トップクラスのデジタルマルチエフェクター。Axe-Fx IIIやKemper、Helix、GT-1000、Headrush、Amplifire、GE300……といったモデルが出ています。
そんな上位カテゴリのマルチエフェクターに、新たに参戦を発表したのが、フィンランド、Neural DSPというブランドです。
Neural DSPは、Darkglassのプラグインモデルなどを制作するプラグインエフェクトブランドです。
プラグインからハードウェアのアンプシミュレーターを発売したといえばPositive Gridがそうですね。
今年のNAMMにて出展された「Neural DSP Quad Cortex」は、そんなNeual DSPが開発したマルチエフェクターです。ギターだけでなくベースやマイクなどにも対応する多彩な接続が可能なマルチエフェクターですね。
まず、このペダルで重要なのがこのフルスペックなマルチエフェクターの外観を持ちながら、29 x 19 x 4.8 cmというサイズ、そしてなによりも1.6kg という軽量さを実現しています。これがどのくらい軽いかというと、Kemper Profiler Stageが4.6kg。トップクラスの中では軽量とされるGT-1000は3.6kg。
では1.6kgといえばコンパクトマルチのGT-1(1.3kg)とほぼ変わらない重さです。
さらにこのGT-1は305x152x56mmのサイズなので、奥行きはありますがサイズもほとんど変わらないサイズということになります。
小さくて軽量、それでいてハイエンドスペック。これは今までにないタイプのモデルといえますね。
では、機能を見ていきましょう。
「Neural DSP Quad Cortex」はクアッドコアSHARC 2GHz DSPを搭載したマルチエフェクターです。本体には8プリセット×32バンク 本体に256プリセット保存可能です。
高い処理能力を誇るDSPにより、4アンプモデル、ステレオリバーブ、さらにエフェクトも同時使用可能(使うエフェクトなどによります)というモデル。
そして、リアルアンプやオーバードライブ、キャビネットを高精度でキャプチャ可能な「Neural Capture」という機能を搭載。もちろんそれを共有したりダウンロードすることができます。
このNeual Captureは「他社のキャプチャとは異なり、人間の知覚に近いサウンド特性により、“この惑星上で最も自然なキャプチャ”が可能」とのことです。
また、様々なプロデューサー、サウンドデザイナーとのコラボレーションによる無料リグを提供していくということですね。
まだ発売前ですが、現在は50以上のアンプ、70以上のエフェクト、1000以上のIRに対応。多数の様々な機材を最先端でエミュレートしたギター/ベース用アルゴリズムは今後も追加予定となっています。
IRの数が特に際立っています。これは複数のスピーカーを配置する状況もシミュレート可能で、もちろんサードパーティIRもロード可能となっています。
大きなディスプレイは7インチのマルチタッチディスプレイ。1.8mmの強化保護ガラスによるディスプレイ保護されており、安心して使えるということです。
7インチマルチタッチディスプレイにより、直感的に操作できるパラメトリックEQを搭載したり、ドラッグ/ドロップによる操作で複雑なルーティングも簡単に設定可能、スワイプ操作でインプット/アウトプット設定を表示/調整可能と、大きなディスプレイを活かした操作性を実現。
そしておもしろいのが11個搭載されたフットスイッチで、フットスイッチのトップ部を回すとノブとして機能します。なので、小さな筐体でも操作性を高めることが可能となっています。
踏むときに回してしまわないかと思いますが、フットスイッチが踏まれたらノブの回転を受け付けないソフトウェア側の設定により、それも問題ない形となっています。ステンレスを使ったフットスイッチで、耐久性も高いということです。
このフットスイッチは3つの動作モードがあります。
Stomp Mode:フットスイッチにエフェクトをアサインしてON/OFFや設定の呼び出しが可能
Scene Mode:フットスイッチで複数のエフェクトON/OFFなどを切り替え可能
Preset Mode:8つのバーチャルリグにそのままアクセス
となっています。プリセットを切り替える際にはプリセットをロードするので音は多少途切れますが、それを最低限に抑えるためのフェードイン/アウト(Kemperのような動作)をするということです。StompとSceneモードではリバーブ等のトレイルも可能です。
また、Wi-Fiを搭載し、ワイヤレスプリセットシェアリング、クラウドバックアップ、無線ファームウェアアップデート等が可能です。
USB端子はCirrus Logicコーデック対応の超低レイテンシUSBオーディオインターフェイスとなっています。
入出力端子も充実しています。
インプット:TS、TRS、XLR対応デュアルコンボインプット
2つのインプット個別にインピーダンス、レベルコントロール搭載、マイクプリアンプ内蔵、Phantom出力可能
デュアルエフェクトループ:モノラル、ステレオエフェクトをシグナルチェインに追加可能
アディショナルインプット/アウトプットとしても
1/4インチアウト:2モノバランスド(TRS)アウト
XLRアウト:デュアルモノバランスドXLRアウト
ヘッドフォンアウト
MIDI IN、OUT/THRU
デュアルエクスプレッションインプット:2台までのekuspペダルセクゾく可能。ワウやボリューム、ピッチなどに割り当て可能
USB:USBオーディオ、ファームウェアアップデート、USB-MIDI等
全ての端子はNeutrik製となっています。
もちろんプラグインメーカーらしくソフトウェアも充実。Neural CNS Mobileによりクラウド上のプリセットをロード、同期し、ワイヤレスでプリセットを送信可能です。
また、Cortex Desktop Controllerにより、リアルタイム制御やNeural CNSにアクセスしてプリセットの検索、共有、ダウンロードが可能となっています。
NAMM 2020: Neural DSP Quad Cortex
Quad Cortex Rabea Massaad Beta Tones
現状ではまだ代理店なども決まっていない(のか発表されていないだけなのかは不明ですが)状況で、いつごろ国内に、いくらくらいで入ってくるのかは分かりません。
直販で全世界に販売する、ということですので入手自体はできると思いますが、このクラスのデジタルマルチはちょっと、正規品を買いたい感があるので、是非とも国内正規品での発売をしてもらいたいなと思います。まぁどこかしらが扱うとは思います。
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