今、たくさん発売されている様々なプログラマブルスイッチャーには、それぞれいろいろな機能や特色が備わっています。それらに共通するものとしては、接続したループのON/OFFをプログラムして保存し、フットスイッチで切り替えられるというものです。
ON/OFFのプログラムができるからプログラマブルスイッチャーなわけですが、エフェクターの接続順を変更することのできるスイッチャーはそれほど多くありません。
エフェクターは、接続順を変えると音が変わります。通常エフェクトは後ろのものほど効果が強くなるため、例えばブースターと歪みでは入れ替えることで歪みの強さや音量が変わり、ディレイやコーラス、リバーブの順序を入れ替えると音の立体感や空間的な表情を変えることができます。
今回は、今日本で発売されている3つの「フェクターの接続順を変更することのできるスイッチャー」を、それぞれいろいろな項目から比べて見てみたいと思います。
まずは簡単な紹介から。
BOSS ES-8 Effects Switching System
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非常に多彩な機能を持つ最高峰のプログラマブルスイッチャーの1つとして知られています。
Decibel Eleven Pedal Palett
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多彩な接続方法を設定することが出来るスイッチャーです。どちらかといえばマイナーなモデルですが、機能は高く、また外観も一般のスイッチャーよりデザインが入った感じのモデルですね。
One Control Salamandra Tail Loop
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では、いくつかの項目から比較してみたいと思います。
- エフェクトループの数
BOSS ES-8 Effects Switching System
ES-8は8つのエフェクトループと1つのVolume Pedal Loop、合わせて9つのエフェクトループを備えます。これらを全て、好きな接続順で設定することができ、さらにLoop7とLoop8はステレオにも対応。Volume Pedal Loopはグラウンドリフトにも対応し、セパレートループの間として使うことが可能。好きな位置にアンプを設置するような使い方が可能で、プログラムごとにアンプの前と後ろのエフェクトを切り替えることもできます。ミキサーを2つ装備しており、モノラルなら2ヶ所で、ステレオなら1ヶ所でパラレルループを作ることもできます。
Decibel Eleven Pedal Palett
Pedal Paletteは4つのエフェクトループを装備し、それらを入れ替えて使うことが出来ます。Loop「1と2」「3と4」の入れ替えと、「1」「2」の入れ替え、「3」「4」の入れ替えを組み合わせることで接続順を切り替えます。ほとんどの接続順を設定することができますが、機能の性質上「1、3、2、4」のようにLoop「1と2」「3と4」の間を行き来するような接続は設定出来ません。
各ループにはパラレルの設定をすることができ、最後にミキサーを搭載しています。エフェクトのパラレル接続という意味では、今回のモデルの中ではもちろん、全体的なプログラマブルスイッチャーの中でも突出した機能を備えています。また、ミックス機能を応用したTailsという機能があり、トゥルーバイパスのディレイのようなシームレスディレイの機能を持たないエフェクトであっても、その残響をしばらくミックスすることのできる機能を備えています。
One Control Salamandra Tail Loop
Salamandra Tail Loopは3つのエフェクトループを搭載し、それらを好きな順序で入れ替えて使うことができます。最もシンプルかつ少ない機能のモデルです。
- プログラム数
BOSS ES-8 Effects Switching System
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Decibel Eleven Pedal Palett
One Control Salamandra Tail Loop
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ここからはシンプルに比較してみます。
- バッファ
全てのモデルでバッファはON/OFFが可能です。
BOSS ES-8 Effects Switching System:インプットとアウトプットのバッファを個別にON/OFF可能。
Decibel Eleven Pedal Palett:ON/OFFが可能なJFETのインプットバッファを搭載。そしてパラレルのミックスにはOpampを使ったバッファを搭載。さらに、各ループのSENDの前にそれぞれバッファが入っていて、ループOFF時にはバッファもOFFになるのでトゥルーバイパスとなるんですが、ON時には基本的にSENDの前にクラスAディスクリートのバッファを通る、という仕様となっています。ただし、Loop1が先頭にある場合にのみ、そのLoop1のSENDはインプットと直結されるため、ファズ等のバッファの前に入れたいエフェクトを使うこともできるというスタイル。
One Control Salamandra Tail Loop:プログラムごとにエフェクトON時とバイパス時の設定ができるバッファをインプット部に搭載。バッファはBJF設計のナチュラルなトーンにこだわったものを内蔵。
- MIDI
BOSS ES-8 Effects Switching System:プログラムチェンジメッセージ、コントロールチェンジメッセージとMIDIクロックに対応。1つのプリセットに設定できるMIDIのシグナルはMIDIクロックを除いて8種類で、MIDIチャンネル、LSB/MSB(プリセット選択時にMIDIをどのように送信するか)、そしてPC(プログラムチェンジメッセージ)と、2つのCC(コントロールチェンジメッセージ)です。つまり、プリセットごとに8つのプログラムチェンジメッセージ、16のコントロールチェンジメッセージの設定が可能。MIDIクロックはプリセットごとに1つだけ設定可能。また、MIDIシグナルを受信して外部かかコントロールすることも可能。
Decibel Eleven Pedal Palett:MIDIプログラムチェンジシグナルにのみ対応。送信、受信共に可能。
One Control Salamandra Tail Loop:MIDI非対応
- サイズと重さ
BOSS ES-8 Effects Switching System:(W)439 mm奥行き (D)137 mm高さ (H)65 mm、質量2.5 kg
Decibel Eleven Pedal Palett:3.5×12.7×4.0cm、1.3kg
One Control Salamandra Tail Loop:110(W) x 115(D) x 60(H) mm(突起含む) 重量:約400g
- 電源
全モデル、センターマイナスDC9Vアダプターで駆動。ES-8のみアダプターが付属しています。
- 外部エフェクトのコントロール
BOSS ES-8 Effects Switching Systemのみ、エクスプレッションペダル/フットスイッチ入力端子が2つ、エクスプレッションペダル出力端子が2つと出力用のフットスイッチ端子が3つあり、それぞれ2つずつ、計6つまでのスイッチング信号を出力が可能、さらにMIDIプログラムチェンジシグナルとコントロールチェンジシグナルによる操作も可能です。Decibel Eleven Pedal PalettはMIDIプログラムチェンジによるコントロールが可能です。
といった感じです。この機能が知りたい、などがあれば追記して比較できるかと思います。
ES-8の全部入り感、Pedal Paletteの個性、Salamandra Tail Loopの凝縮感。それぞれ違った特徴を持ち、使い方に合わせていろいろ選択すると良い感じですね。
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