エレキギターの定番モデル、ストラトキャスター。ですが、その人気は常に高かったわけではありません。
最大の危機は60年代。サーフミュージック全盛時代です。その時代にはストラトキャスターは「発売されて10年ほど経ったモデル」であり、忘れられつつある時代でした。モデルの生産中止も視野に入っていたと言われています。
ですが、その後。ジミ・ヘンドリクスの登場により人気が上昇することになります。
エリック・クラプトンがストラトに変えたのもこの時代。その後70年代になりストラトキャスターの人気は不動のものと言われるほどになっていきます。
ところが、黄金期というほど人気が高まると、その次には衰える時期があります。これはどんなものでもそうなんですが、80年代になるとストラトキャスターにとって試練がまた訪れることになります。というかストラトだけではなくフェンダーのギター全体の人気が衰えた時期でした。
70年代後半くらいから安価なコピーモデルが蔓延、さらにハードロックの時代からヘヴィメタルの時代に入り、フェンダースタイルのギター自体の人気が下がったこともあり、1980年代の初めにはついに生産が中止される自体にもなりました。
なお、コピーモデルへの対策として1982年にFender Japanが設立されます。そして1985年、CBS撤退とともにフェンダーの再建が図られるようになります。
ただ、80年代、ストラトキャスターはすでに「定番モデル」となっていました。そのダブルカットのボディ形状は定着していたのです。80年代、JacksonのSoloistや、Ibanez RGの前身となったRoadstar IIなど、Superstratと呼ばれるスタイルのモデルは人気でした。
ならば本物のストラトキャスターの名を使うことの出来るFenderも、古くさい(当時)スタイルのストラトキャスターより、もっと若者向け(当時)のスタイルのものを作ろう・・・となったのかどうかは分かりませんが、1988年、フェンダーから新しいスタイルのストラトキャスターが発売されます。
「HM Strat」。
メタルがまだ「ヘビーメタル」(ヘヴィでははくヘビー)と呼ばれて人気の高かった時代です。
そして今、そんなHM StratがFENDER Made in Japanから限定で復活です。
ボディはバスウッド。Thin Cシェイプのメイプルネックをボルトオン。
指板はローズウッドモデルとメイプルモデルがあります。
ストラトキャスターではなく、ストラトだったんですね。RマークがあるのでStratの商標を使っています。
このモデル名のロゴにブラックのペグにブラックのロックナットとテンションバーが80sっぽさ漂います。
もちろん24F。ジャンボフレットです。
ピックアップはSSH(フェンダー的にはHSS)で、ネックとセンターがHM Single Coil、ブリッジがHM Humbuckingとなっています。ピックアップはダイレクトマウントですね。
コントロールは1Vol、2Tone、5Wayセレクター。ブリッジはフロイドローズのロックブリッジとなっています。
これを当時の迷走と呼ぶのは簡単です。経営再建の中、ここまでやったモデルが発売されていた。そのことを楽しめると良いなと思います。
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