ディレイなどを中心に、個性的なペダルを制作するスウェーデンのハンドメイドエフェクターブランド、Moody Soundsから、かつて1970年代に活動したスウェーデンのハンドメイドエフェクターブランドの先駆け、Carlin Pedalsのペダルが復刻されました。
Carlin Pedalsはニルスオロフ・カーリンというビルダー(今も健在だそうです)が制作したハンドメイドエフェクターブランド。後にBJFをはじめとするスウェーデンのハンドメイドビルダーの先駆けであり、超マニアックながら世界でも個性的なヴィンテージペダルとして一部に知られています。
もともとアマチュア無線からエレクトロニクスの知識があったニルスオロフ・カーリンは、ギタリストになる夢をあきらめ、エレクトロニクスから音楽を支えることを決意。自身もスウェーデンのミュージシャンであると自負しながらエフェクターを制作していたそうです。実際、70年代のスウェーデンのプログレロックバンドはCarlin Pedalsをよく使用していたそうですね。
今回のクローンペダルは、Moody Soundsがニルスオロフ・カーリン本人の協力を得て実現。当時のものをそのまま復刻するのではなく、現代的な使用感に合わせながら回路部は当時のまま、というスタイルで作られています。
Moody Sounds Carlin Compressor Clone
コントロールはSust、Dist、Vol。Sustでコンプレッサー、Distで歪みをコントロールする形です。
回路は当時のものと同じで、パーツも当時のものが現在も生産されているとのこと。一部パターンなどは変更され、追加された内部のトリムポットでDistとSustの可変範囲を調整可能。トゥルーバイパスになっていたり、インプット/アウトプットがスタンダードな形になっていたり、アダプタ駆動に対応、LEDインジケータ追加などの変更が加えられているとのことです。
サンプルムービー
Moody Sounds Cariln Ring Modulator Clone
中身はリングモジュレーター。アナログ回路を使ったスタンダードなリングモジュレーターで、もともとはVolコントロールのみのシンプルな構造だったものを大胆にアップデートしています。
コントロールはVolとMix A、Mix B。2インプット、2アウトプットというスタイルで、VolコントロールはアウトプットAにのみかかります。2つのインプットはミックスされるため、AとBのインプットが混ざり合い、相互に影響して新たな音を作り出します。アウトプットAとBはパラレルアウトで、それぞれにMix A、Mix Bが効きます。なのでアウトBとインプットBをパッチケーブルでつなぐだけでも音が変わるということですね。
各インプット、アウトプットはエフェクトON時にバッファードされ、シグナルのロスを無くしています。フットスイッチはトゥルーバイパスです。
ヴィンテージオリジナルペダルのサンプルムービー
シンセでのサンプルムービー
Moody Sounds Carlin Phaser Clone
光学式のフェイザーで、オリジナルは白熱電球を使用。ペダルの動きでプラスチックチューブが電球にかぶさり、それで音を調整していたそうです。クローンではワウ筐体を使用し、白色LEDにつながる抵抗をポットで動かして明るさを調整する方式。オーディオ部の回路はオリジナルと同様で、基板パターンもできる限り近づけているとのことです。
浮遊感のある独特の音色が特徴のフェイザーということですね。こちらはオリジナルモデルにあったLEDインジケータをあえて削除。LEDインジケータが音に影響を与えていたためだそうです。おもしろい進化です。
サンプルムービー
マニアックなブランドによる、マニアックなヴィンテージのクローン。それもマニアックな機能が追加されていたりして、ちょっとおもしろいペダルとなっています。
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