名機ROSS/Compressorを元に設計したハイクォリティ・コンプレッサーが新登場です!Retro-Sonic ... |
この「Retro-Sonic COMPRESSOR」は、海外では前から作られていたモデルではあるんですが、正規で日本にも入ってくるようになったようです。
先に、ROSS Compressorについて少し述べます。
ROSS Compressorは、ギター用のコンプレッサーペダルとして非常に高い評価を得ているヴィンテージコンプレッサーですね。ROSSというブランドは1965年に設立されたアメリカのエフェクターブランドです。Keas Electronicsという会社が母体となっており、ROSSというブランド名はその代表、Bud Ross氏の名前から取られました。
Ross Compressorは1978年に発売され、同じ78年の12月26日にパテントが提出されています。2つのノブを搭載した独特の灰色の筐体が特徴で、最初期のモデルは2つのノブがOUTPUTとSUSTAIN、後にOUTPUTがLEVEL表記となります。その後、製造はアメリカから台湾に移行され、同時に筐体もブラックに変更されます。
時期によって多少音は変わり、ヴィンテージペダルのご多分に漏れず、最初期のモデルが特に貴重とされています。(音の好みはともかくとして、要するにプレミア価格が高いということです。)
そんなROSS Compressorですが、当時も人気が高く、また生産が終わり、ヴィンテージと呼ばれるようになってからも十分に人気のあるペダルだったんですが、その名前が一般的に知れ渡るようになったのが、Keeley Compressorの存在です。
Keeleyは、ROSS Compressorの回路を元にした現代的でクリアなコンプレッサーを制作し、それまでの多くのコンプレッサーにあった、ノイズがあったり音が変わりすぎる、という点を解消した、ナチュラル系コンプレッサーをリリース。これが世界的にヒットしたことで、同時に元になったROSS Compressorの人気も高まりました。Keeleyだけでなく、Analog.Manを始め世界中のエフェクターブランドが今ではROSS系コンプレッサーを制作しています。
元々ROSS CompressorはMXR Dynacompを元にして作られています。Keeley Compressorがよりナチュラルな方向に仕上げられていたため、ナチュラルコンプ=ROSS Compressorと言われることもありますが、実際はDynacompとはまた少し違うものの、傾向としては似た方向性の、「しっかりコンプがかかる」ペダルです。ただ、その特性が変わっていて、弾いていると謎の心地よさがあるのも事実で、現在ではより忠実に、ヴィンテージROSSコンプサウンドを再現したモデルも出てきています。
で、今回の「Retro-Sonic COMPRESSOR」です。コントロールはオリジナル同様のSustain、Levelに加え、Attackコントロールとスイッチが付いています。このスイッチでBrightモードとDarkモードを切り替えることができ、オリジナルモデルでは帯域的にイマイチ相性が良くなかったベースにもしっかり使えるよう、帯域を切り替えることができるようになっています。ちなみにこのスイッチはVer.2モデルとしてアップデートされた際に付けられたものです。
灰色のMade in USA時代のサウンドを継承しつつ、現代的なコンポーネンツの採用によりノイズレスを実現。オリジナルにはないON/OFF表示LEDを付けたトゥルーバイパス仕様となっています。
サンプルムービー
動画を見る限りでは、ROSSコンプらしい、音が音符ごとに丸くなって、アコースティック感が付加される独特のサウンドはかなり再現されていそうですね。ただ、オリジナルよりは若干ナチュラルなサウンドのようにも思います。ヴィンテージサウンドを基本にしつつ、若干モダン方向に振った音、という感じでしょうか。もちろん、実際に弾いてみないとなんとも言えないところはありますけどね。
正直、ROSS Compressorの音はものすごい良いです。けっこう癖もあるので好みは分かれるかもしれませんが、弾いていて非常に気持ち良いんです。
このモデルがどの程度その音を再現しているのか、非常にきになりますね。クオリティはかなり高そうです。
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