PRSことPaul Reed Smith。
モダンギター界の雄として、ハイエンドギターの上位モデルからエントリーモデルまで高い人気を誇るギターを制作する大きなギターメーカーです。
GibsonやFender、Ibanezなどと並ぶ世界的定番メーカーとなっています。
そんなPRS、長年にわたりKORG(KID)が日本の代理店を務めてきましたが、昨年、2021年4月にPaul Reed Smith Guitars Japan GKに変わりました。
それから1年強。国内での供給や状況なども安定してきましたので、改めて2022年6月現在のPRSギターをまとめてみたいと思います。
PRSは、5つのブランド構成があります。
- Private Stock
- Core
- Bolt On
- S2
- SE
上から順に簡単に見ていくと、まずPrivate Stockですが、これはいわゆるカスタムショップにあたるラインです。
カスタムオーダーで制作されるモデルや展示モデルなどルシアーがコンセプトに合わせて制作するモデルがラインナップされます。ダブルネックや7弦以上の多弦モデルなども、現在はこのPrivate Stockで制作されるものとなります。(もちろん他のラインでもスポットモデルや特殊な限定モデルなどが出ることもあります。)
続いてCore。PRSの旗艦となるシリーズで、レギュラーモデルの最上位に位置するラインです。1985年の始まりからPRSを支え続け、その中心として作られているモデルがラインナップされるラインです。全てのモデルがセットネックで制作され、PRSならではのハードウェアや木材などで作られます。Custom24やMcCarty、Hollow Bodyなどいわゆる「PRS」と言って思い浮かぶモデルはだいたいここのラインのモデルかと思います。
そしてBolt On。名前のとおり、ボルトオンネックで制作されるシリーズ。Coreモデルに対して価格帯が少し下がるモデルが多くはなりますが、こちらは廉価版という位置づけではなくCoreと並ぶ最上位のレギュラーモデルと言って良いシリーズです。ちなみにこのCoreとBolt Onは今は明確に別ラインとして分けられていますが、CE24シリーズなど、かつてはCoreモデルとして紹介されることもありました。現在も、このCoreとBolt Onのラインを合わせて無印のPaul Reed Smithブランドとしてラインナップされることが多いです。
続いてS2。CoreやBolt On、そしてPrivate Stock同様アメリカのPRS本国ファクトリーで生産され、同時に上記のモデルよりも手頃な価格で制作されるラインです。
そしてSE。本国のファクトリーではなくアジアのギターファクトリーに委託して制作される廉価モデルです。とはいえ人気も評判も高いのは知っての通りです。
なお、他メーカーと価格帯を比べて見ると、SEはFenderでいえばSquire~Fender Made in Japanシリーズ、GIbsonに対するEpiphone~USA低価格モデルなどと同等という感じです。
S2はFender USAやGibson USAのメインレギュラーモデルと同等の価格帯。
CoreやBolt OnはFender USA最上位~Custom Shop、Gibson USA上位モデル~Historic Collectionと同等、そしてPrivate StockはFenderカスタムショップのマスタービルダーやGibsonカスタムショップHistoric Collectionの59Les Paulなど最上位~の価格帯となっています。
つまり、おおまかに言えば
~15万前後:SE
15~30万前後:S2
30~100万前後:Core/Bolt On
100万前後~:Private Stock
というような感じ。とはいえモデル構成や為替などの状況で大きく変化することもあるので、現時点での目安という感じです。PRSギターを良く見ている人なら当たり前かもしれませんが、そうじゃなければこれけっこう驚きかもしれません。特にS2。知らなければ「ちょっと良い廉価版でしょ」みたいに見えるかもですが普通にFender USA/Gibson USAレギュラークラスのモデルという価格帯となっています。
今回載せるCoreやBolt Onは、いわゆる「PRSレギュラーモデル」という位置づけではあるものの、ほとんどのメーカーではカスタムショップクラスのモデル、と考えると分かりやすいかと思います。
ということで、だいたいのブランドライン構成のイメージが分かったところで、実際のモデルを見てみましょう。
なお、代理店が変わって1年ちょっと。ほとんどのモデルが楽器店に流通していますが、まだ数が少なかったりしてWeb上での掲載がないモデルもあり、それらは載せていません。
では、いってみましょう。
Paul Reed Smith Custom24
このカラーモデルについては個別に触れるととんでもない数になるので、それについては特に区別しません。
また、細かいスポットモデルなどで一部の材や仕様が異なる場合があります。
ということで、Paul Reed Smith Custom24です。メイプルトップ、マホガニーバックのソリッドボディにPattern Thin(薄め幅広)の1ピースマホガニーネック、ローズ指板の24F。ネックスケールはPRSスケールと呼ばれる25インチ(ロングスケールとミディアムスケールの中間)です。
ピックアップは85/15(TCI 85/15)。1985年当時の音を2015年に再現したから85/15です。TCIはチューンド・キャパシタンス・アンド・インダクタンス。2020年モデルから搭載されているコイルの巻き方などをアップデートしたモデルです。
1Vol、1Tone、5Wayブレードスイッチで、PRS Patented Tremolo Gen IIIトレモロブリッジ、PRS PhaseIIIロックチューナーを搭載しています。
Paul Reed Smith Custom24-08
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Paul Reed Smith Custom24 Floyd
モデル名のとおりトレモロブリッジがフロイドローズとなり、ピックアップがより激しいサウンドの\m/ピックアップ(カバーなし)となり、エボニー指板となっています。
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Paul Reed Smith Custom24 Piezo
Paul Reed Smith 35th Anniversary Custom24
基本スペックは通常のCustom24-08と同じですが、ロッドカバーが35thとなり、インレイがイーグルインレイとなっています。ヘッドにもイーグルインレイが入っています。
Paul Reed Smith McCarty
実際に80年代にPRSがテッド・マッカーティに教えを請い、開発されたモデルです。
メイプルトップ、マホガニーバックのソリッドボディにPattern(幅広、厚め)シェイプの1ピースマホガニーネック、ローズ指板22F仕様。ネックスケールは25インチです。
ピックアップはTCIの58/15LT。LTはLow Turnで出力低めのヴィンテージでクリアなトーンです。
コントロールは1Vol、1Tone、3Wayセレクターで、Toneを引き上げるとコイルタップされます。ブリッジはノントレモロのPRSストップテイルブリッジ。ペグもヴィンテージスタイルとなります。
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Paul Reed Smith McCarty594
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Paul Reed Smith McCarty594 HB II
Paul Reed Smith McCarty594 SC 594
Paul Reed Smith Hollobody II Piezo
McCarty594 HB II同様、トップとバックがメイプルでサイドがマホガニーのフルホロウ構造に、25インチスケールのPatternマホガニーネック、ローズ指板22F仕様となっています。
ピックアップは58/15 LTで、LR BaggsのピエゾPUを内蔵。1Vol、1Tone、3WayセレクターにピエゾスイッチとBlendコントロールを搭載。2アウトプット仕様となったスタイルです。
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Paul Reed Smith 509
メイプルトップ、マホガニーバックのボディに25.25インチのPattern Regular(幅狭め・太め)マホガニーネック、ローズ指板22F仕様。
ピックアップは509ハム。509シングル、509ハムピックアップ。1Vol、1Tone、5Wayセレクターに加え、フロントとリアのコイルタップスイッチを搭載。
ブリッジはPRS Patented Tremolo, Gen III、ペグはPRS Phase III Lockingとなっています。
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Paul Reed Smith Paul's Guitar
メイプルトップ、マホガニーバックのソリッドボディに25インチ、Patternシェイプの1ピースマホガニーネック、ローズ指板22F仕様。
ピックアップはソープバーサイズのハムバッカー、TCIピックアップで1Vol、1Tone、3Wayセレクターとフロント、リアの個別コイルタップスイッチとなっています。
ブリッジはストップテイルでPhase III Locking Tunersを搭載。
Custom24-08とMcCartyを合わせたようなスペックにPaul's Guitarのピックアップを搭載したスタイルのモデルとなっています。
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Paul Reed Smith Studio
メイプルトップ、マホガニーバックのソリッドボディ、25インチPatternのマホガニーネック、22F仕様。
ピックアップはPRSナローフィールドPUがフロントとセンターに、リアに58/15LTという構造で、1Vol、1Tone、5Wayセレクター。Toneでコイルタップができます。
ブリッジはPRS Patented Tremolo, Gen III、ペグはPRS Phase III Lockingです。
509とはまた違ったスタイルですが、スタジオミュージシャンのように様々なサウンドが必要なプレイヤーのためのギターです。
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Paul Reed Smith DGT
PRSのDavid Grissomモデル。McCartyをベースとしたスタイルで作られるモデルです。
シグネチャーモデルですが、もはやPRSの定番モデルの1つとなっています。
メイプルトップ、マホガニーバックのソリッドボディのソリッドボディで、DGT専用ネックシェイプの25インチマホガニーネック、ローズ指板、ジャンボ22F仕様。
ピックアップも専用のDGTピックアップで、2Vol、1Tone、3Wayセレクター。Toneでコイルタップが可能。
ブリッジはPRS Patented Tremolo, Gen III、ペグはPRS Phase III Lockingです。
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Paul Reed Smith Santana Retro
これは1980年代にPRSが制作した初期のPre-Factoryモデルを元にしたシリーズ。専用のボディシェイプを持つモデルです。
メイプルトップ、マホガニーバックのソリッドボディ、Santana Retro専用シェイプ、24.5インチミディアムスケールのマホガニーネック、ローズ指板24F仕様。
専用ピックアップを搭載し、1Vol、1Tpne、3Wayセレクター。
PRS Patented Tremolo, Gen IIIブリッジとPRS Phase III Lockingペグを搭載しています。
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Paul Reed Smith CE24
Custom24のボルトオンバージョンともいえるのがこのCE24ですね。
メイプルトップ、マホガニーバックのソリッドボディに25インチPattern Thinメイプルネック、イーストインディアンローズウッド指板24F仕様。
ピックアップは85/15で、1Vol、1Tone、3Wayセレクター。Toneでコイルタップができます。
ブリッジはPRS Patented Tremolo, Molded、ペグはPRS Low Mass Lockingとなります。
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Paul Reed Smith CE24 Semi Hollow
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Paul Reed Smith DW CE24 Floyd
CE24のスペックを基本に、指板がメイプルに、ブリッジがFloyd Rose 1000に、ピックアップがMojotone “DW Tomahawk"に変更され、コントロールが1Vol、1Tone、5Wayセレクターとなったモデルです。
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Paul Reed Smith Silver Sky
アルダーボディ、25.5インチスケール635JMシェイプのメイプルネック、ローズ指板22F仕様。
ピックアップは635JMシングルコイルが3つで、1Vol、2Tone、5Wayセレクター、Steel Tremoloブリッジ、ヴィンテージスタイルのロックペグとなっています。
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Paul Reed Smith Fiore
Silver Sky同様ストラトスタイルのモデルです。
ボディはスワンプアッシュ、25.5インチスケール、Fioreシェイプのメイプルネック、メイプル指板22F仕様。
専用FioreのSSHピックアップで、1Vol、2Tone(コイルタップスイッチ付)、5Wayセレクター。
ブリッジは2ポイントSteel Tremoloで、ペグはヴィンテージスタイルです。
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ということで、Paul Reed Smithの中でも上位のレギュラーモデルであるCoreとBolt Onラインのモデルをまとめてみました。
このタイミングでPRSをまとめたのには実はちょっとした理由があるんですが、時事的な話になるので、コメント欄に記載します。よければ続きはコメント欄で。
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