複数のエフェクトループを持ち、それらのON/OFFをプログラムして登録できるプログラマブルスイッチャー。以前プログラマブルスイッチャー特集をやりましたが、そこからまた新たなモデルが多く登場しています。
それほど派手なエフェクターではありませんが、ペダルボードの使い勝手を大きく変え、またボード自体の見た目にも違いの出るプログラマブルスイッチャーというペダル、特にペダルボードに載るコンパクトエフェクターの数が増えつつある今、非常に熱いエフェクトの1つだと言えるのではないかと思います。
今回は改めて、現在のプログラマブルスイッチャー事情を見てみたいと思います。けっこうな数があるので、3回に分けていきます。実際にまとめてみると、4Loopと5Loopを境に、なんとなくスイッチャー自体の趣や価格帯も大きく変わるような印象をうけましたので、今回はまず、4Loopまでのコンパクトなプログラマブルスイッチャーを見ていきましょう。
・・・とその前に、非常に簡単なスイッチャーの用語解説を載せておきます。
といっても、ループ(エフェクトループ)やプログラムやプリセット、バンクなどはだいたい分かると思います。それぞれエフェクターを接続するためのSEND/RETURN、ループのON/OFFの組み合わせなどを保存したデータ、そしてバンクとプリセットは、マルチエフェクターなどにも出てきますが、限りあるフットスイッチの数に、それ以上のプログラムを保存して呼び出すために使う、組(バンク)のことですね。
そして、ちょっと分かりにくいのがセパレートループまたは独立ループという概念。例えば5ループのスイッチャーがあるとすると、一般的に最もスタンダードなのはシリーズ(直列)5ループだと思います。インプットをI、アウトプットをO、SENDをS、RETURNをRとすると、[I SR SR SR SR SR O]という形で繋がっているループのことです。これが例えば、1つのセパレートループを持つ4+1の5ループの場合、[I SR SR SR SR O]という4シリーズループと、[I SR O]という1ループを組み合わせた物、ということです。そしてスイッチャーではそれらのON/OFFを一括管理します。こうすることで、例えば4ループの方をアンプの前、1ループをアンプのエフェクトループに入れて、それらをまとめてON/OFFしたり、4ループのインプットにバッファが入る場合、先に1ループの方にバッファをかけたくないエフェクトを入れ、その後4ループへと信号を流す、といった自由度が生まれます。デメリットとしては、直列5ループとして使いたい場合に、4ループのアウトプットと1ループのインプットを繋ぐパッチケーブルが必要となるということですね。
もう分かると思いますが、単純に5ループと言っても、[I SR SR SR SR SR O]や[I SR SR SR SR O][I SR O]という4+1、[I SR SR SR O][I SR O][I SR O]という3+1+1、[I SR SR SR O][I SR SR O]といった、3+2など、いろいろな分け方ができます。このセパレートループ、以前はフラッグシップ級モデルにしか付いていなかったんですが、最近は低価格なモデルでも見ることができるようになっていますので、覚えておくとシステムを作る際に非常に役に立つと思います。
また、セパレートループや専用の端子を使ってラッチ式スイッチ操作ができるモデルも多くあります。アンプのチャンネル切替などができる、と書かれているものの多くはこの機能ですね。MIDI機能を搭載している場合もあります。ラッチ式スイッチやMIDIで切り替えられる機能については、アンプやエフェクターなど、受け側の機器の仕様によって異なるところは注意が必要です。単純にラッチ式スイッチでアンプのチャンネル切替ができる、と書かれていても、アンプ側が対応していなければできません。
あとはダイレクトモードでしょうか。これは、プログラマブルスイッチャーをノンプログラマブルのスイッチャーとして使う機能で、各ループのチェックなどに使える機能です。他には、チューナーアウトを用いた一発ミュートチューニング機能などもあります。DCアウトプットを搭載し、スイッチャーに供給される電源を分けてエフェクターに出力する機能があるものもあったりしますね。
それから、リンク機能というものがある場合もあります。リンク機能とは、同じスイッチャー、または対応するスイッチャーを専用のケーブルで接続することで機能を増強するものです。大きく分けて2種類あり、単純に機能(ループ数やプリセット数)を加算するタイプと、シンクロといって機能は増えませんが、もう1つのスイッチャーからリモート操作が行えるものがあります。前者は複数のペダルボードを使ったり、単純に機能を増やしたいときに、後者はローディやテックなどによるリモート操作が必要な場合に使うことができます。
それでは、実際にスイッチャーを見てみましょう。
※ループ数順に、同じループ数ではメーカー名順にご紹介します。
- 3Loop
Soul Power Instruments The Three
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今ではそれほど珍しいスペックではありませんが、直列3ループで3つのプログラムを保存可能。さらにインプットバッファのON/OFFやミュート機能付チューナーアウト、ダイレクトモード、1発切替モードを搭載しています。デザインもハンドメイドエフェクターブランドらしい作りです。
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- 4Loop
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CAJ RS442II
Custom Audio Japan スイッチャ― RS442 II |
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Decibel Eleven Switch Dr.
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2013NAMM SHOWでの様子
Flex Reaction Compound 44
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G-Lab GSC
音楽体験的新春セール★第一弾【正規輸入品・新品】G-LAB (ジーラブ) Guitar System Controller... |
4エフェクトループ、30プリセットのプログラマブルスイッチャーで、リレー式のトゥルーバイパスを採用。ミュートチューニング機能や2系統のラッチスイッチ、3台までのMIDI機器をコントロールできる機能を備えています。リンク機能も搭載。
Moen GEC438
Moen GEC438 Guitar Effects Commander |
このペダルは、4つのループを備えていて、そのうちの3つを好きな接続順で並び替えてプリセットでき、8つまでのプリセットを保存できるというモデルです。エフェクトループを自在に並べ替えられる手頃なプログラマブルスイッチャーとして、革新的なモデルとなったペダルですね。バッファのON/OFFも可能です。
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Providence PEC-04
【エフェクト・ループ】Providence 《プロヴィデンス》 PEC-04 【あす楽対応】 |
3つのシリーズループと1つのセパレートループによる4ループスイッチャーで、4つのプリセットを保存可能。プログラムモードとマニュアル(ダイレクト)モード切替や4つのDCアウトを搭載しています。チューナーアウトもあります。
Soul Power Instruments The Four
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4ループのプログラマブルスイッチャーで、3つのバンクにより12種類のプリセットを保存可能。チューナーアウトやバッファのON/OFF、およびダイレクトモードを搭載しています。
イントロダクションムービー
というわけで、今回はまず4ループまでのプログラマブルスイッチャーを見てみました。以前の特集とかぶる部分もあったりしますが、新しいモデルも出てきていたりしていますね。今、非常に多数のモデルが出てきて、価格帯やサイズなどもいろいろと以前とは変わってきているスイッチャー界。導入には少し敷居が高いこともありましたが、最近はそうでもなくなってきているのではないかと思います。
いろいろ見ていると、それぞれ工夫を凝らして様々なモデルを製作していて、面白いですね。
Part2へ続く
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