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当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

「デジタルアンプ」の歴史を振り返ってみる。


デジタルアンプと呼ばれる機材。まぁいわゆるデジタルでアンプモデリング機能を持ったマルチエフェクター的な機材のことを指します。アンプモデリングという技術自体はもう珍しいものではない、というのは言うまでもないですよね。(オーディオでいうデジタルアンプはデジタル回路を使ったアンプのことですが、今回触れるのはそれではありませんw)

アンプモデリング。1995年に発売された「Roland GP-100」に初めて搭載されたのがCOSM、「Composite Object Sound Modeling」というデジタルモデリング技術を活かしたアンプモデリングです。そのサウンドは翌1996年発売のBOSS GT-5にも継承され、フロアタイプのマルチエフェクターでも様々なアンプのサウンドを再現することができるようになりました。

ちなみにこの95年という年。シンセの世界ではあの赤いシンセでおなじみのNORDが世界初のフルDSPモデリングシンセサイザー、NORD LEADを発売。デジタル、アナログを問わずオシレータを使って音を「作っていた」、またはサンプリングを用いて音を出していたシンセサイザーの世界に、デジタルで音を「再現する」ことでも良い音が作れると証明してみせました。それに衝撃を受けたドイツのエンジニアが開発し、1997年に発売されたのがDSPを用いたバーチャルアナログシンセ、ACCESS Virus Aです。これらにはMotorola DSPというDSPが使用されていました。DSPの発展がギターアンプモデリングだけでなく、シンセの世界にも変革をもたらしたわけですね。なんでこんな話をしているのかというと、そのドイツのエンジニアの名はChristoph Kemper氏。あのKemper開発者だからです。面白い話ですね。

さて、ギターアンプモデリングに話をもどすと、1996年、Line6からAxSys 212というアンプモデリング技術を搭載したコンボアンプが発売、98年には初代PODが発売され、業界を席巻。アンプモデリングはRoland vs Line6という構図となりました。ちなみにPODより前の97年にLine6はAmp Farm TDMというProTools用のプラグインを発売していたりもします。

Line6は2000年にPODが2.0にアップデートしています。2001年にはBOSS ME-33という低価格モデルにもアンプモデリングを搭載。同年GT-6デビュー、この頃からBOSS/Rolandはエフェクターに関してもデジタルモデルに大きく舵を切ります。2002年には大ヒットモデル、Line6 POD Xtがデビューします。2004年にはBOSS GT-8が発売となります。ちなみに2002年にIK MultimediaがAmpliTubeを、2004年にはNative Instrumentsが初代Guitar Rigを発売。ギターアンプモデリングにプラグインソフトという一つの形が完成しつつありました。
21世紀という新しい時代の到来による大きな変革です。メーカーがデジタルモデルを制作するのには実はけっこう大きな意味があります。アナログエフェクトは、法律上「回路に著作権がありません」。しかし、デジタルのプログラムには著作権があり、同時にコピーするのが容易ではありません。そのため、今大きなメーカーはアナログエフェクトよりもデジタル機器を多く開発する傾向にある、ということもちょっとあったりします。ただ、それももちろん、それ自体の音が「アナログより良い」と言えなければ成り立たない話。DSPの性能向上、発展が必要となります。

2000年代のデジタルアンプモデリングは、アナログに迫るサウンドでしたが、まだアナログを越えることはできていませんでした。それでも低価格で多彩なアンプサウンドをマルチエフェクターに盛り込むことができるというのは大きなことで、このあたりからVOX/KORGやZOOMをはじめ、世界中の様々なマルチエフェクターにアンプモデリングが搭載。「●●種類のアンプを収録」というキャッチが目立ち始めます。
ところが、Roland、Line6ともに、このあたりでいったん進化が止まります。ハードウェアの進化がある程度十分になり、ソフトウェアによるファームウェアアップデートが重視されていくことになります。

そんな中、2006年にFractal Audioから初代Axe-Fxが発売。2007年にPOD X3にアップデート、2008年にBOSS GT-10が発売されます。POD、GTはどちらも正常進化という流れの中、2009年にはDigidesign(後のAVID)からEleven Rackが発売され、よりハイエンドなデジタルアンプモデリング機器が登場。先に発売されたAxe-FxやAxe-Fx Ultraも徐々に知名度を広げつつありました。ちなみにこの間に起こったことは、2007年にiPhone発売。まだ影響はありませんが、スマートフォンの普及はデジタル機器を徐々に変えていくことになります。スマホの普及=プロセッサの普及です。マルチコアのプロセッサーが当たり前となり、プロセッサー自体の性能もどんどん向上します。CPUとDSPは似て非なるものですが、その技術はやはり影響され、DSPの性能もより高いものが作られるようになっていきます。2007年時点ではまだ影響はありませんが、このことは今に続くハイエンドデジタルアンプモデルのサウンドクオリティの向上に間違いなく寄与していると言えます。

さて、2011年、PODがHDシリーズに進化。それまでのモデリングを捨て去り、全く新しい形でのモデリングにより、サウンドを向上させたスタイルを確立します。HDシリーズは実質的に最後のPODシリーズとなりますね。2012年、後を追うようにBOSS GT-100が発売。ただこちらはLine6とは違い、それまでのGT-8から続く正常進化の形をとりました。このGT-100は2018年までフラッグシップの座に居続けるわけですが、その元となったのがGT-8。なので先ほど、GT-8のあたりで進化が止まった、と書いたわけです。

Roland/Line6から目を離すと、1年もどって2011年、Fractal Audio Axe-Fx IIがリリース。2012年にはKemper Profiler(当時はProfiling Amplifier)が発売されます。この頃から、デジタルアンプモデリングが一部の状況によってはアナログサウンドを上回るレベルに達してきています。Kemperは現在もハードウェアを変えず、ファームウェアアップデートを重ねて現役モデルとなっています。もともとKemper開発の技術者、Christoph Kemper氏はファームウェアアップデートを重ねるスタイルをAccessシンセ時代から行っており、ハードウェアのアップデートも多く行うFractal Audioとのスタイルの違いが見えますね。そう、ここからデジタルアンプモデリングはFractal vs Kemperの時代に入るのです。
FractalやKemperの技術にはIR(Impulse Responce。詳しくはこのへんとか)が用いられています。それまでのモデリングは内部コンポーネンツの動作のシミュレートを重ねたものがメインだったのに対し、実際の出音を関数的に演算して音を作っていくスタイルですね。DSPの進化による超高速演算が可能とした技術とも言えます。

一方、2011年にPositive GridがiOS用のアンプ/エフェクトモデリングアプリ、JamUpをリリース。すでに知名度のあったAmpliTubeなどもあり、スマートフォンやタブレットを使用して音を作る、新しいスタイルが確立されていきます。

2013年、Rolandは退職希望者を募り、2014年、Line6がYAMAHAの子会社となります。同年、Rolandは創始者の梯郁太郎氏と社長の三木純一氏の考え方の違いが現れ、いろいろあったもののMBOによりRolandは上場廃止となります。同年BOSSはBreak Throughを発表。それまで頑なに行ってこなかった、過去のモデルの復刻や復活を実施します。かつてデジタルアンプモデリングを牽引した2大メーカーが大きく変わろうとしていました。

Line6は、その後、AMPLIFi FX100などの低価格なモデルをリリースしていましたが、2015年にHelix Floorを発売。操作性やサウンドクオリティの高さから当時の2トップ、FractalとKemperの間に割って入る動きを見せるようになります。かつてのトップメーカーは今でもトップメーカーである、ただの“古豪”ではないことを知らしめました。

2016年、トップクラスのデジタルアンプ界にもう1つの主役が登場します。Atomic Amplifire。現在は6ボタンとなっていますが、そのサイズは変わらず、当時3フットスイッチのシンプルなエフェクタースタイルでトップクオリティのデジタルアンプサウンドを作るペダルで、それまでラックやアンプヘッド、大型マルチのスタイルが一般的だったトップクラスのデジタルマルチに、コンパクトなモデルを作る意義を示しました。その後2017年に発売されたAtomic Ampli-Fireboxは、もはやコンパクトエフェクターサイズ。現時点で最も小さなデジタルアンプと言えるのではないかと思います。

同じ2016年にはPositive GridからBias Ampが発売。トップクオリティのサウンドを作るプラグインエフェクトです。さらにハードウェアのBias Headも発売され、もう1つのトップエンドデジタルアンプとして降臨しました。なお、2017年にLine6がプラグインバージョンのHelix Nativeを発売。DTMで打ち込みのギターにもハイエンドなエフェクト/アンプサウンドを作ることができるようになっています。

2017年、それまで「低価格エフェクターブランド」とされてきた中国のMooerが、Micro Preampシリーズを発売。ミニペダルサイズのコンパクトエフェクターという位置づけながら、トップクラスのデジタルアンプサウンドを持つペダルとして高い評価を得ます。1台に複数のアンプサウンドを入れるのではなく、1台に1台のアンプサウンド。しかしチャンネル切り替えやセッティングのプリセット機能などもあり、その手法は明らかにデジタルアンプの技術を取り入れたものでした。

同年、小型マルチエフェクターGE200を発売(国内では2018年発売)。それまでの同価格帯のマルチエフェクターにある、一世代前のデジタルサウンドではなく、今の時代のデジタルアンプサウンドを手頃な価格でコンパクトに、という新しいコンセプトの誕生です。

同じく2017年、かつてのハイエンドデジタルアンプ、Eleven Rack開発チームによる新たなブランド、Headrushが登場。さらなるトップエンドデジタルアンプの勢力ですね。

そして2018年、BOSSがGT-1000を発売。2014年のブレイクスルーから4年、遂にトップクラスのデジタルアンプの世界に返り咲きを果たしました。

同じく2018年、新世代のハイエンドモデル、Axe-Fx IIIが発売。デジタルアンプが新たな時代へと突入しようとしています。

また、同じく2018年、HEADRUSH GigboardLine6 HX StompMooer Preamp LiveAtomic AMPLIFIRE 6発売。
まぁMooerとAtomicはもともとコンパクト傾向がありますが、この手頃なサイズでハイクオリティなデジタルアンプサウンドを持ち運ぶ、というスタイルもより一般化しそうな流れとなっていますね。
 
ということで、デジタルアンプの歴史を、思いつくまま書いてみました。さすがに全てを網羅することはできませんが・・・かなり広い範囲で流れをまとめることができたのではないかと思います。
これからもより進化を続け、さらに一般化しそうな「デジタルアンプ」というカテゴリ。すでにマルチエフェクターと変わらないくらいの広さになっているのもポイントですね。
実際私もKemperを使ってて思いますが・・・すさまじく楽です。デジタルアンプ。たしかに本物の真空管アンプをしっかりとした音量で鳴らしたサウンドにはまだ適わないです。が、自宅でのレコーディングではこれ以上のクオリティはなかなか難しいですし、ステージでも十分以上、ノイズなんかを考えればこちらの方がよりよくなる場合も確かにあると思います。
今後の進化や展開がますます楽しみでありつつ、だいぶ群雄割拠になってきているので、新たなメーカー/ブランドの参戦なんかも見てみたいですね。
 
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