロナ・ファクトリーですね。実はそのコロナ工場では、「Gretsch USA Custom Shop」名義のモデル製作も手がけており、非常に数は少ないながらもいくつかのモデルを発売しています。製作は、マスタービルダーのStephen Sternという方が手がけておられるようですね。さすがにFender本家モデルと違って、何人もマスタービルダーがおられるわけではないようです。
ちょっと特殊なモデルなので、だいぶ前置きが長くなりましたが･･･本題です。今回ご紹介するのは、そのGretsch USA Custom Shopにて製作されたモデル、「Gretsch USA G6120SSC Brian Setzer Tribute」です。このモデルは、おそらく今、世界一有名なグレッチプレイヤー、ブライアン・セッツァーの持つメインギターの、1959年製6120を忠実に複製したものとなっています。まぁ作っているところも同じですし･･･Jeff Beck Esquire等のトリビュート・シリーズと同じ方向性の企画で作られたモデルだと思いますが･･･そのこだわり方もFender Custom Shopのトリビュート・シリーズにひけをとりません。外されたプリセットトーンスイッチや貼られたデカール、サイコロノブ等は当然のこと、塗装の剥がれや金属パーツのくすみ、そしてボディの内部構造なども、もちろん再現されています。PUにはTV JomesのClassic Pickupsを搭載しているようですね。本物同様の外観で作られたハードケースも付属します。
セッツァーのオリジナルモデルと外観で唯一違うのが、ヘッド裏に入れられた「Gretsch Custom Shop U.S.A.」のロゴとセッツァーのサイン、ということのようですね。あと、付属品としてブライアン・セッツァーのドキュメンタリーDVDと、認定書が付属するようです。
まぁ、なかなか買えるような価格のモデルではありませんが･･･これは是非、実物を見てみたいですね！
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